第１８０９話 明るいほうへ

集中力もなく、食欲もなく、味もなく・・・

ずっと抜け出せずにいる。

この思いにとらわれたままではいけない。

意を決して、

お湯エネルギー(温泉)をもらいにいく。

なんでもいい    力をもらえればと

あたたかい湯につかっていると、

聞こえてくる韓国語。

お母さんとお姉ちゃん、弟ちゃんの３人で、

なぜか　お姉ちゃんが　私をじっと見てくる。

微笑み返す。

韓国語で　何か母親に話しかけたかなと思った次の瞬間、

「こんばんは」

(日本語に自信がなさそうな    はにかみが愛らしい)

私に？　挨拶するために、

母親に日本語でどう言えばいいのか聞いていたんだ。

私も「こんばんは」を返す。

 

ずっと抱えた思いから抜け出せないと思っていたけれど、

なんだろう　この嬉しさは・・・

自分が存在していないような

自分が存在してはいけないような

孤独だったからかな・・・

不意にわきあがる　あたたかな喜びに

ここのところ　下向きだったけれど・・・

見知らぬ人が話しかけてくれる雰囲気でありたいと。