「アメリカ人の3人に1人が肥満」
と以前から耳にしてきました。
テレビのニュース番組で、
「貧困層は高価な野菜を買えず、栄養バランスの良い食事をとれない」
「高カロリーかつ低栄養のファストフードばかり食べるので太る」
という社会の病理が原因であることを報道していました。
肥満は生活習慣病~メタボリックシンドロームのリスク因子であり、
動脈硬化を経て、最終的には脳卒中や心筋梗塞のリスクであることは有名です。
対策はとっているのでしょうが、
増加の勢いは止まらず、最近はさらに増えて、
「40%以上」という記事が目に留まりましたので紹介します。
内容は、
・適切な食事と適度の運動
という従来通りの解説で、目新しい情報はあまりありませんでした。
▢ 成人の40%以上、米国で蔓延する肥満との戦い
(2023/1/28:Yahooニュース)より抜粋;
※ 下線は私が引きました。
米国は本当に世界で最も肥満の多い国なのだろうか?
実際は、世界で12番目に肥満の多い国で、高所得の国の中では1位だ。
肥満とは体脂肪が過剰で…BMIが30以上の状態を指す。
米国民健康・栄養調査のデータによると、成人の5人に2人以上、子どもの5人に1人近くが肥満であることがわかっている。さらに、米国では肥満率が35%を超える州が19州あり、昨年の16州から増加した。10年前には、肥満率が35%を超えている州はなかった。肥満は糖尿病、心臓病、脳卒中、乳がんや大腸がんなど、さまざまな健康障害と関連がある。・・・
米国における肥満の蔓延には多数の要因があるが、大きな懸念は食べ物の量だ。・・・
ある先行研究では、米国の食事量を世界の他の国の食事量と比較している。この研究では、パリの食事量はフィラデルフィアの食事量の4分の1であることがわかった。米国内でも、ファーストフードの量は1950年代に比べて4倍にもなっている。最近海外に行ったが、米国以外の国では、マクドナルドの特大サイズのポテトを食べることはできない。 コーネル大学の研究でも、人はより多くのものを与えられるとより多く食べることが実証されている。外食が多い米国人にとって、分量が多いほどカロリー摂取量が多くなり、体重が増えるのは当然だ。
さらに、米国人の座りっぱなしの生活も問題だ。84%の米国人が1日2時間以上テレビを見て過ごしている。15年間にわたって米国人の行動パターンを追跡調査した研究によると、座っている時間の合計は、青年で1日7時間から8.2時間に、成人では5.5時間から6.4時間に増加した。米国人が活動的でなくなるにつれて、1日に消費されるカロリーが少なくなり、カロリーが蓄積され、最終的に体重が増加する可能性が高い。
◇ 肥満の抑制は食生活の改善や運動といった取り組みだけでは成功しない
また、携帯電話、iPad、コンピュータなどのテクノロジーによるスクリーンタイムも、米国人のフィットネスとアクティビティを向上させるという目的のためには役に立たない。米国保健福祉省が2018年に発表した「米国人のための身体活動ガイドライン」によると、成人は週に150~300分の中程度の身体活動、または週に75~150分の活発な身体活動に従事すべきとされている。
米国における肥満の抑制は、食生活の改善や運動といった個人レベルでの取り組みだけでは成功しないだろう。肥満の抑制は差別、食糧不安、主要な健康資源へのアクセス不足などの構造的要因を対象とした公衆衛生的アプローチによってのみ可能となる。例えば、食料不安とは、資金や資源が不足しているために健康的な食品を摂取できないことを指す。米国の最貧困層は、スーパーマーケットで最も栄養価の高い高価な食品を買うことができないことが多く、その代わりに、カロリーは高いが栄養価の低い、安価なファストフードを購入しなければならない。マイノリティや社会経済的地位の低い人々に肥満が多いのは当然のことだ。米国では非ヒスパニック系黒人の肥満率が最も高く、次いでヒスパニック系成人となっているが、これは彼らの住む場所や健康的な食品を購入するための資源がないことが原因であることが多い。
米国政府および州の政策立案者は、肥満との闘いを優先させなければならない。これは、栄養補助プログラムのような連邦政府のプログラムへの資金を増加させると同様に、パンデミックの間に多くの州で行われたように、すべての公立学校の子どもたちのために健康的な学校給食を提供することによって行うことができる。 高品質の食事をする余裕がある人たちにとって、肥満の解消は、特に健康的で少量の食事、そして活発な運動といったことから始まる。・・・