★★たそがれジョージの些事彩彩★★

時の過ぎゆくままに忘れ去られていく日々の些事を、気の向くままに記しています。

70年代京都三大居酒屋

2025年01月16日 12時12分27秒 | 徒然(つれづれ)
 1970年代半ばの、京都河原町の私の贔屓の居酒屋といえば、四条河原町の西へ一筋を上がった路地の『静』、京阪三条の東の『伏見』、河原町三条を一筋上がり東へ入った路地の『よしみ』の三軒に止どめを刺す。

 当時、京都で大学生活を送った人間なら、そのうちのどれかは知っているはずだ。
 私も大学時代には、友人たちとよく通ったものだ。

『静』は時代劇に出てくるような外観の居酒屋で、店内の壁という壁は、昔からの客の落書で埋め尽くされていた。
 昔の民家を改造した造りで、床は土間、テーブルや椅子は傷だらけの年季物だった。

 大学生が二階の座敷でよくコンパをやっていた。
 我々もそこで素人芸人コンパをやったものだ。
 大したアテはなかったけど、貧乏学生の懐に優しい激安価格だった。

『伏見』は14、5人も合入れば満員の、U字カウンターだけの店だったけど、ボリューム満点の料理が豊富だった。
 お造りや天ぷらなどは、一品で満腹になるくらいてんこ盛りだった。

 ガラッパチの女将が、半ば強引に肴を勧めてきて、気のいい、あるいは気の弱い客はそれを受け入れていた。
 声高な客は、有無を言わさず退店させられていた。
 その反面、我々、貧乏学生には優しかった。

『よしみ』は夜中遅くまでやっている店で、いつも締めに行っていた。
 クジラ料理が売りだったけど、それを注文する客はほとんどいなかった。
 三次会くらいの我々は、牛肉のしぐれ煮やいかの塩辛を肴に、ビールや日本酒を飲んでいた。

 『伏見』と『よしみ』は惜しまれながら閉店したけど、『静』は代替わりして未だに健在だ。


ビートルズのジョージ、ストーンズのキース。どちらもヘタウマギタリストだ。キースに至っては、歳をとってその素人顔負けのヘタさに、磨きがかかってきた気もする。でも、そのサウンドには、他のギタリストには出せない独特な味わいがあるんだよね。 そんな味わいの小説を、Amazon Kindle Storeに30数冊アップしています。★★ 拙著電子書籍ラインナップ・ここから、またはプロフィールのQRコードから買えます。
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