手あて

2006年09月17日 08時49分11秒 | 回想録・「解体心書」

公演翌日から当然、会社に行くという社会人生活を崩すことはできません。
当たり前ですが、この平日リズムのおかげでどっぷり落ち込まずにすみました。
暇さえあれば自分の殻に閉じこもっていました。
掲示板の開設を公演後とうたっているにもかかわらず、
手をつけることができません。
アンケートにある皆さんのあたたかい言葉を読むことで気持ちを奮い立たせ、
やっとの思いでUPします。
するとそこに…思いもかけない皆さんからの心のこもった素敵な感想と次回作を!とのあたたかい言葉が!!
励まされました。書き込みを読んでは、元気をもらい、
返信するたび、自分の殻から少しずつ少しずつ抜け出ることができるのです。
人の心を癒やすのに、なんと人の心が効果的か…

「そうだ。人の手を借りよう」
まずはフットケア。
ガサガサだった足の裏は人の手で、柔らかくなる為、たまった角質をとっていきます。
人の手を引き継いで、毎日、自分の手でひび割れたかかとに潤いを補給します。
乾燥でガサガサになったところ、ようやくはがれ落ちました。
次は、マッサージ。
アロマオイルを使って人の手でたっぷりほぐしてもらいます。
「すごく凝ってますよ。肩から腰まで…自分ではお気づきになりませんか?」
「はい…自覚症状がないんですけど、いつも凝ってます」
思えば、普段から緊張する方なので、ただでさえ肩に力が入り、あがっています。
おまけに今回、旗揚げ、気だけでなく、意地まで張って凝っていましたから…
肩に重くのしかかっていたものがとれると、楽に上を向けます。
9月より下向きだった私は、やっと秋の空の高さを感じることができました。
気分を変える為、髪も切ってもらいました。この短期間のあいだに2度も。
ロングヘアからセミロング、セミロングからボブ。ずいぶん軽くなりました。
冬の陽にあたってできた私の影は、きのこみたいで…笑えます。

先日、人の手で着物をきせてもらい、京都を歩きました。
着物を着ると要所要所に、気合いが入り、背筋が伸びます。
贅沢にも色々な人の手あてを受けました。
人の手のあたたかさを感じることで救われました。
京都でお寺に参り、「そういえば、ながいこと、忘れてたな~、
手と手をあわせるだけでこんなにも落ち着くなんて…」
ありがたやありがたや…静寂の中に光を見て、合掌。


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