『三橋貴明の「新」日本経済新聞』
2013/11/22
●日本はこのまま「国民経済の崖」から転がり落ちるのか?
月刊三橋最新号のテーマは、「アベノミクス再検証」。
安倍政権の成長戦略の大問題について三橋貴明が語りおろしで徹底解説。
http://www.keieikagakupub.com/sp/CPK_38NEWS_C_D_1980/index.php
※デフレ、TPP、インフラの規制緩和、医療保険の改悪、薬のネット販売の問題点
新古典派経済学の問題点、日本の薬価を操作しようとするアメリカの製薬企業ほかについて
語り尽くしています。
※今、日本が直面する問題が70分でまるごとわかる内容になっています。
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先日、10名ほどの自民党議員の皆様とお話しさせて頂いたのですが
「財務省の財政破綻論が間違っていると薄々分かっているが、正しい情報とレトリック(財務省と対抗するための)を教えて欲しい」
というご要望が多かったわけです。(というわけで、時間の許す限り、ご講義申し上げました。)
また、三木谷氏を始めとする「民間議員」が跳梁跋扈している状況は、
「国会議員として、政党人として許せない(民主主義のプロセスをすっ飛ばしているため)」
とのことでございました。早めに「民間議員」について、党内で議論を始めて欲しいと、切に願っています。
そもそも、この民間議員とは何なのでしょうか。
民間議員と聞くと「議員なの?」と思ってしまいますが、実のところ単なる民間人、あるいはロビイストに過ぎません。特定の利益団体(企業、財務省など)のために、政治家と密接に結びつき、民主主義をすっ飛ばして政策に影響を与えようとしている連中を、わざわざ「民間議員」と御大層な呼び方をしているだけに過ぎません。
『公共事業、実質マイナス提言へ 諮問会議の民間議員
http://www.asahi.com/articles/TKY201311180471.html
政府の経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)の民間議員は、来年度の公共事業予算を今年度よりも実質的に減らすよう求める提言をまとめた。民間資金の活用や、「ハコモノ」と呼ばれる地域の施設の統廃合などで予算を絞り込む考えを示す。提言を受け、政府は公共事業予算の編成作業を本格化させる。
20日の諮問会議で提言する。
政府は、来年度予算案での政策にかかる予算を、各省庁が要求している約75兆円から72兆円程度へ3兆円規模で絞り込むことにしている。公共事業予算についても、「例外ではない」と指摘する予定だ。
今年度当初予算の公共事業費は5・3兆円。来年4月に消費税率を8%に上げると、国が発注する公共工事についても消費増税分の支払いが1千億円強増えてしまう。民間議員は、増税の影響分を除く公共事業の予算を、今年度よりカットするよう求める考えだ。』
またまた経済財政諮問会議の「民間議員」の皆様が、単なる一民間人の分際で、
「来年度の公共事業予算を今年度よりも実質的に減らすよう求める」
と、ありがた~い提言をまとめて下さいました。今の状況で安倍政権が公共事業の削減にまで乗り出したのでは、まんま小泉政権でございますな。しかも、小泉政権期とは違い、現在はアメリカの不動産バブルはありません。外需依存で国内の需要縮小をカバーすることはできないのです。
さらに問題なのは、民間議員が上記の類の提言をするだけで、国内の建設企業、土木企業の経営者たちが、
「あ、やっぱり公共事業は削減されるんだ。じゃあ、設備投資は控えよう。雇用や人材育成はやめておこう」
と考えてしまい、東北の復興、国土の強靭化、そして東京五輪といった幾つものプロジェクトが推進できないという羽目になりかねないことです(本問題、自民党の若手議員の方々は『全員』分かっていました。だからこそ、わたくしの勉強会にお越し下さったのです)。
そして、現状(土建業の供給能力不足)を放置し、公共事業を予算的に削り取っていった日には、将来的に我が国は、
「高層ビルを自国企業では建てられない」
「橋を自国企業では架けられない」
国へと落ちぶれていることでしょう。すなわち、日本の発展途上国化です。
もちろん、公共事業を削減しろと主張している「民間議員」たちが、何らかの科学的根拠に基づいているならば議論になり得ます。とはいえ、現実には、
「政府は(デフレ期でも)節約しなければならないんだよ~」
という、デフレ期の経済政策的としては「逆効果」でしかない財政均衡主義に基づいているわけです。
そもそも、東北の復興は予算がどうであろうとも「やらなければならないからこそ、やらなければならない」わけです。そこに「お金」「財政」の問題を持ち込み、「節約! 節約!」とデフレを悪化させる政策を提言する「民間議員」には、怒りを禁じ得ません。
我が国が民主主義的に間違っている「民間議員」の提言に従い、発展途上国への道を辿るとなると、これはもはや悲劇というよりは喜劇と呼んだ方が良いでしょう。(ちなみに、「顔のない独裁者 」の世界では、民間人で構成される経済自由化委員会主導で、日本国の『自由化』が進み、発展途上国化していっています)
民間議員の跳梁跋扈には、国民が「民主的に」声を上げていかなければならないと考えますの
☆ 三橋氏の意見に賛成です。どうして党内で議論を尽さないのでしょう。
西田昌司議員が「党内で議論を十分にしてから決定するということができていない」と述べておられたが、
このところ、選挙で選ばれていない民間の企業主などが「決定」の中心になっていることに、危機感を感じる。
それは密室であり、国民が選んだ国会議員が口をはさめないところである。
反日議員をシャットアウトしているのではなく、国士である議員を、しかも安倍総理誕生に多大な協力を惜しまなかった議員を、である。
「政商の傀儡政権」と三橋氏は批判していたが、本当にそうなってしまってからでは遅い。
これも「民間防衛」で政府をコントロールしなければいけないことである。
・・・心配だワン・・・
西田ビジョン「西田昌司×三橋貴明 経済対談」最終話
≪動画のコメントより≫
この対談はめちゃくちゃ面白かったです 良い事言ってますし 正論だと思います それに西田先生と三橋さんは 目指してる方向性がやっぱり同じなんだと 嬉しくなりました この二人の話してる内容 感覚こそ 日本の経済に必要な思想です 安倍総理や自民党には構造改革に傾斜しないで 欲しいです そうなったら日本はまた 失われた何年とかになると思います 民主党の経済対策は論外ですが。
経済面で新自由主義に大きく傾き、TPPも大変危惧しております。
公約も、また党内の討議もナシ、どこかのグローバル
主義の企業主の意見がこのようにまかり通るなんて
民主主義とは、選挙とは、党内の議論とは、と
疑問だらけです。
西田さんの立場は苦しいもので、自分が他の会合で
いない時に決められると嘆いていらっしゃいました。
このごろ、どんな方向に行くのか不安になります。