腸内細菌叢と病気との関連が注目され、テレビの健康啓蒙番組でもたびたび取りあげられるようになった昨今。
人体に良い影響を与える微生物、または、それらを含む製品、食品のことを「プロバイオティクス」(★)と呼びます。
紹介する論文・記事は、腸内細菌叢に良い影響を与えることが期待されるビフィズス菌・乳酸菌などの微生物ブレンドをカプセルに入れて内服した結果、アトピー性皮膚炎が改善したという報告です。
★ 定義;
・プロバイオティクス:「適正な量を摂取したときに宿主に有用な作用を示す生菌」
・プレバイオティクス:「大腸の有用菌の増殖を選択的に促進し、宿主の健康を増進する難消化性食品」
■ プロバイオティクス・カプセル、アトピー性皮膚炎を改善
(ケアネット:2017/12/19)
新たな剤形で複数成分を含むプロバイオティクス・カプセル製剤は、小児・若年者におけるアトピー性皮膚炎(AD)の経過を改善する可能性が、スペイン・Hospital Universitario VinalopoのVicente Navarro-Lopez氏らによる無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験の結果、示された。アトピー性皮膚炎疾患重症度評価(SCORAD)スコアが低下し、局所ステロイドの使用も減少したという。JAMA Dermatology誌オンライン版2017年11月8日号掲載の報告。
研究グループは2016年3月~6月に、新たな混合プロバイオティクス製剤の経口摂取について、有効性と安全性、ならびに局所ステロイドの使用に及ぼす影響を評価する目的で、12週間の無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験を行った。
対象は、4~17歳の中等度AD患者50例(女児26例[50%]、平均[±SD]年齢:9.2±3.7歳)。試験前3ヵ月以内に全身性免疫抑制剤の使用歴のある患者、2週以内に抗菌薬使用歴のある患者、腸疾患合併の診断や細菌感染症の症状のある患者は除外された。
性別、年齢、発症年齢により層別化し、ブロックランダム化法によりプロバイオティクス群または対照群(プラセボ)に割り付け、凍結乾燥させたビフィズス菌(Bifidobacterium lactis)CECT 8145、ビフィズス菌(B.longum)CECT 7347、乳酸菌(Lactobacillus casei)CECT 9104を計109 CFU含むカプセル製剤(キャリアとしてマルトデキストリン使用)、またはプラセボ(マルトデキストリン)を毎日、12週間経口投与した。
主要評価項目は、SCORADスコアと局所ステロイドの使用日数とした。
主な結果は以下のとおり。
・12週後、プロバイオティクス群は対照群と比較して、SCORADスコアの平均減少幅が19.2ポイント大きかった(群間差:-19.2、95%信頼区間[CI]:-15.0~-23.4)。
・ベースラインから12週時点までのSCORADスコアの変化は、プロバイオティクス群-83%(95%信頼区間[CI]:-95~-70)、対照群-24%(95%CI:-36~-11)であった(p<0.001)。
・対照群(220/2,032患者・日、10.8%)と比較して、プロバイオティクス群(161/2,084患者・日、7.7%)では局所ステロイドの使用が有意に減少したことが認められた(オッズ比:0.63、95%CI:0.51~0.78)。
<原著論文>
・Navarro-Lopez V, et al. JAMA Dermatol. 2017 Nov 8.
私としては、プロバイオティクスのカプセル投与前後で、腸内細菌叢の構成がどのように変わったのか、具体的に知りたいところです(論文には書いてあるのかな?)。
<参考>
□ プロバイオティクスとして用いられる乳酸菌の分類と効能(辨野義己、モダンメディア、2011年)
人体に良い影響を与える微生物、または、それらを含む製品、食品のことを「プロバイオティクス」(★)と呼びます。
紹介する論文・記事は、腸内細菌叢に良い影響を与えることが期待されるビフィズス菌・乳酸菌などの微生物ブレンドをカプセルに入れて内服した結果、アトピー性皮膚炎が改善したという報告です。
★ 定義;
・プロバイオティクス:「適正な量を摂取したときに宿主に有用な作用を示す生菌」
・プレバイオティクス:「大腸の有用菌の増殖を選択的に促進し、宿主の健康を増進する難消化性食品」
■ プロバイオティクス・カプセル、アトピー性皮膚炎を改善
(ケアネット:2017/12/19)
新たな剤形で複数成分を含むプロバイオティクス・カプセル製剤は、小児・若年者におけるアトピー性皮膚炎(AD)の経過を改善する可能性が、スペイン・Hospital Universitario VinalopoのVicente Navarro-Lopez氏らによる無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験の結果、示された。アトピー性皮膚炎疾患重症度評価(SCORAD)スコアが低下し、局所ステロイドの使用も減少したという。JAMA Dermatology誌オンライン版2017年11月8日号掲載の報告。
研究グループは2016年3月~6月に、新たな混合プロバイオティクス製剤の経口摂取について、有効性と安全性、ならびに局所ステロイドの使用に及ぼす影響を評価する目的で、12週間の無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験を行った。
対象は、4~17歳の中等度AD患者50例(女児26例[50%]、平均[±SD]年齢:9.2±3.7歳)。試験前3ヵ月以内に全身性免疫抑制剤の使用歴のある患者、2週以内に抗菌薬使用歴のある患者、腸疾患合併の診断や細菌感染症の症状のある患者は除外された。
性別、年齢、発症年齢により層別化し、ブロックランダム化法によりプロバイオティクス群または対照群(プラセボ)に割り付け、凍結乾燥させたビフィズス菌(Bifidobacterium lactis)CECT 8145、ビフィズス菌(B.longum)CECT 7347、乳酸菌(Lactobacillus casei)CECT 9104を計109 CFU含むカプセル製剤(キャリアとしてマルトデキストリン使用)、またはプラセボ(マルトデキストリン)を毎日、12週間経口投与した。
主要評価項目は、SCORADスコアと局所ステロイドの使用日数とした。
主な結果は以下のとおり。
・12週後、プロバイオティクス群は対照群と比較して、SCORADスコアの平均減少幅が19.2ポイント大きかった(群間差:-19.2、95%信頼区間[CI]:-15.0~-23.4)。
・ベースラインから12週時点までのSCORADスコアの変化は、プロバイオティクス群-83%(95%信頼区間[CI]:-95~-70)、対照群-24%(95%CI:-36~-11)であった(p<0.001)。
・対照群(220/2,032患者・日、10.8%)と比較して、プロバイオティクス群(161/2,084患者・日、7.7%)では局所ステロイドの使用が有意に減少したことが認められた(オッズ比:0.63、95%CI:0.51~0.78)。
<原著論文>
・Navarro-Lopez V, et al. JAMA Dermatol. 2017 Nov 8.
私としては、プロバイオティクスのカプセル投与前後で、腸内細菌叢の構成がどのように変わったのか、具体的に知りたいところです(論文には書いてあるのかな?)。
<参考>
□ プロバイオティクスとして用いられる乳酸菌の分類と効能(辨野義己、モダンメディア、2011年)