偶然本屋で見かけたのだが、結構気になって、ついに買った。
美術学部の講義を本にしたものらしい。
いわゆる美術史の講義なのだが、人気のある印象派の話などしたところで、学生は知っていることばかりだから退屈してしまう。
それならば、という内容で、しかも専門知識のない人でも親しんでもらえるように書いたのだそうだ。
実は私、美術はかなり苦手。デザインや建築には、ある程度関心があるが、絵画や彫刻はなかなか心が動かない。
そういう人間にはぴったりの気がして、読んでみたのである。
そして「ぴったりだった」
美術史の話なのだが、それ以上に「謎解き」「判じ物」の本だった。
そして、このような考え方が音楽にも反映しているのだなと思うことばかりだった。
さらに「ヴァイオリン」などという質めんどくさい、いや奥深い楽器の背景を垣間見た思いもある。
大学の講義内容だけあって、サラサラ読めるものではない。一回につき1章がやっとだ。
そして、これは視覚芸術そのものの素晴らしさを説いているのではないので、私の視覚感度が高くなった訳ではない。
だが、これから(特にルネッサンス期の)絵画を見る時の見方が全く違ってくるのは間違いないだろう。
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