片山寅之助議員(維新~旧たち日)のメルマガより
中国の防空識別圏設定について
11月23日、中国国防部は「防空識別圏」を東シナ海に設置、施行したと発表し、大騒ぎとなりました。
発表された図の中には中国が領有権を主張する尖閣諸島が含まれていることもあり、中国側は特定の国を念頭に置いたものでないと説明するものの、日本がすでに設定している防空識別圏と重なっているのは確かで、尖閣周辺の上空で緊張が高まる可能性があります。
日本政府は直ちに、中国外交部・国防部に対し、わが国の疑念を伝達して厳重に抗議するとともに、関連措置の撤回を求めました。
同時に同盟国である米国と協議を実施し、緊密な連携で一致しました。
米国は、中国の措置に対し、強い疑念を表明するとともに、米国の軍事行動の態様をいかなる形でも変えるものでないことを強調しています。なお、韓国、台湾、豪州も遺憾、反対などを表明しています。
そもそも防空識別圏とは、国際法上確立した概念でなく、一般に各国が自国の安全を図るため国内措置として領空に接続する公海上空に設定しているもので、これにより領空ないし領土の限界、範囲を定める性格のものではありません。
わがの防国空識別圏は、防衛庁(当時)の訓令によって昭和44年に設定されていますが、元々は米軍がわが国の防空及び航空管理を実施していた頃に米軍により設定されたものを踏襲しています。
わが国周辺を飛行する航空機の識別を容易にして、もって領空侵犯に対する措置を有効に実施するためのものであることに変わりはありません。
すでに米軍の爆撃機が平然と通常の航行をしたように、今回の中国の措置に何らの影響を受けないことを断固として示すことが一番だと私は考えます。
平成25年11月29日
○お知らせ ― 12月2日(月)の午後10時から1時間、BS日テレ・「深層NEWS」に出演します。時間の許す方はご覧下さい。
鍛冶俊樹氏のメルマガ、
軍事ジャーナル【11月27日号】中国空軍の敗北
発行日:11/27
中国が防空識別圏の設定を宣言した。2月に中国軍の羅援少将が設定を提案していたが、その時点では軍上層部は羅援の提案を無視していた。それが何故この時期に採用されたかと言えば、16日、17日と二日連続でロシアの空軍機が沖縄に接近するという事件があったからだろう。
この二日とも中国軍機がロシア機に対応する形で沖縄に接近しており、その飛行経路は今回設定した防空識別圏と重なるのである。
実は12日にロシアのプーチン大統領はベトナムを訪問しており、ロシアの最新戦闘機の供与について話し合われたという。
今のベトナムにとって最大の脅威は中国であるから、この露越の動きはどうみても対中包囲網の形成である。
その上でロシア軍機の東シナ海進出である。中国は反射的に防空識別圏の設定を宣言したのであろう。要するにロシアを牽制したのである。
しかし中国が防空識別圏を設定するとなれば、中国が領有を主張している台湾や尖閣、そして韓国の一部も含まれることになる。
設定を宣言した23日、中国の情報収集機が飛行し、そこは日本の防空識別圏でもあるから、航空自衛隊の戦闘機が緊急発進し中国機に接近し監視した。
言うまでもなく中国から見ると中国の防空識別圏を日本の戦闘機が飛行しているわけだから、中国の戦闘機が緊急発進して日本の戦闘機に接近して監視しなくてはならない。ところが中国の戦闘機は緊急発進しなかった。
そもそも防空識別圏とは戦闘機が緊急発進する範囲を指す。戦闘機が緊急発進しない防空識別圏など何らの実効性を持たない、言わば絵に描いた餅でしかない。それを見た米軍はB52爆撃機を飛行させ、やはり中国戦闘機は発進せず、中国が宣言した防空識別圏は八方破れの陣となった。
おそらく航空自衛隊のF15が緊急発進したのを見て中国空軍の戦闘パイロットは二の足を踏んだのであろう。
中国にはJ10やJ11などF15に一応対抗できる機種はある。しかし稼働率が異様に低く墜落率が驚くほど高いと言われる。当然訓練も儘ならず、パイロットの練度も低い。
一口にいえば、空自のF15が出撃した瞬間に中国空軍は敗北したのである。
中国が防空識別圏を設定したとの報を受けても動揺せず通常の手続きに従って緊急発進した空自のパイロットや現場指揮官の勇気は称賛に値する。
