フグさんの雑記帳

さいたま市の荒川河川敷を主なフィールドとして四季を綴っていきます。

今、休耕田ではタウコギとチョウジタデが目立ちます

2010年10月13日 07時29分16秒 | 花の和名
今、休耕田で目立つのは若緑のタウコギの大株と紅葉したチョウジタデだ。
タウコギ(田五加木)はキク科センダングサ属の一年草。かっては水田の強害草だったらしいが大正時代に侵入してきたアメリカセンダングサに追われ、戦後は農薬の影響で減少したといわれる。兵庫県ではレッドデータブックでCランクになっているともいう。


頭花は全て筒状花で次第に大きくなり2.5cmにもなる

総苞片が大きく葉のように見えるのはアメリカセンダングサと同じだが茎の切り口は円く無毛の違いがある。


花の周囲に広がるまるで葉は総苞片

チョウジタデ(丁子蓼)はアカバナ科チョウジタデ属の一年草。全体がタデに似て花がチョウジに似る事が名の由来という。
黄色い小さな花は通常は4弁というが5弁花も多い。



赤く花柄のように見えるのは2㎝くらいの細長い蒴果

さいたま市の荒川堤と水田の花のHPに二十四節気の寒露に見るサクラソウ自生地をUPしました。
是非ご覧下さい。


アカボシゴマダラの角のようなものは頭部保護のための突起

2010年10月10日 16時52分22秒 | Main

前回のブログでアカボシゴマダラの両目の間の角のような突起はタテハチョウ科などでは退化しているという前足ではないかと書いたが、どうも違うようにも感じて蝶にお詳しい関口忠雄さんに問い合わせてみた。


今何処でもキンモクセイ(金木犀)の甘い香りが漂う。このモクセイ科の常緑小高木はギンモクセイの変種ともウスギモクセイから日本で選抜されたとも言われる。

すぐに「お尋ねの両目の間の角のような突起ですが、これは前脚ではなく頭部の突起というべきものです。人の鼻のような位置にあり、この部分が発達した蝶にテングチョウがあります。(中略)この2つの突起が何の役割をしているかについては人のように嗅覚を担う器官かどうかは不明です。蝶は匂いにとてつもなく敏感ですが、触角がその役目をしているはずなので、この突起は頭部の保護の役割をしているのかな、という気がします。」との回答を頂きました。


雌雄異株で日本には雄株しかないので結実はしない。属名のOsmanthusは匂う花
強い芳香があり小さな橙黄色の花冠は径約5㎜。4裂する雄花には雄しべ2個と先が尖った不完全な雌しべ1個がある


アカボシゴマダラの目の間の角のような2本の突起はなに?

2010年10月09日 21時36分43秒 | Main
サクラソウ自生地の帰り際9時近くなっていたが、フト見るとアカボシゴマダラが止まっていた。いつになっても動かず、間近に行っても動かない。どうやら羽化したばかりのようだった。

とにかくじっとしていて羽根を開く素振りも無いので前に回ってみた。目の間に角のような突起があった。小さく退化しているという前足だろうか?
蝶の足は6本だがタテハチョウ科などでは前足が退化して4本にしか見えないという。

黄色い口吻が渦を巻いているのもハッキリみえたので羽根を広げたところを撮りたくてヨシを揺すると一度目は小さく2~3度羽根を広げかけたが、2度目には突然大きく舞い上がって飛んで行ってしまった。

アカボシゴマダラ(赤星胡麻斑):1995年に秋ヶ瀬公園などで発見されたが、中国大陸原産種で分布域が離れている事などから人為的な放蝶と言われているようだ。

矢上普賢岳で出会った野の花たち 長崎行No2

2010年10月06日 17時24分30秒 | 花の和名

矢上普賢岳登山口の大きな標識があったので好天につられて標高439mを登ってみた。
すぐに細い山道に入ると自然の景観が続き林や開けた所が交互に続いた。道端の花を撮っていると地元の人らしきが声をかけて追い越して行ったが、この後は人っ子一人とも出会わなかった。

中腹の車道に出ると左手に赤い鳥居が見え、正面の石の鳥居の横に普賢神社本社屋200m15分、頂上展望所250m25分などの登山案内があった。普賢菩薩の由来もあり、普賢菩薩様には増益と延命の2つの徳がある。知恵の文殊に対し慈悲の普賢と言われるなどとあった。


右の石の鳥居の奥に見える石段が普賢神社への登山道

頂上は電波中継所があるだけで展望はまるで利かなかったがオトコエシが群生していて見事だった。最初ヒヨドリバナかと思ったが花がまったく違がった。
オトコエシ(男郎花)はオミナエシ科の多年草。名の由来はたおやかなオミナエシに対して茎も太く男性的なのでオトコエシ。オミナエシの黄色い小さな蕾を粟飯に例えて女飯とし白いオトコエシを米の飯に例えて男飯としたという説もあり、オトコメシの別名もある。


白色の小さな花を散房状にたくさん付けるオトコエシ
白い花は径4㎜、花冠は5裂し雄しべ4、雌しべ1

復路は法華院の所から車道を下ると途中コマツナギの群生などが見られた。
コマツナギ(駒繋ぎ)はマメ科の草本のような小低木。根が丈夫で馬も繋げるくらい茎が引き抜き難いというのが名の由来。


コマツナギは日当たりのいいノリ面などに群生する
花序は長さ4~10cmで蝶形花を付ける

ゆっくり歩いて往復約2時間のトレッキングはさして珍しい植物には会えなかったが心地よい汗をかいた。
出会った主な草花はヤブマメ、アカネ、ヒヨドリバナ、シラヤマギク、ヨモギ、アキノタムラソウなどで不明の2種はこれからの課題だ。


長崎で出会った野の花たち No1

2010年10月05日 15時53分40秒 | 花の和名

義父の17回忌の法要で長崎に行ってきた。
家の目の前の崖の石段の奥に畑があるというので行って見るとウコンの株が目に付いた。ピンク色を帯びた白い苞葉が花に見えるのが印象的だが、さすが南国でごく一般的にあるという。
根茎はカレーの香辛料や黄色の着色にも使われるようだ。


円内のピンクがかった白い部分は苞葉。下の黄色が花

畑の周囲にタデ科の植物が白い花をつけていたが、暖地に普通に生えるツルソバだった。さや状托葉の先が斜めに切れているのが特徴という。
近くに咲いていたツルボ(ユリ科)は今年初見参だった。


ツルソバの花径は約5mmと小さい

いまだヒガンバナが大きな花をつけて至る所と言っていいほど群生していた。白い花や黄色い花の種類もあった。
特に田圃の畔に群生した見事な赤い幾何学模様の景色は印象的だった。


黄色のヒガンバナ