健感発0601 第1号
平成27 年6 月1 日
都道府県
各 保健所設置市 衛生主管部(局)長 殿
特別区
厚生労働省健康局結核感染症課長
(公 印 省 略)
韓国における中東呼吸器症候群(MERS)の発生について
中東呼吸器症候群(MERS)につきましては、「中東呼吸器症候群(MERS)に関する対応につい
て(協力依頼)」(平成26 年5 月16 日健感発0516 第2 号)及び「中東呼吸器症候群(MERS)及
び鳥インフルエンザA(H7N9)の二類感染症への追加後の対応について」(平成27 年1月21 日
健感発0121 第2 号)により、当該感染症に罹患した疑いのある患者を診察した場合の対応及び
情報提供についてお願いしているところです。
MERS については、依然として持続的なヒトーヒト感染は見られないものの、本年5 月11 日に韓
国において発生した輸入症例については、明らかな接触歴がなかったこと等から診断が遅れたこ
とや、医療機関における院内感染対策の不徹底等により、医療従事者や同じ病棟の患者やその
家族に二次感染が多数発生しています。本事例を踏まえ、院内感染対策を徹底すること、MERS
への感染が疑われる患者の発生に関し迅速な情報共有を行うこと等、下記事項について改めて
関係機関への周知等を含め、特段のご協力をお願いいたします。
記
1 韓国の輸入症例に関する情報提供
本年5 月11 日に発生した韓国におけるMERS 輸入症例について、別添1のとおり情報をまとめ
たので関係機関等と共有されたい。
2 MERS 疑い患者が発生した場合の標準的対応フローの確認
感染症法の改正に伴い、平成27 年1 月21 日付けで、MERS 疑い患者が発生した場合の標準
的対応フロー(別添2)及び情報提供の際に使用する参考様式(別添3)を改定しているので、留
意すること。特に、対応フローの起点となる情報提供を要する患者は、以下ア、イ又はウの要件に
該当する者とするが、MERS 確定患者又はラクダとの接触歴がない場合も含まれる点に留意する
こと。
(情報提供を求める患者の要件)
ア.38 度以上の発熱及び咳を伴う急性呼吸器症状を呈し、臨床的又は放射線学的に実質性肺
病変(例:肺炎又はARDS)が疑われる者であって、発症前14 日以内に対象地域(※)に渡航
又は居住していたもの
イ. 発熱を伴う急性呼吸器症状(軽症の場合を含む。)を呈する者であって、発症前14 日以内に
対象地域(※)において、医療機関を受診若しくは訪問したもの、MERS であることが確定した
者との接触歴があるもの又はラクダとの濃厚接触歴(例:未殺菌乳の喫食)があるもの
ウ. 発熱又は急性呼吸器症状(軽症の場合を含む。)を呈する者であって、発症前14 日以内に、
中東呼吸器症候群が疑われる患者を診察、看護若しくは介護していたもの、中東呼吸器症
候群が疑われる患者と同居していたもの又は中東呼吸器症候群が疑われる患者の気道分泌
液若しくは体液等の汚染物質に直接触れたもの
※対象地域:アラビア半島又はその周辺諸国
3 院内感染対策の徹底
韓国の輸入症例では、明らかな接触歴がなかったこと等から診断が遅れたことや、医療機関に
おける院内感染対策の不徹底等により、医療従事者等への二次感染が広がったことを踏まえ、貴
管内医療機関に対し、標準予防策及び飛沫感染予防策の徹底が図られるよう指導するとともに、
「中東呼吸器症候群(MERS)・鳥インフルエンザ(H7N9)患者搬送における感染対策」及び「中東
呼吸器症候群(MERS)・鳥インフルエンザ(H7N9)患者に対する院内感染対策」(平成26 年7 月
25 日国立感染症研究所)(別添4、5)について周知すること。
4 検疫所との連携
貴管下の保健所等におかれましても、検疫所からMERS への感染を疑う者について連絡があっ
た場合には、感染症指定医療機関への搬送等、検疫所と連携して対応すること。
参考資料
別添1:韓国における中東呼吸器症候群(MERS)の輸入症例の発生について
別添2:MERS 疑い患者が発生した場合の標準的対応フロー
別添3:情報提供の際に使用する参考様式
別添4:中東呼吸器症候群(MERS)・鳥インフルエンザ(H7N9)患者搬送における感染対策
別添5:中東呼吸器症候群(MERS)・鳥インフルエンザ(H7N9)患者に対する院内感染対策
(参考ホームページ)
厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/mers.html
国立感染症研究所
http://www.nih.go.jp/niid/ja/diseases/alphabet/mers/2186-idsc/2686-mers.html#niid以上
★ 重い肺炎などを引き起こす中東呼吸器症候群(MERS=マーズ)の感染者が搭乗した旅客機が、消毒されないまま、名古屋市近くの中部国際空港までフライトしていたことが分かった。感染の確認が遅れたことが原因。韓国紙「朝鮮日報」の経済ニュースサイト「韓国ビズ」が5月31日に報じた。
