あのスノーデンは米国から「売国奴」とののしられながら機密情報をなぜ世界に漏洩したのか、錯誤の正義感と使命感から?
グレン・グリーンウォルド『暴露 スノーデンが私に託したファイル』(新潮社)
スノーデン事件は世界に衝撃をもたらし、オバマ外交は一時的に頓挫を余儀なくされた。なにしろ同盟国の指導者の携帯電話も米国は盗聴していたのだ。とりわけドイツのメルケル首相は怒った。うまい演技だったとする見方も有力だが。。。そしてクリミア、ウクライナ問題で欧米の制裁決議に温度差が露呈した。
衝撃は四つある。
第一に米国内で機密情報に接する仕事に従事している関係者は30万人とも言われているが、かれらの任務遂行を脅かした。
米国マスコミ、議会はスノーデンを犯罪者扱いするばかりと想像されたが、なんと連邦議員の多くが逆にNSAの予算削減を提案した。先頭に立ったのは保守派でティーパーティに近いロン・ポール議員だった。
あまつさえ西海岸を中心にスノーデンの行為を英雄視する向きも顕著となり、ハリウッドで映画化されるという時代の空気の激減ぶりがある。アメリカはWASP主導の国ではなくなったのだ。
第二にグーグルやマイクロソフト、アップル、ヤフーがNSAに協力していたことが暴露され、世界市場で米国製が悪影響を受けた。
第三は同盟国の指導者の電話も盗聴してきた事実がばれて、米独関係が一時的に冷却するなど、計り知れない外交上のデメリットが生まれた。(とはいえ、橋本政権のとき既に米国が日本のあらゆる機関を盗聴していることを認識しており、その後、日本の政治家と高級官僚は電話での会話内容に注意しており、ドイツは知らなかったジェスチャーで外交得点をあげただけで事前から知っていたのである。
ちなみに「ミスターYEN」といわれた榊原英資(当時財務官)はワシントンから本庁への電話も小銭をジャラジャラもってホテル近くの公衆電話からかけたことを回想録に記している)。
第四にスノーデンの秘密暴露によって中国と露西亜がおおいに得点を挙げた。とくに中国は習近平とオバマ会談の直前であり、米国側は中国のハッカー攻撃を正面から非難できなくなった。
またスノーデンはその後、ロシアへ亡命した。
総じて言えることは「個人のプライバシーが監視されていることであり、これはジョージ・オーエル『1984年』の世界ではないか」という不安と疑問が西側社会に広がったことである。
さて本書はスノーデンが暗号によって、筆者グレンにネットを通じて接触をしてきた時期から、これは本物という臭いをかいで香港のホテルで十日間をインタビューと検証に注ぎ込み、その過程での出来事を基軸に前半部を仕上げている。
著者のグレンはニューヨーク生まれだが、ブラジル在住で、英紙『ガーディアン』に寄稿するジャーナリスト兼弁護士。世界の機密情報の専門記者としてブログを持つ。
▲最初の暗号名は「キンキナトゥス」だった
スノーデンは最初「キンキトゥス」と名乗って接触してきたという。でも「キンキナトゥス」って?
キンキナトゥスは紀元前五世紀ごろの農民上がり、ローマを外敵から守ったが、「ローマを滅ぼすと、ただちに進んで政治権力を返上し、ふたたび農民にもどった」として英雄視される。
ではなぜ、スノーデンはスクープ先のメディアを米国の新聞をえらばす、漏洩報道メディアを英国に絞り込んだのか?
