かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

官僚案を棒読みするような大臣は必要ないのではないかと思ったりいたしました。

2007-01-10 23:11:42 | Weblog
 一定の条件を満たした会社員の労働時間規制を外して、残業代をなくす「ホワイトカラー・エグゼンプション」、時の構成労働大臣がのたまった、厚生労働省の案ですと、年収900万円以上の会社員を対象に検討しているんだそうです。制度導入の対象者については、「管理監督者一般の平均的な年収水準を勘案」と明記して、その水準が「現状では900万円以上と想定される」とのこと。また、「労働者が自分で業務量をコントロールすることは実際にはできず、過労を招く」との批判に対しては、対象者の仕事内容を「職務記述書」などで明確化することで防ぐようにするそうです。年収900万円、というのがどういう統計に基づくものなのかいまいち判然としないところもあるのですが、多分この年収は所得税等を差し引くいわゆる天引き前の純収入になるのでしょう。とすると、実際の手取りとしてはどれくらいになるんでしょうね。それを考えたら結構少なくなってしまうんじゃないかと思ったりするのですが。それはともかく、どうして900万円なんでしょうね。きりよく1000万円、といっとけば、国民の反発もひょっとしたらずいぶん少なくなったような気がいたします。私が思うに、官僚が試算して900万円と出たのなら、状況を「勘案」して「じゃあ1000万円にしよう」と決断するのが指導者たるものの仕事だろうと思うわけですが、どうもこせこせしているというか、官僚の言いなりというか、大臣にふさわしい仕事をしているように見えないのが残念です。
 そういえば昔から日本人は「軍師」とか「参謀」とかが大好きで、人物によっては総大将に勝るとも劣らない人気者だったりします。今年の大河ドラマの主人公も、実在したかどうかも怪しいと言われる、武田家の軍師山本勘助だそうですし、弁慶とか秋山真之とかいちいち上げだしたらキリがないくらいです。でも、実際には参謀というのは状況を冷静に計算して色々な案を出すのが役割で、それを採用するかどうかは指導者たる大将次第、ゆえに対象のほうが当然ながら圧倒的に偉くて責任も重大なはずなのですが、これも日本の風潮で、参謀の案を「よきに計らえ」と鷹揚に承認するのが度量のある大将の姿、というようなところがあり、自らの見識と責任において裁断を下すのを苦手としているようなきらいがあります。今の官僚主導の政治運営などもその歴史にのっとったわが国の伝統なのでしょう。いい加減そんな伝統からは卒業して、自ら官僚を引っ張りまわしてバリバリ仕事させるような内閣ができて欲しいですし、それくらいの人でないとこの間近に迫る未曾有の危機に対処できないのではないか、と思うのですが、ひょっとしたら前首相の再登板を望む声って、そういう「英雄願望」みたいなものもあるのかもしれませんね。

コメント
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