お盆休暇に 残る全巻読破は無理と判断。
3作目のあと 一気に飛んで 完結編へ。
(最終回を先にみるという荒業に出た)
上橋菜穂子著「天と地の守り人」三部作。
バルサとチャグムは 無事 再会できるのか?!
第一部・ロタ王国編。
毎回思う。これ、児童文学?
大人もハラハラ・ドキドキ! すばらしい幕開け。
「地政学」をも感じる物語にうなる。
時を経て、再び バルサとチャグムの旅が始まる!
第二部・カンバル王国編。
バルサの知恵と生きる力は変わらず なのに
随所で感じる体の衰え。忍び寄る老い。
三十半ばのバルサと十六歳のチャグム。
主軸ストーリーの影で進行する 下降と上昇、
この交差も(私には)沁みる中盤。
バルサとタンダは、どうなるの?! 見届けたい
第三部・新ヨゴ皇国編。
神格化される帝(みかど)の存在。
温暖化(を彷彿)に伴って 生じる天変地異。
陽だまりのようなタンダに襲い掛かる「不条理」。
時代の波に飲み込まれ、かげりは帯びたけれど、
深みとなって・・・生きて共に在ることが救い。
勝手な解釈だが、各巻通じて感じるものを
一言であらわすと、「成就」。
これまでの時間が この先につながって・・・
再会の成就、目的の成就、思いの成就。
その形は 完全に 満ちたものではないけれど、
それでも、人は 最善の道を探って生きていく。
このシリーズの魅力は、東洋の信仰をベースに
島国日本をかえりみる・・・物語でもあること。
※ 第三部の、政治(組織)について 余談。
周りに同胞のイエスマンだけ置いてもだめなんだよね・・・
1作目「精霊の守り人」(第3051話)
2作目「闇の守り人」(第3052話)
3作目「夢の守り人」(第3071話)