小児アレルギー科医の視線

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花粉症患者は車を運転してはいけない?

2018年04月08日 09時06分14秒 | 花粉症
 花粉症の症状が激しくなると発作的に「くしゃみ」が止まなくなります。
 すると、目の前のことができなくなり、それが車の運転中、事故を起こす可能性が発生します。
 そして事故を起こすと「有罪」になってしまうのです。
 花粉症を甘く見てはいけません・・・。

■ 花粉症ドライバー要注意 くしゃみ・涙…事故の危険
2018/4/5:日本経済新聞)より
 花粉症に悩む車のドライバーにとってくしゃみや鼻水などの症状は事故を招きかねない難題だ。実際、死傷事故を起こし有罪判決を受けたケースもある。スギ花粉だけでなくヒノキ花粉の飛散も本格化するなか、車間距離を確保し、副作用の少ない治療を選択するなど、対策を徹底して安全運転に努めたい。
 「症状が出た以上、速やかに運転を中止しなければならず、過失は軽いとはいえない」。愛媛県今治市の国道で2017年4月、花粉症のくしゃみなどの症状で追突事故を起こし、3人を死傷させた50代の男性に松山地裁今治支部は18年2月、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪で執行猶予付きの有罪判決を言い渡した。
 男性は花粉症の薬を服用していたが、運転中に目のかゆみや連続するくしゃみなどの症状が激化。前方不注意のまま対向車線にはみ出し、軽乗用車と正面衝突した。
 日本自動車連盟(JAF)も「たかが花粉症と甘く考えるのは禁物」と注意喚起する。JAF東京支部で交通安全講師を務める高木孝さんは「正常な運転ができない状態で事故を起こせば、重い責任を問われる恐れもある」と強調する。
 くしゃみは肋骨骨折の原因になることもあるほど衝撃が大きく、ハンドルの誤操作を招きかねないほか、くしゃみ1回で0.5秒、目をつぶると仮定すると時速60キロで走行中ならその間に車は8メートル進む計算になる。高木さんは「花粉症では2回、3回と連続してくしゃみが出る患者も多い。涙や鼻水などの症状も運転に影響しやすく、大変危険だ」と話す。
 高木さんは車内に花粉を持ち込まない対策として、空調で外気を取り込まないように設定を変更したり、空調のフィルターを定期的に交換したりすることを推奨。「症状がひどい時は運転しないことが最も大事。もし運転する場合も、突然の症状に備えて普段よりも車間距離を広く取り、速度も落とすべきだ」と訴える。
 一方、日本アレルギー学会専門医の池袋大谷クリニック、大谷義夫院長は「花粉症の薬は眠くなったり、集中力が低下したりする副作用にも注意が必要」と指摘する。大谷院長によると、抗アレルギー薬には眠気の副作用があるものが多く、薬の添付文書に「運転などに従事させない」「服用中は車の運転に注意」と明記されているものもある。


 その「運転中の花粉症症状(くしゃみ発作)で交通事故を起こし有罪判決」の記事を紹介します。
 治療していても、激しい症状が出たら車を止めなくてはいけないといいますが、突発的なくしゃみ発作はどうしようもないと思うのですが・・・ゆっくり安全運転するしか対策はないようです。

■ 花粉症状で交通死傷事故、高校教頭に有罪 愛媛・今治
2018/2/3:日本経済新聞
 愛媛県今治市の国道で2017年4月に乗用車を運転中、花粉症による連続したくしゃみなどの症状で事故を起こし、3人を死傷させたとして自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪に問われた県立今治北高の教頭、藤沢一仁被告(54)=休職中=に、松山地裁今治支部(満田智彦裁判官)は2日、禁錮3年、執行猶予4年(求刑禁錮3年)の判決を言い渡した。
 満田裁判官は、被告が花粉症による目のかゆみやくしゃみなどの症状が激しくなった際、容易に駐車できる場所もあったのに運転を続けたと指摘。「事前に花粉症対策の薬を服用していたとしても、症状が出てしまった以上、速やかに運転を中止しなければならず、過失は軽いとはいえない」と述べた。
 判決によると、昨年4月23日午後2時35分ごろ、今治市内で乗用車を運転中、花粉症の症状で前方注視が困難になり、対向車線に車をはみ出させ、軽乗用車と正面衝突。軽乗用車に乗っていた同市玉川町の無職の女性(当時61)を死亡させ、同乗の息子2人にも重軽傷を負わせた。
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