第264話 潜入レポート(附属幼稚園)

2009年12月19日 01時02分22秒 | Weblog

そうはいっても、やはり気になる隣の芝生。
ということで、行ってきました幼稚園入園説明会。某国立大附属幼稚園。

説明会冒頭。
「この説明会に参加できる方は、平成22年度入園児童保護者に限ります。
 該当しない方は、ご退出下さいませ」
どうやら国の税金で営まれているので説明会資料を対象者以外の方に無駄に配布できない、らしい。
4月1日現在で3歳を迎えている児童がその年、幼稚園に入園する。
そう、私はさ来年度入園児童の母。説明会を拝聴する資格はない。
それは説明会案内の時点でうたわれていたので知っていた。が、
万が一、息子を通わせたいなどと思ってしまった場合、
我が家は入園のため、お引っ越しまで必要となる。
その年にきいていたのでは間に合わないではないか。
長期計画として附属幼稚園とはどんなところなのか?! 知りたいではないか。
ここでひるんではいけない。気持ちを奮い立たせる。
再三繰り返されるその前説に忍びがたきを忍び、ようやく説明会が始まった。

「今回の入園説明会の開催に伴い、保護者の方から説明会に子供を連れて行っても
 いいのですか?との問い合わせがありました。
説明会案内に何も書いていないということは、どちらでもいいということです。
ただ説明会にはみなさんどんな目的で来られているかを考えていただきますと、
お子様が騒がれました場合、速やかにご退出下さいませ」
自分で判断する。人に迷惑をかけない。親の資質を問われる居心地の悪さを感じた。
説明会途中、後ろの方で子供がグズり始めた。
振り向かなくても、母親の「お願いだから、大人しくしてちょうだい」を感じる。
子供には退屈だ。子供らしい反応をした時点で強制連行となる。
遠ざかる泣き声をききながら、ここは真剣に話をききにくる場所だという考えもわかるが、
説明会をきくために母親が子供を第三者に預けなければならないというのはどうなのか・・・
今まで私が体験した入園説明会は、子供連れの方が大勢いて、
当然のごとく園長先生の声はききづらいのだが、きく側として気にならなかったし、
園長先生も子供の声に負けじと大きな声をあげてくださっていた。
さすが附属幼稚園ともなると、入園志願者が多いのか園の立場が強い。

説明途中、モンテッソーリ、シュタイナー、というような単語が出てくる。
ここでも「みなさんご存知の」的なものを感じ、
具体的な説明をききながら、どんどん私はうがった見方に。
保育料は国立ゆえ、非常にお安い。
けれど、
「うちは登園バスはございません。保護者の方の送り迎えが必要になります。
送り迎えは、親族の方のみ対象となります。お手伝いの方等第三者は認めておりません」
「給食は保護者の方に交代で作っていただきます。 当番にあたった方は検便をして・・・」
基本「園と園児と家庭の3点で」なのだが、
あまりにも園の滞在時間が短いので家庭教育に比重が・・・
親の奉仕が必須。まず、親の姿勢を子供に見せるってことかな。
給食当番の為に年数回の有休消化はあまりにも会社に迷惑がかかる非常識。
働く母には厳しい条件。
説明をきくと、あなたが附属幼稚園に通える環境にないことが確定してしまったわ。ごめんねK。


続いて、園内見学。
園児たちは持ち物、服装にいたるまであえて質素倹約・・・?
これは入園してからそういう指示がでるのかなぁ。不明。
子供たちがいる。普通だった。別に悪い意味ではない。子供らしい子供という意味。
あ、ヤギがいる。
お母さんたちが子供たちのご飯を作って、自然があって、動物がいて。
昔ながらの風景のような。
ふ~んと周遊して、
国の大切な税金で賄われている貴重な資料とのことのなので、私は願書をいただかず、
園を去った。百聞は一見にしかず。行ってよかった。

職場で私が作ったマニュアルに対するクレームがあった。
確かに私が作ったマニュアルだけあって、わかりずらいものとなっているのだが、
このマニュアルではわからないので、もっとわかりやすいマニュアルを作ってほしいとのご要望だった。
私は前年度からの変更点を強調する形で、いらないものをいらないと記した。
いらないと書いていないところは、いるもの前提であったのだが。
あまり詳しく書くと長くなるし、融通がきかなくなってしまう。
少し余白がある方がいいのかなぁと。
その記されていない部分を、簡単にこんな時はこう、こんな時はこうと
具体的に記して欲しいという。マニュアルのマニュアル?あったら、楽だろうけど・・・改訂か。
不意に説明会の台詞がよぎった。「何も書いていないというのは、どちらでもいいんです」
あぁこういうことか。受け手が問われるというのは。色々、学ぶべき多い説明会であった。

