先月、シンガポールへ出張の機会があった。以前仕事で1度訪れたことがあるが、現地総滞在時間20時間未満の駆け足出張だったので、実質初めてである。今回は3日間の滞在だったが、毎度のことで日中は会議室に缶詰、夜はビジネスディナーで自由時間はほぼゼロ。街中をぶらつくことは殆ど不可能だ。
そんな中で一日だけ、早朝ジョギングの時間を捻りだして、ホテルから3キロちょっと離れた中華街まで見仏目的で走った。
シンガポールの夜明け東京に比べるとずいぶん遅い。6:30頃にようやく明るくなってくる。iphoneのMap経路案内を頼りに走り始める。
最初に向かったのはシンガポール最古の中国寺院というシアン・ホッケン寺院。船乗りを守る天后が祀られていることだが、残念ながら開門は7:30からということで門は固く閉ざされたままだった。涙・・・。
〈シアン・ホッケン寺院の前〉
次なる目的地は、仏陀の歯が祭ってあるという新嘉坡佛牙寺龍華院。が、そこを目指す途中に仙祖宮なる小さなお寺に遭遇。ネットのブログ情報によると、マレー系の中国神≪大伯公≫を祀ったお寺とのこと。18世紀に福建省に実在した学者さんらしく、豊作・大漁・治病・家内安全・土地守護・商売繁盛など何でも来いの万能神らしい。
〈まだゲートは閉ざされたまま〉
<こちらの祠は開門済み>
目的していた新嘉坡佛牙寺龍華院は4階建ての建物のかなり大きい寺院である。ここは7:00開門なので中に入れた。ただ、仏陀の歯は4階に安置されているとのことで、4階は9:00開場ということでここでも涙・・・。本堂の方は開いたばかりだが、もう何人も信者さんたちがお祈りをしていた。本堂には薬師如来と脇侍として日光・月光の両菩薩が。金ぴかの現代風の仏像だがとっても人間っぽい、色気ある姿に見とれてしまう。無理して走って来た甲斐があった!!!
<完璧な薬師如来と両脇侍のトリオ>
後ろ髪引かれる思いで寺を離れると、100メートルも行かないところにヒンドゥー教寺院があった(スリ・マリアマン寺院)。吸い込まれるようにここにも立ち寄る。入った瞬間、ここはまるでインド。お香の匂いが立ち込め、多くのインド系の信者さんたちが行き来している。多国籍国家シンガポールを垣間見た印象だった。
想定外の寄り道に時間を食ったので、ホテルに急ぎ戻り始める。すると、また途中に、中国系とみられる小さなお寺があり、信者さんが出入りしていた。気になったので、ここにも立ち寄ってみると、金ぴかの達磨像(?)があった。更に奥には仏様が。前庭では、信者さんたちにお粥が賄われていた。食べてけばお誘いを受けた(きっと)が、時間も無いので、失礼した。
<いかにもご利益ありそうな達磨大師?>
<佛光普照>
大急ぎでホテルに戻り、1時間弱の朝の見仏ジョギングは終了とした。まさに駆け足観光だったが、シンガポールの多様性と人の暮らしのごくごく一面を垣間見ることができ、とっても楽しめた。シンガポールは食事もおいしいし、一度プライベートでゆっくり来てみたいと思っている。
2019年10月16日