「大阪の中之島図書館廃止」との報道 橋下市長に「壊さないで!」と抗議殺到
2012/6/20 18:51
「大阪の中之島図書館、廃止へ」というニュースが一部で流れ、「またも大阪の文化を無くす気か!」「建物はどうなるんだ?」といった抗議や問い合わせが大阪府に多数寄せられた。歴史的な建造物を取り壊す、と受け止められたらしい。
2012年6月19日に開催された府市統合本部会合で、大阪市の橋下徹市長と大阪府の松井一郎知事が、別の施設として活用する方針を表明したのだという。
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「あんなところに図書館を置く必要はない」?
中之島図書館は1904年に第15代住友吉左衛門の寄付で作られたもので、外観はギリシア神殿の佇まいで、中央ホールはドーム状の教会を思わせる造りになっている。年間の利用者は30万人以上で、蔵書は50万冊。本館と左右両翼の2棟は国の重要文化財に指定されていて、建立100年を越えた現在は府民にとって大阪の文化を象徴する存在になっている。
大阪府と大阪市は11年12月に「大阪府市統合本部」を設置し、統合に向けたビジョンを策定している。その14回目の会議が2012年6月19日に開催され、大阪の魅力を増す方法や、類似・重複している行政サービスや施設の経営形態の見直しなどが話し合われた。そこで議論されたのが中之島図書館3 件のあり方で、共同通信が配信した記事によれば、橋下市長と松井知事が、
「大阪市北区の中之島図書館を廃止し、別の施設として活用する方針」
を表明した、とされている。活用方法は未定だが、会合後に松井知事はぶら下がり取材で、
「例えばあそこで事業をしたいという公募事業者は、ものすごい数がいるはずだ。すごいスポットになる」
と説明し、橋下市長も「あんなところに図書館を置く必要はない」と述べたと書いている。
大阪府には大阪府立中央図書館、大阪市には大阪市立中央図書館など様々な図書館がある。中之島図書館は大阪市唯一の府が運営する図書館のため、「大阪府市統合」構想の合理化の一環として中之島図書館3 件が廃止されるのだろうと推察する人もいる。「ツイッター」でもこの記事が話題になっていて、橋下市長に対する批判が圧倒的だ。
「アホかあああああああ!中之島図書館はあの周辺の司法事務所や建築事務所の調べ物にどんだけ役に立っているか。橋下知事、一気に支持する気失くなった」
「これまで橋下がどれだけの文化を壊してきた」
「元大阪市民としてはとてもさみしい。なくしてもいいって思える人がトップにいることが」
こうしたツィートを読むと、いかに地域住民に愛されている図書館なのかがわかる。
建て直しや、一般企業への貸し出しはない
本当に中之島図書館は無くなってしまうのか。大阪府に問い合わせたところ、図書館を管轄する府の教育委員会は「まだ何も決まっていない」という。「大阪府市統合」に向け、府と市で重複する施設の一部はコスト軽減のため廃止することになるが、中之島図書館については府と市統合のシンボルにする案も出ていて、隣接する市中央公会堂などを含めこの一帯は大阪文化を象徴するゾーンになる予定だという。
今回の記事が出たことで、大阪府に多くの批判や質問が寄せられたため、事実を確認した、という。確かに記事に書かれていることを府知事と市長は話したが、府知事が言った「事業をしたいという公募事業者」というのは、カフェなどのテナントを図書館に入れたらどうか、という話であり、市長の「あんなところ」というのも、市長はかねがね中之島図書館を歴史的建物だと絶賛していて、例えば美術館にしてもいいのではないか、と提案しているそうだ。
「とにかく中之島図書館3 件は国の重要文化財ですので、皆さんが心配されている建て直しや、一般企業への貸し出しなどはできません。今後どのように活用するかは議会の承認も必要ですし、決まるのはまだ先の話です」
と教育委員会は話している.
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☆ 図書館は街の便利なところにあるのが理想である。
橋下や松井はどうしてこうなのか、一般企業がはいると内装など変えられてしまう。 (ベッラ)
【中之島図書館~wikiより】
住友家の寄付を受けて建造が開始され[1]、1904年(明治37年)に「大阪図書館」として開館した。設計は野口孫市、日高胖。
大阪図書館は、開館直後の1906年(明治39年)に「大阪府立図書館」と改称される。以来、長く唯一の府立図書館であったが、1945年(昭和20年)に大原社会問題研究所の蔵書の寄付を受け、1950年(昭和25年)、天王寺分館を建ててそこに大部分を収めた。1974年(昭和49年)、両館共名称変更があり、大阪府立図書館は「大阪府立中之島図書館」に、天王寺分館は「大阪府立夕陽丘図書館」と改められた。中之島図書館が国の重要文化財に指定されたのはこの年である。
1996年(平成8年)、東大阪市に大阪府立中央図書館が開館。これに伴い、夕陽丘図書館は特許資料関係を除く約60万冊の蔵書を中央館に移転して閉館されることになった。閉館後は、同施設内に大阪府立特許情報センターが新設され、旧夕陽丘図書館の特許資料部門を引き継いで特許情報の収集・提供を行っていたものの、同センターも2010年(平成22年)12月31日をもって廃止され、同施設は2011年(平成23年)3月末日をもって閉館された。
2004年(平成16年)より、中之島図書館は図書館としての機能を中央図書館にまとめ、蔵書の一部を移転。ビジネスマンに様々な情報を提供する「ビジネス支援サービス」を開始した。また別館では、関西大学が法科大学院のサテライト教室として「リーガルクリニック」授業を開講し、大阪府立大学大学院看護学研究科及び同総合リハビリテーション学研究科が社会人向けにサテライト大学院を開講している。 この為、大阪市はこれまで「図書館としての機能を果たす限り土地を無償貸与する」との誓約を結んでいたが、昨今の中之島図書館の機能は本来の図書館から逸脱しているとして、土地使用料の徴収を開始した。
ただし、2003年(平成15年)から施工されていた京阪中之島線事業に伴い、同線が北区中之島1丁目地内を通過することから用地調査が行われたところ、中之島1丁目地内の地籍図が混乱しており、その中に中之島図書館が存在する場所に該当と思われる大阪府名義の「北区中之島1丁目3番」の土地が存在することが判明している。その後大阪市公文書館から市有地との交換を証明する資料が発見され、「北区中之島1丁目3番」の土地が大阪市名義である事が確定した。
建築 [編集]1904年(明治37年)にネオ・バロック様式で建てられた建物は、1922年(大正11年)に左右の両翼を建て増しし、現在の形となった。本館は大阪空襲の戦災からも免れ、幾度かの書庫の増築を経て、今も残っている。1974年(昭和49年)、本館と左右の両翼が共に国の重要文化財に指定された。
なお、本館正面の門は特別な時にしか開かれず、一般利用者は階段両脇の入口から入る。