※秋にあった説明会を私の記憶だけで書いているので、レポートといっても、
ぬけおちているところもありますが。
説明者の台詞は、意味はそんな感じで言い回しはあくまで私のイメージ。
実際はもっと口語です。
説明会には、スーツ姿のパパもいて、会社休んできたのかななんて。
同伴のお子様のくつ下がレースつきだったのが、なんともイメージ通りでよかったです。
門の前では受験対策のチラシが手渡され、ちょっと「お受験」の香り。
全体的に子供ではなく、親が問われている気がしました。


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2 コメント

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なんかすごいね (やまちゃむ)
2009-12-19 23:56:49
国立大附属幼稚園…聞くだけでびびっちゃいます(笑)
そこに説明を聞きに行く根性も僕にはありません(笑)

さて。
うちの子は住んでるエリアによって決められた公立の幼稚園に通ってます。
英語の勉強も、格別広い園庭も、きれいな送迎バスも給食もない。
毎日チャリチャリ送り迎えな至って質素な幼稚園です。
うちの経済状況では他に選択肢もなく、ゆえにその幼稚園しか知りません。

入園式。
園長先生が園児たちの最重要課題は「遊び」だと仰いました。
遊びを通していろんな事を学んでもらうと。
僕も同感でした。
英語とか算数とかそんな勉強はまだいらん。
自由に遊び、体験し、発見し、創造することが大切やと考えていたので、その言葉だけで僕は安心できました。
その後、園での生活。
色んなイベントで、同級という枠組みだけではなく、年長さんとペアを組んだり、老人会と交流したり、中学生や高校生が訪問してきたり、中学校の運動会に園児が参加したり。
同世代だけではない、色んな年代の人と関わるような仕組みに、僕はよく考えてあるな、と関心しています。
子どものためにも良いな、と。
と同時に、昔は近所の人とそういう交流が常にあり、わざわざそんな環境や交流を「設定」する必要はなかったのにな、とも。
僕たちの生活は便利に便利に発展したようで、逆に肝心なことが不自由になってるんちゃうかな、常々そんなことを感じています。
返信する
やまちゃむ様 (とーま由花)
2009-12-20 14:26:54
ふふ。
私は状況が許す限り、色々なものを見て、体験したい方なので、好奇心と根性、体力だけはあります!

お受験の雰囲気漂いますが、
国立大附属幼稚園は勉強、勉強というところではありません。
国立だけあって、経済的には一番家計にやさしい保育料設定だと思います。
ただ、附属小学校お受験ともなるとやはり狭き門、
附属幼稚園からそのまま進級コースを狙って、
幼稚園の倍率が高くなるのかなと。
お受験、どんどん前倒し現象です。
この時期の子供が自分で進路を決めるということはできないので、
やはり親の思想が大きく影響します。
遊びと自然を重視する幼稚園に通わせるため、北海道に移住する例もあるようです。
そんな記事を読むと、
これは子供中心といっていいのか、
親中心といっていいのかよくわかなくなります。
パパのお仕事や人生は大丈夫なのか・・・
私にはそちらの方が気になります。

新聞でイタリアと日本を比べての記事がありました。
イタリア人にあなたにとっていい大学は?と問うと、
「自分の息子の通う大学です」と答えると。
そういうの、いいなぁと思いました。

私は息子に少しずつゆっくり大人になってほしいと思っています。
おぼこい顔とかあどけない顔期間が人並みにあればと。
大人びた顔、疲れた顔の子供にならないよう無邪気に思う存分遊んでほしいです。

保育園でお友達がたくさんできました。
うれしい反面、悩みは、私の判断で少し遠方の保育園を選んだことによる小学校での別れ。
区域が異なるのです。
よき師、よき友との出会いが
子供にとって通う楽しさになるのだと思います。
やまちゃむも地域の公立幼稚園を信じているように、
私もこの先校区問題がありますが、
息子の通う保育園が一番いい保育園だと思っています。
親子で信頼し、楽しめていたらそれでいいですね。

異年齢児との交流(縦割り保育)に、
中高生の訪問(職業体験)、
老人だけでなく、外国人との交流もある園も(異文化交流)、
どの園も様々な試みが行われているのに、
どうして4校に1校は学級崩壊が発生するのでしょうか(小1プロブレム)
時折、その答えを通勤電車内で考えています(笑)
やまちゃむの最後の2行にも絡んでいる問題かもしれませんね。
この議論、またかなり長くなりそうなので、今日はこの辺りで。

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