虹色仮面 通信

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普遍とは・・・

2010-05-12 08:22:44 | 文化
1995年、スニーカーの常識をはるかに超えた社会現象まで引き起こしたナイキ社製「AIRMAX 95」が登場した。
発売後、瞬く間に話題となり、やがて市価の3~5倍のプレミア価格が付き、ついには「MAX狩り」なる事件が起きたりもした。
また、アチコチでニセモノ騒動が出てきたりと話題に事欠かないモデルとして、今でも記憶に残っている。

この「AIRMAX 95」は、技術やデザインの面からもスニーカーの歴史を変えた。
とくに、ナイキ社の『エア』テクノロジーの側面から「AIRMAX 95」は貴重な意味を持っている。初めて前後のビジブルエア化を達成した1995年型のエアユニットは、ビジブルフォアフットエアとマルチ・チャンバーエアの組合せによって、フルレングス領域での最大(MAX)エア容量を飛躍的に更新。その後の「AIRMAX」シリーズの礎を築いた。
さらにエキサイティングなデザインは、セルジオ・ロザーノという人物のデザインによる独創的なもので、このシューズ(デザイン)により世の中の常識をぶち壊し、新しい価値観・概念を創りだした。いかにもナイキ社らしい一足だ。
ロザーノによると、このシューズは"人体"をモチーフにしているそうで、アッパーの独特な隆起は人間の肋骨や筋肉を、アウトソールのクリアパーツは背骨を表現し、そこにグラデーションとネオンカラーを巧みに取り入れることで、唯一無二の一足に仕上げている。

かなり奇抜なデザインにも関わらず、毎年のように新色が発表された超人気モデルだが、その普遍性の理由は"人体"という、普遍的なモチーフから導かれているから飽きられることなくロングセラーで居続けられたではないか。
そして、大抵の工業製品がそうであるように、最初に出たモデルが最もデザイン特性を表現しており、この「AIRMAX 95」においては、写真の『イエローグラデーション』のカラーリング&デザインが、人々の心を捉えたに違いない。
あくまで私観だが、工業デザインは、歴史の流れを経ても普遍である(=飽きが来ない)こと、そして未来へのメッセージが示されてこそ、社会において認知され賞賛されると思う。

これは何もデザインに限ったことではない。
世の中には、何事も普遍なことがあって、それこそが社会を形成していく上での本質だから、長く語り継がれ、継承されていくのだ。
「AIRMAX 95」はこの要素を多分に含んでいたから、これだけの人気モデルのなったのだと思う。

ps、自動車や建築のデザインについても、同様な考えがありますが、またの機会にします。

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