この大変興味深いテーマを提示したのは、知り合いの音楽学者さんである。
そのブログ記事にも書いてあるが、福岡は実においしい飲食店が多く、しかも比較的安価。大阪の食い倒れを実質凌駕している。
そのテーマを考え続けて一年以上になった。
昨年は大学生のオーケストラに「あなた達、入場料千円とるなら、千円のランチよりイイ音楽にしなきゃ」と言ったことがある。それ以来、そのオーケストラからは呼ばれなくなったが・・・。
さて、今、学校は卒業の時期だ。先日、ある小学校を卒業する6年生が、将来何になりたいかを垣間見る機会があった。
我々の頃と同じような「お医者さんになりたい」「警察官になりたい」「電車の運転手になりたい」というのもあったけれど、かなり違うものの方が目についた。
・野球の選手よりもサッカー選手になりたい子の方が多い。
・学校の先生になりたい人が増えている。
・漫画家、という子も少しいたけれど、昔と比べるとかなり減っている。
・ピアノの先生になると、全80名中わずかに一人。
・昔の花形と思われていたパイロット、スチュワーデスは皆無。
いやはや、かなりの堅実路線。
そして、レストランのシェフとかパティシエなどという子供が結構何人もいたのである。
芸能関係はというと、これも一人。かつて福岡からは芸能人があふれるほど出てきたものだったが、今は韓国人でないとダメだと小学生も思っているのかな?
それはともかく、憧れの職業から音楽関係はほとんどはずれ、代わって外食産業がその地位にあるのを象徴しているようだった。
さもありなん。福岡で千円出せば、かなり美味しい物が食べられるし、二千円出せば「贅沢なモノ」にありつける。一方、千円の演奏会は、前述のようなアマチュアの演奏会の値段、二千円の演奏会には当たりはずれがある。「贅沢な音」が聴けることは稀にしかないかも。
ここで宣伝です。
九州・沖縄作曲家協会主催「春の音楽展2012」を3月31日14時から福岡市中央区の大名MKホールにて開催します。
昨年発表した井財野友人のピアノ曲「寝台急行 日南」の再演のほか、モンゴルに取材した作品「天馬降臨」(14人の合奏曲)も発表します。
原田大志も演奏者として半分以上に出演します。入場料2000円ですが、これは二千円の料理に負けないはずです。都合のつく方は是非お越しください。
小学生の出した答えは、少なくとも現状で見た限り、音楽屋さんは料理人に負けている、ということ。すし屋に勝つのは容易ではない。音楽屋さんは、すし屋に行く度に、どうすれば勝てるか考えるべきではないだろうか。
ただし安価な「回転ずし」はダメ。ものの本によると、安くで提供できるのは、痛んだ魚を出しているからなのだそうだ。回転ずしならばあまり見分けがつかないから、とのこと。道理でおなかを壊すことが多い訳だ。
本当は「勝つ」ではなく、良い演奏を聴いて、その後に美味しいものを頂いて、が一番良いのだけれど。
さて。
○川の某音大の正門のすぐ近くにあるおすし屋さん。ランチ800円で最高のネタと腕前で絶品。○朋の人は、マチネの場合、800円でこれに勝たないといけない計算に、なりますね(笑)。こりゃ大変だ。みんな頑張れ。