6月16日(火)今日は周遊観光バスのリゾートライナー、知床→阿寒・十勝号乗車。知床発は観光船乗船コースと知床五湖散策コースに分かれ我々の五湖散策コースは30分ほど遅い出発だ。大型バスだが今日の乗車は合計18名、我々の他の15名は全員が観光船組で、荷物だけ置いてあり我々3人だけで出発。五湖に程近い所で前を行く観光バスが止まっている。「何だろう」乗務員さんがいぶかりながら前を注視する。「熊だ!!」朝食中の熊らしく食べるのに一生懸命だった。こんなに近くでラッキーとシャッターを押した。
もう少しいいものがないかな?
本当に人間は煩いな!!朝食も落ち着いて食べられない
駐車場に着くと散策路は熊が出たため閉鎖という。途中にさえいたのだからさもありなんとここはあっさり諦めがつき、展望台への遊歩道を歩く。但しこの日も低く雲が垂れこめ霧の為何も展望できず。
乗船場に戻り観光船乗船客15名と合流。今日は昨日と違って同行は全て中高年だ。
本来は下車場所に入っていない摩周で降ろしてもらう予定なので、宿と場所の連絡を取りながら乗務員さんと相談。北海道のドライバーは親切でコースに支障のない摩周温泉道の駅で降ろしてもらう事になり一安心。
向かった知床峠は途中かなり雪が残っていた。これも6月の天候不順の影響なのだろう。峠の頂上は全て霧の世界、本来は眼前に見える筈の羅臼岳も海の向こうに遠望できる国後島も全て白一色に塗りこめられていた。せめて知床峠の表示板の前で記念写真を撮ろうと行列が長く続いていた。
羅臼側に下るにつれて霧がはれ、太平洋の青い海と水平線上に細長く浮かぶ国後島が遠望できた。羅臼での乗降は無かったのでバスは昼食場所の国後展望閣ドライブインを目指して穏やかな波の海岸沿いを走る。
昼食後、標津サーモン科学館見学。サーモンパークの中心施設で広い敷地内に瀟洒な建物が建つ。リゾートライナーで来たと言えば団体料金で入館できた。入るとすぐの階段状の部屋でスクリーンをバックに係員が鮭の色々を説明してくれる。それで終りかと思ったら展示室でもドクターフィッシュの水槽に手を入れてみて下さいという。メダカより少し大きめの魚が寄って来て手の角質を食べる。くすぐったい。たくさん寄って来た女性は私の手は汚いのかしらとあらぬ心配をしていたのは傑作。そしてもうひとつチョウザメは歯が無いから噛まれても大丈夫と水槽に手を入れてみるのを勧められた。名前の通りご面相の良くない魚なのでちょっとためらったが、食べられてみると何かフンニャリするだけで面白い体験だった。展望室からの360度の眺めも素晴らしく時間が足りなかった。
摩周湖は歌の通りの霧の摩周湖で湖面は全く見えなかった。さあーっとはれないか一縷の望みをかけたが、変わりそうな雰囲気は微塵も無かった。またの楽しみだ。
硫黄山はエゾイソツツジが満開で正面左右の低木の間に白い絨毯のように広がっていた。個々の花は約1㎝くらいでそれが球状に固まって咲いている。蜜には毒があるというがとにかく一面に咲いている光景は見事としか言いようが無かった。
花は深く5裂し雄しべ10、雌しべ1
白い群落はどこまで続くのかとさえ思わされた
16時近く摩周温泉道の駅でバスを降ろしてもらう。敷地は広かったがさて建物はと見るととんがり帽子の小さな建物が一つ。宿に連絡を取ったあと中に入ると観光案内の女性が一人。道の駅とは地元の産物を売っている所と思っていたが観光案内所だけの道の駅があるのを初めて知った。
宿の車で5分ほど今日の泊まりの摩周温泉・ホテルニュー子宝に着く。以前来たのは30年以上も前だろうかその時のイメージはまったくなく古ぼけた旅館が佇んでいた。ほとんど家族経営で積極的に集客しようとの気はあまりないようだった。温泉はいいのに宣伝も改装もせずすっかり阿寒湖の後塵を拝してしまったらしい。でも食事はお刺身も多くきれいに盛り付けられて清潔感もあった。いわゆる温泉宿の騒々しさは無くゆっくりできたのがせめてもの救いだった。