私のことである。
大学時代の友人、もーちゃんの愛娘、沙弥ちゃんが私を呼ぶ。
「お母さんのお友達! あのな、あのな…」沙弥ちゃんは、いつも伝えることに一所懸命。
お気に入りのドレスのこと、新しく買って貰った音のでる地球儀のこと、
ディズニーのこと、ぐりとぐらのこと、ぬりえのこと、目に映るすべてのことを、
大好きという視線で実況中継。
もーちゃんと沙弥ちゃんと私の三人で、
ショッピングセンター内にある室内遊園地・モーリーファンタジーに遊びに行った。
もーちゃんが「保護者1名まで無料で一緒に乗れるから…」と私に譲ってくれた。
もーちゃん…なんて私のことをわかってらっしゃる!
大喜びで沙弥ちゃんと二人でメリーゴーランドに乗り込む。
沙弥ちゃんと一緒にお姉さんに手を振るものの…室内、小さなメリーゴーランドなので
一周が早い。
振りすぎではないか?後半の気恥ずかしさに、もう笑うしかない。
固まった笑顔のまま、キラキラ、光からこぼれる音楽、白馬、笑って見守るお母さんの笑顔、
幸せがまわる。
沙弥ちゃんが続いてわいわいパークにかけていく。
「保護者1名まで無料で一緒に入れて遊べるから…」
えっ、いいの!
沙弥ちゃんを追いかけて、わくわくパークに入っていく。
滑り台をすべると、待ちかまえるボールプール。
やわらかすぎず、適度にかたいボールに足をとられ、沙弥ちゃんより笑っていた。
沙弥ちゃんと一緒に遊ぶことで、童心にかえったというよりも、
大人げない大人が、社会での子どもっぽさをよい方向に明るく発散できた感じに近い。
子育ての大変さは想像でしかない私、実のところはわからないが、
ママになるとこんな特典もあることを知り、楽しみにしている。
おぼろげながらの記憶で、確かな言葉は定かでないが…どこかのお寺のお言葉。
一年を思う者は 花を育てる。
十年を思う者は 木を育てる。
百年を思う者は 人を育てる。 だったような。
お母さんの友達はお母さんをすごいと尊敬している。
当のお母さんはというと、
「私の方がこの子に教えてもらうことの方が多いよ。育てることで自分自身の成長にもつながるし、
この子を産んでから親のありがたみがわかったわ」なんていうのかな~。
なあ、もーちゃん?
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