その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

「建国300年 ヨーロッパの宝石箱 リヒテンシュタイン侯爵家の至宝展」 @Bunkamura ザ・ミュージアム

2019-11-17 08:00:00 | 美術展(2012.8~)

 スイスとオーストリアに挟まれた欧州の小国リヒテンシュタイン公国が持つコレクションの展覧会。5年ほど前にも同様の企画が新国立博物館で開催されていた記憶がある。持てる資源をフル活用して、外貨を稼いでいるのだろう。

文化村のザ・ミュージアムは決して大きくないが、丁度私の集中力が持つ程度のサイズなので、ゆっくりとマイペースで観ることができるのが好きだ。今回は、絵画と磁器のコレクションが中心に展示されていたが、前半の〈宗教画〉、〈神話画・歴史画〉のコーナーが私的には好みだった。 

印象に残った数点をご紹介すると・・・


ヨーゼフ・ノイゲバウアー 《リヒテンシュタイン侯フランツ1世、8歳の肖像》

8歳ながらにして強い意思と気品を感じる美少年。この視線は痺れる。吸い込まれるように見入ってしまった。


ジロラモ・フォラボスコ 《ゴリアテの首を持つダヴィデ》

こちらもダヴィデの美少年ぶりに魅かれる。


ルーカス・クラーナハ(父)《聖バルバラ》

無表情・無機質に人物が描かれるクラーナハの絵だが、細部に至るまでのきめ細やかな描写が素晴らしい。図版やデジタル画像ではなかなか分からない。


ペーテル・パウル・ルーベンスと工房《ペルセウスとアンドロメダ》

ペルセウスに救出されるアンドロメダだが、その困惑したようなアンドロメダの色っぽさが半端ない。

第7章「花の静物画」のコーナーは写真撮影も可です。上野の美術館のような大型展示に疲れた時に、落ち着いて、自分なりに西洋美術を楽しみたいときに最適だと思います。

 

第1章 リヒテンシュタイン侯爵家の歴史と貴族の生活
第2章 宗教画
第3章 神話画・歴史画
第4章 磁器―西洋と東洋の出会い
第5章 ウィーンの磁器工房
第6章 風景画
第7章 花の静物画

コメント
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