これが民主党政権だったら、岡田幹事長みたいのが、中国を刺激するなとか言って緊急発進を中止させたに相違なく、そうなれば中国の防空識別圏は公式に承認されたものとなり、中国空軍は台湾、尖閣、韓国に勢力を広げていた。安倍政権は東アジアを救ったとも言えるであろう。
中国の制服のトップ、軍事副主席の許其亮は空軍出身である。中国の権力闘争は昨今いよいよ激化しているから、許は責任を問われて失脚するかもしれない。失脚を免れるためには失敗を糊塗していよいよ強硬策に出ることも考えられる。たとえば1996年に台湾近くに軍事演習と称してミサイルを次々に打ち込んだが、形勢挽回、窮余の一策として有り得る。
東アジア戦争の第1ラウンドに我々は勝利したが、戦いはまだ終わってはいないのである。
下記の文は上記の前日のもの
軍事ジャーナル【11月21日号】日露、軍事同盟を締結
発行日:11/21
中国軍の情報収集機が16日、17日の二日連続で日本の防空識別圏を飛行した。この報道は防衛省の公表に基づくが、18日に中国の国営テレビは「地域の緊張を誇張し、日本の軍拡の口実にしている」と防衛省が公表した事自体を批判した。
中国の対日批判は常に筋違いで的外れだが、そこには多くの場合、中国側の口に出せない本音が隠されている。つまり八つ当たりなのだ。
この批判もまさに八つ当たりとしか言いようがない。では本当の不満は誰に向けられたものなのか?実はロシアである。
16日、中国の情報収集機が日本の領空に接近する直前にロシア軍の偵察機2機が日本の領空をなめるように北から南に、つまり北方領土から沖縄周辺まで太平洋側を飛行している。
過去にもこうした例があることから明らかな様に、中国軍機はロシア軍機の動きに対応して出動している。この露軍機接近も防衛省は公表しているが、過去の接近の事例と比べると報道上において、非難のトーンが低い。
中国から見ると日本がロシアに優しく中国に厳しい様に見えるだろう。
昨今、日露関係は好調だ。今年、安倍総理とプーチン大統領は既に2回会談している。
3月にロシアの爆撃機が日本を一周したが、その翌月に安倍総理はプーチンに会って液化天然ガスの輸入促進で合意し、8月に露爆撃機が福岡沖で領空侵犯した翌月、安倍総理はサンクトペテルブルグでまたプーチンと会談している。
日中首脳会談が一度も開かれていないのに比べて日露の友好ぶりは歴然としている。
11月2日に初めての日露外務・防衛相会談(2+2)が東京で開催されたことを勘案すれば、日露関係はもはや経済関係をこえた軍事同盟関係にあると見るのが妥当だ。実は16日、中国の公船は尖閣の領海に侵入している。中国船領海侵入の事前情報を掴んだロシアが偵察機を出したと見れば、ロシアが日本を助けて中国を牽制したという戦略的構図が明らかになる。
米国の戦略家ルトワクが日本の外務省に「日本は北方領土を諦めてロシアと結び中国の脅威に対抗せよ」と献策したそうである。
確かに外務省のホームページに尖閣、竹島の動画があって北方領土の動画が掲載されないという事実を見れば、外務省がこの献策を受け入れた可能性がある。
だがこの7月に出版した拙著「領土の常識」にも書いたが、領土を諦めてはならない。
日本は中国の海洋進出を脅威としロシアとの同盟を必要とするが、長大な国境線で陸軍国・中国と接しているロシアにとってその脅威ははるかに深刻であり、日本がロシアを必要とするよりロシアが日本を必要とする度合ははるかに高いのである。
だとすれば日露軍事同盟の信頼の証として、北方領土の返還を要求することは可能であるし、ロシアにとって中国から沿海州を守る代償として北方4島を明け渡すのは悪い条件ではない筈である。
☆ 鍛冶氏のメルマガの内容は興味あるが日米中韓以外にロシアも大きく影響していることは確かだ。
それに片山寅之助議員からもメルマガが届いた。
鍛冶氏の話はマスコミには報道されていないが一読の値打ちはあるように思える。
ロシアとは現段階では「同盟」は必要だが「北方領土」については絶対にあきらめてはならない。
・・・秋田犬の夢ちゃんと遊ぶプーチンさん。
一番大事と言いながら、自らから潰している。