6月14日(日)女満別空港9時45分着後、ちょこっとタクシープラン利用で知床に向かう。4時間の制限時間内で見物個所は自由に選べる。14時30分のクルーザーに間に合うように行けばいい。我々は天都山に移築された網走刑務所を見学。敷地内には勢力を広げている外来種のコウリンタンポポが咲き始めていた。
ドライバーが色々説明してくれ、中で印象的だったのは受刑者達の過酷な労働で作られた道路によって北海道への移住も進み、それが旧ソ連に併合されず日本の領土として残るのに幸いしたとの話だった。涛沸湖畔ではヒオウギアヤメが咲いている湖を遠望。
4日間の旅の無事を祈って網走刑務所前で記念撮影
小清水原生花園辺りから雨粒が落ち始めてしまった。原生花園は通常でも早い時期なのに16年振りという晴天の少ない6月に災いされて、変種がニッコウキスゲと言われるクリーム色のエゾカンゾウ(別名エゾゼンテイカ)、橙色のエゾスカシユリ、花被片の下方が狭く隙間があるので「透かしユリ」が名の由来だ。それらがぽつんぽつんと咲いて、恋の花として歌われながら異臭を持つクロユリの株とハマナスの真紅の花が原生花園駅の近くに見られただけでやはり淋しかった。でも遊歩道を歩くと赤紫のハマエンドウ、エゾハタザオの白い花、エゾノシシウドやスミレなども見られた。
原生花園で咲いていたエゾスカシユリ
オシンコシンの滝は水量が多く3流に分かれて流れ落ち滝壺近くの滝見台からはかなりの迫力があった。親切なドライバーで少し先の旧道を上がり、滝の上からも再見学ができたが、遠くに海を望みながら落ちる滝は見事だった。
悪天候の為、大型船は欠航だったが、小型のクルーザーは就航。乗る前に係員から防寒具を兼ねた雨合羽を渡され、どんなに着ても着過ぎる事はないとの話通り、かなりのうねりと強雨風の中、船室に釘付けになってルシャまで行った。何とか見せたいとの乗組員の必死の努力でチラッと熊を見たが、写真は撮れず仕舞いだった。
中央に見えるのはけっして塔ではなくウトロに近い所の真直ぐな農道です
戻った頃には風雨がやみいわゆる夕凪だったのだろうか、すぐ近くのオロンコ岩に登った。急な階段はかなりきついが、ウミネコなどの鳴き声に励まされて登る。頂上はそう広くはないがぐるりと一周できる。シカの食害も無く花の島と言われるだけに海を背景に咲くエゾカンゾウは美しかった。
クルーザーの係員に送られてホテル知床にチェックイン。ロビーが広く大型のホテルだが一部古くなっていて通された部屋は煙草臭くて次の間もない和室、ここで2泊するのは堪らずフロントに部屋チェンジをお願いする。しばらくして案内された部屋は元の部屋の倍は十分にある和洋室、ここなら空気もよくそれぞれいびきがうるさい初老3人男には快適な知床の2晩となった。
オロンコ岩頂上よりのエゾカンゾウとオホーツクの海