第25話 お母さんのお友達

2005年03月11日 00時51分24秒 | Weblog

 私のことである。
大学時代の友人、もーちゃんの愛娘、沙弥ちゃんが私を呼ぶ。
「お母さんのお友達! あのな、あのな…」沙弥ちゃんは、いつも伝えることに一所懸命。
お気に入りのドレスのこと、新しく買って貰った音のでる地球儀のこと、
ディズニーのこと、ぐりとぐらのこと、ぬりえのこと、目に映るすべてのことを、
大好きという視線で実況中継。

もーちゃんと沙弥ちゃんと私の三人で、
ショッピングセンター内にある室内遊園地・モーリーファンタジーに遊びに行った。
もーちゃんが「保護者1名まで無料で一緒に乗れるから…」と私に譲ってくれた。
もーちゃん…なんて私のことをわかってらっしゃる!
大喜びで沙弥ちゃんと二人でメリーゴーランドに乗り込む。
沙弥ちゃんと一緒にお姉さんに手を振るものの…室内、小さなメリーゴーランドなので
一周が早い。
振りすぎではないか?後半の気恥ずかしさに、もう笑うしかない。
固まった笑顔のまま、キラキラ、光からこぼれる音楽、白馬、笑って見守るお母さんの笑顔、
幸せがまわる。
沙弥ちゃんが続いてわいわいパークにかけていく。
「保護者1名まで無料で一緒に入れて遊べるから…」
えっ、いいの!
沙弥ちゃんを追いかけて、わくわくパークに入っていく。
滑り台をすべると、待ちかまえるボールプール。
やわらかすぎず、適度にかたいボールに足をとられ、沙弥ちゃんより笑っていた。
沙弥ちゃんと一緒に遊ぶことで、童心にかえったというよりも、
大人げない大人が、社会での子どもっぽさをよい方向に明るく発散できた感じに近い。
子育ての大変さは想像でしかない私、実のところはわからないが、
ママになるとこんな特典もあることを知り、楽しみにしている。
おぼろげながらの記憶で、確かな言葉は定かでないが…どこかのお寺のお言葉。

一年を思う者は 花を育てる。
十年を思う者は 木を育てる。
百年を思う者は 人を育てる。  だったような。

お母さんの友達はお母さんをすごいと尊敬している。
当のお母さんはというと、
「私の方がこの子に教えてもらうことの方が多いよ。育てることで自分自身の成長にもつながるし、
この子を産んでから親のありがたみがわかったわ」なんていうのかな~。

なあ、もーちゃん?


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 第24話 元気の素 | トップ | 第26話 思えば遠くへ来た... »

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事