その理由はすっぱ抜きで有名な「ワシントンポスト」が「体制派メディアが政府の秘密を報道するときの暗黙のルールに律儀にしたがう」であろうと推測できたからで、また事件直後から、むしろスノーデン攻撃に躍起だった「ニューヨークタイムズ」も同じ理由。現に後者は2004年のNSAの捜査令状なしの盗聴事件のすっぱ抜きをブッシュ政権の圧力で十五ヶ月も待たされ、ブッシュ当選後に報道した「前科」があった。
しかし本書には書かれていないが、他方において米国のネット偵察により、中国の共産党高官が一兆ドルを海外に運び出して密かに隠匿している証拠もつかんでおり、また欧米が導入を禁止している中国の華為技術などが、「トロイの木馬」だと繰り返し批判されているのも、当局が「たしかな証拠」を握っているからであろう。
評者(宮崎)は嘗て拙著『ウィーキリークスでここまで分かった世界の裏情報』(並木書房)のなかでも指摘したことだが、アサンジをひたすら「英雄視」する左翼ジャーナリズムとは一線を画したいし、スノーデンの行為も素直に賞賛する気持ちはない。国家の機密を自らの明確な意志で漏らしたことは祖国への裏切りである。
古来より基本的に国家には機密があるものであり、機密のない日本が、世界の裏側におきている実態を知ることは果てしなく重要なことではある。だから本書の読後感を率直に言えば後味が悪い。
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演題 「対中戦略と我が国防衛体制の問題点」
会費 おひとり二千円(会員は千円)
★ 宮崎先生、講演旅行中、メルマガはお休みということでしたが、ご多忙な合間をぬって届けて下さっています。
きっと講演旅行先でも「速足」で・・・でしょうね。
★ところで話は変わりますが、BS11の放送で共産党の小池議員が単独出演している番組を見てしまいました。
『集団的自衛権、共産党はどう戦う?』です。(司会は露木茂氏)
≪集団的自衛権について≫
反対54%
賛成39%
不明7%
≪憲法解釈について≫
反対56%
賛成37%
不明7%
共産党の小池議員、話にならない、・・・お気楽なお話でした。
ベトナム・フィリピンのことは国際上許されないと思うが、中国が軍事的強化をしている、
現状からするとあの問題は労働紛争が関わっているし、中国の一方的行動である、許されない。
日本はそれを「尖閣」に置き換えて考えている。
「尖閣」は日本が実効支配しているので外交交渉でやるべき。
徹底的に議論して国際的にも歴史的にも日本の領土だから、堂々と主張すル必要がある。
グレーゾーンについて
海保でガードすべき問題、漁民が占拠したという場合は、自衛隊を出せない。
そういう事態に至らないような外交的な配慮をし、首脳会談もすべき。
(自民党の加藤紘一さんが赤旗に寄稿している。古賀誠さんも共産党に近づいてきている・・・と誇っていましたよ!!
交流。共闘も考えているって・・・)
★ 共産党はTPPなど農業政策は説得力もあるし、国産の食料を確保することは「自衛」にもなる、というのは賛成なんですが、
防衛については「高みの見物」のような気がします。
と戦後すぐに言っていました。
そして今は「許せない、自衛隊をなくし、そのあとで
共産党軍を作る」ということです。
昔の共産党はエリートでしたが、今はどうでしょうか。
共産党ってもう終わっているのに。
戦争にならないために抑止力は当然のことです。
侵略戦争をしてきたのは世界的に見て共産主義の
国ですね。自国民をも虐げているのが共通します。
なったのです。
チャイナのあるピアニストの時もそうだった。
いろいろあるのですね。
気味が悪いですが、向こうも大変でしょう。
チャンネル桜の動画ニュースでは「アカハタ組」に
なっていますね。
共産党もプライドがあるなら、こうした変なのは
追い返すべきです。
それでこそ「さすが」となるのに「共闘」ではバカとしか
思えない、お笑いの世界です。
何らシナ共産党と変わらん。
日本の場合今の政権だと反対するが、共産党独裁で持つ軍は、容認できる?
矛盾してない?
ただ徴兵が、嫌なだけか?
徴兵と言っても馬鹿だと下っ端の軍人にもなれん。
それだけ高度なPCシステム時代の戦争になっている。
バカは、戦争に行けないの!!
白兵戦の様な事は、今の戦争に無い。
すべて弾丸打ち込んだら即逃げる戦争です。
そうしなければ殺られる。
戦争跡地を見れば、壊れた機械ばかりで軍人の遺体は、滅多に見られないと思う。
これは、ある種の脅しであり見ているぞと言う恐喝だ。
それでヤフーは、止めた。
孫正義の会社ってどこかそう言うところを感じる。
過去よりグローバルユダヤは、情報だけで今日を築いてる。
インサイダーの専門家だ。
古賀、加藤、野中の三人は、現役引退して以来の乱心
でしょうか。保守の顔をした害虫が、まだ沢山いるのですね。スノーデンと同じ「錯誤の正義奸」なのでしょうか。