尖閣反日デモ、中国で不法行為戒める論評目立つ
2012年8月24日(金)14:34
【北京=加藤隆則】尖閣諸島の領有権を主張する中国各地のデモで、一部の若者が日本車を破壊するなどの不法行為を起こしたことに対し、中国のメディアやネットで戒めの論評が目立っている。
学生を主な読者とする週刊紙「青年参考」は23日、国際関係史学者、孫興傑氏の論評を掲載。「怒りを発散し、破壊する行為は、国家のイメージを破壊し、世界の笑い物になるだけだ」と指摘し、「中華帝国」のスローガンが登場したことを「思考の停止だけでなく、劣ったテーマ設定の能力を物語っている」と批判した。
また、評論家・蔡成平氏は英紙フィナンシャル・タイムズの中国語サイトで、「日本製品ボイコット」の呼び掛けに対し、「日本の技術がなければ、中国の多くの生産ラインは動かない」と戒めた。
ネットでは「ある日本車オーナー」が、「日本車を壊した“愛国者”への手紙」を公表。「自家用に適しているから日本車を買った。2008年の(四川大)地震では、この車で被災地に薬品を届けた。多くの人民解放軍や警察の日本車も救援に向かった。“愛国者”が日本人よりもひどいのは、反日と言いながら中国人を攻撃していることだ」と苦言を呈した。
このほか、「(清朝末に排外運動を起こした)義和団の再来だ」「法治と民主の後退だ」などとする書き込みもあり、経済大国化に伴う過剰な民族主義の高揚で、逆に国内の民主化が阻害されるとの危機意識もうかがえる。
国内では依然、「釣魚島(尖閣諸島の中国名)の危機は、全世界の中国人を大いに団結させた」(20日「環球時報」)と民族感情をあおる声もあるが、当局は反日デモが社会不満に直結し、反政府の暴動に転化することを警戒している。
☆ 中国のこの意見は冷静だ。「愛国無罪」に見られるように<何でもありの無法>を批判している。
「義和団の再来」「法治と民主の後退だ」・・・なるほどその通りだが今のシナには「法治」もなければ「民主」もない。
選挙がないのである。
古くて新しい国、中国。トップに立つのは賢人でなければならぬ。「貞観政要」を政治のトップは読むべき。
ただ、多くの民衆はイナゴの如く、群れ暴動の中に流される。歴史は繰り返しているのだ。
私は中国の歴史を好んで読み、「史記」「項羽と劉邦」「三国志」「水滸伝」などを愛読したが、先日、売り払った。
今のシナにたまらない絶望を感じたからだった。でもこのような正論が出たならシナはやはり5千年の歴史ある国と思う。