先日、調布の文化会館に狂言・能の公演に出かけた際に見学したのだが、同館の1階で能に関するとってもユニークな展覧会が開催されているので紹介したい。
能の「「守破離」の思想をもって、能楽師 山中迓晶さんと覆面アーティストamさんが、伝統芸能の「過去・発展・進化」の段階を追って紹介」(調布市文化・コミュニティ振興団体のHPより)する企画。能の面・扇子・衣装等の関連道具が江戸時代などの歴史的なものから、それらを現代風に再構成し現代美術として仕立てた作品など、まさに伝統の継承が感じられる展示となっている。
能については知識も嗜みもないので印象にすぎないが、一つ一つの展示がとっても興味深かった。例えば、扇子の美しさなどあまり気にしたことも無かったけど、揃って並べてあるのを鑑賞するとその煌びやかな色合いに惚れ惚れする。また、江戸時代の折り紙(目録?、保証書?、鑑定書?)付きのお面などを見ながら「折り紙つき」の語源はここなのかという雑学も体験できた。お面も桃山時代のものから現代の作品を並べての展示があり、比較しながら守・破・離を考えるのも楽しい。
その起源は奈良時代の伎楽・散楽にさかのぼるという能の世界。気が付かないだけで、日本人のDNA奥深くに残っていることが伺われる。
展示エリアは限られているので30分程度の時間があれば足りる。11/4までなので、近隣のかたは足を運んでみては如何だろうか。
調布能楽odyssey破 守破離
2019年9月14日(土)〜11月4日(月・振) 10:00~18:00
調布市文化会館たづくり1階展示室
入場無料