アシアナ航空によると、26日に(感染者の)Kさんが乗っていた仁川発香港行の723便は、MERS感染者が搭乗した事実を知らずにこの日の午後、香港での乗客を乗せ、韓国の仁川に戻ってきた。
この旅客機は27日にも、仁川と中国の大連、名古屋を往復しており、中国の長沙に到着したときに、疾病管理本部から「26日にMERS感染者が搭乗した」と通知を受けた。アシアナ航空は28日未明、中国長沙の乗客を乗せて仁川に戻ってきた723便に消毒作業を実施した。
(朝鮮ビズ「【MERS速報】感染者搭乗のアシアナ航空機、通報が遅れて2日間そのまま運航」 2015 05/31 18:36)
FlightAwareの運航データによると、問題となったアシアナ航空723便の飛行機は、エアバスA321だった。
★ 産経ニュースでは「患者との接触はない」男性がウソの説明
5月26日、韓国人の男性会社員(44)は、出張のために723便で香港入りした。産経ニュースによると、男性は家族がMERSに感染し自身も発熱していた。しかし男性は、香港国際空港で検査を受けた際に「患者との接触はない」と検疫官に虚偽の説明をして入境。そのまま中国広東省の恵州市にバスで移動した。27日夜になって韓国政府からの通報を受けた中国当局が、男性を恵州市のホテルで見つけ、病院に隔離。感染が確認されたという。
香港政府は5月29日、723便に搭乗して、席が近かった「濃厚接触者」の韓国人3人と中国人9人の計12人を強制隔離すると発表した。MERS患者と同時に723便に乗った人の中に、日本人はいなかったという。世界保健機関(WHO)によると、MERSの感染者はこれまでに1100人以上が確認され、約430人が死亡している。韓国では6月2日、2人の死亡が確認された。
日本の厚生労働省では、「MERSは、海外の感染予防対策が不十分な医療機関等においては、患者から医療従事者や他の患者に感染(二次感染)した例が報告されている。しかし、季節性インフルエンザのように、次々に人から人へ感染することはない」と説明している。(以上、厚生労働省)
★ 日経新聞から
韓国のMERS感染疑い、398人に 3次感染も増加
2015/6/3 13:02
【ソウル=共同】韓国保健福祉省は3日、中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスに感染した疑いのある人が398人に上ったと明らかにした。感染者は新たに5人確認され、韓国人の感染者は死者2人を含む計30人となった。感染者と接触し、自宅や医療機関で隔離措置の対象となった人は1300人を超えた。
感染疑いが400人に迫ったことで、感染者がさらに増える恐れが出てきた。新たな感染者5人のうち1人は、最初の患者の男性(68)から感染した人物を介し、さらに感染が広がった「3次感染」。3次感染はこれで3人になった。
今回の3次感染者はこれまでの2人と同様、最初の感染者と同じ病棟にいた男性(40)が転院した先の病院で感染が確認された。この男性は転院を繰り返しており、今回の3次感染者と前の2人は別の病院の患者。残る4人の感染者は、最初の感染者の男性と同じ病棟の入院患者やその家族ら。
大統領府は3日、朴槿恵大統領が主宰し同日午後、防疫態勢の問題点などを協議する官民合同の緊急会議を開くと明らかにした。感染拡大を受け、休校となった小中高校は200校以上に上った。
★ 読売新聞から
韓国MERS「三次感染」も…管理の甘さに批判
2015年06月03日 01時01分
韓国保健福祉省は2日、中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスの感染者の男女2人が死亡したと発表した。
感染者は25人に達し、最初の感染者と接触していない「三次感染」も確認。感染者のうち1人は中国にも出国しており、保健当局の管理の甘さに批判が高まっている。
韓国での最初の感染者の男性(68)は、中東から5月4日に帰国し、20日に感染が確認された。
この男性と同じ病棟に、死亡した男性(71)と女性(58)が同15~17日に入院していた。聯合ニュースによると、女性には特別な治療や隔離は行われず、6月1日に呼吸器不全で死亡。その後、感染が確認されたという。
さらに、感染者25人のうち2人は三次感染者だった。
2人は二次感染者と同じ病室に入院しており、保健当局は「医療機関内での感染で、地域社会に拡散された状態ではない」と強調したが、市民の不安は強い。政府は感染者が発生した病院名を公表しておらず、ネット上には「感染地域も感染経路も教えてくれない」といった書き込みもある。
2015年06月03日 01時01分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
★ 必ず石鹸で手を洗い、外出から帰るとうがい。空港や繁華街ではマスクも必要か。
韓国への旅行もキャンセルが相次ぐ状態、韓国修学旅行などとんでもない。