かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

国会でのヤジ、ようやく自粛しよう、という動きが少しでも出てきたのは同慶の至りです。

2009-05-23 21:50:30 | Weblog
 今日も一日結構な暑さと感じましたが、ひたすら片付けに専念して体を動かしていたからなのかもしれません。別に新型ウィルスが怖いからではなく、ホコリでクシャミが止まらなくなるので一日中マスクをつけっぱなしだったのも、暑さを感じさせられた一員といえるでしょう。それにしても、今の時期いくら周囲の目が怖いからといって、マスクをしたまま出歩いたりするのは結構つらいものがあろうと思うのです。それを知ってか、あるいは各国でわが国の過剰反応振りやその一方で休校の学生達が暇をもてあましてカラオケなどにたむろっている光景などが面白おかしく報道されていたからなのか、厚労省はようやく、マスクは感染者がウィルスを撒き散らすのを抑えるために有効だから、人ごみの少ないところではかかってないヒトはマスクはしなくていいよ、と呼びかけるに至りました。ところがその一方で私鉄各社は車内ではマスクをつけるよう客に要請する呼びかけをしているそうで、どうもその対応振りがちぐはぐとした印象を与えているような気がします。まあそんなこんなも後でじっくり戦訓として分析できればそれに越したことは無いので、いつかやってくる「本番」のために、色々と今のうちに試行錯誤しておいてもらいたいものです。

 さて、新党首も決まったところで、久々に国会で党首討論をやるのだそうですが、それに際して、お互いヤジを自粛しよう、という申し合わせを、与野党で取り交わしたのだそうです。今までも、閣僚から「ヤジで質問が聞こえない」との苦情が出ていたのだそうで、与党の方から「党首討論は落ち着いた雰囲気で行おう」と提案、民主党も「節度と品格をもった対応を徹底する」と受諾したとのこと。
 全く、今まで何をしていたのか、私などには到底理解に苦しむ話ですが、そもそも何故曲がりなりにも話し合いをする場でヤジなど許すのでしょう? ヤジを飛ばすような輩は、議長権限で議場から放り出すくらいのことは出来ないのか、と、日ごろ国会中継などを見たり聞いたりしていると苛立ちが募るのですが、聞くところによると「ヤジは議会の華」と言われるとか。ばかばかしい。仮にも選良と唱えられる大人のやることではありません。どこの会議で、質疑応答が聞こえなくなるほど勝手気ままな発言を許す場があるものか。国の最高議決機関だけが、我慢の出来ない駄々っ子のごとき馬鹿野郎どもを野放しにしているというのは、どう考えてみても国会の尊厳を損ない、自らの品位を貶める情けない姿をさらしているようにしか見えないではないですか。まあこれを機会に出来れば日常的に国会ではそういう下らない行為は慎むようになっていって欲しいものですが、あまり期待も出来そうに無いのが情けない限りです。

 ところで、ようやく新居での生活も落ち着いてきたところで、連載小説のアップを再開しようと思います。大分休んでしまったので、今日と明日、続けて上げる予定です。囚われの麗夢ちゃん、いよいよ黒幕と対決? という所ですが、その都度好き勝手書いている解説もどきは、明日改めて書くといたしましょう。
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07 復活計画 その1

2009-05-23 21:48:40 | 麗夢小説『向日葵の姉妹達』
 鈍い頭痛を伴いながら、麗夢はゆっくりと目を醒ました。
なぜ自分はどうして寝ているのか。
 まだ動き始めたばかりの頭は、ぼんやりして事態を把握出来ないでいる。
 麗夢は上体を起こして薄暗い室内をゆっくり見回した。
 寝ているベットはもちろん、見覚えのない調度類が、無言で麗夢の目覚めを見つめている。
 一体ここはどこなのか。
 そして、一体何があったのか。
 いつも一緒にいるアルファ、ベータの姿もない。いや、姿だけでなく、その気配すらない。
 普段は、たとえどこか物陰に隠れていたとしても、二匹がいれば麗夢にはその存在を感じ取ることが出来る。時折麗夢の目を盗んで冷蔵庫の中身をつまみ食いしている二匹だが、気配を消したつもりでも、麗夢にはそれとなく感じられてしまうのだ。だからこそ三回に一回くらいは、「こらっ!」と怒って見せたりもできるのである。従って、今その気配が全く絶えて感じられないと言うことは、二匹が、現在麗夢の手の届かない遙か遠くへ離ればなれになっていると言うことである。
 麗夢はその事に漠然と不安を募らせながら、無意識に左脇に吊したホルスターに手を伸ばした。が、それもまた麗夢の焦燥を募らせることしかできなかった。冷たい存在感を示して安心を与えてくれる愛用の銃が、消えて無くなっていたのである。はっとなって寝ていたベットの上を見回してみても、目当ての物が落ちている様子はない。まさかとポケットを探ってみた麗夢は、すぐに携帯電話も財布も失ったことに気が付いた。明らかにしてやられたらしい。麗夢はそれ以上失われた物を捜すのは諦めて、改めて周りを見回した。
 部屋は見る限り、少し高めの金額に設定されているビジネスホテルのシングルルームに見えた。セミダブルのスプリングが良く効いたベットに清潔なシーツが掛けられ、向かい側に、まるで開けると聖書とご利用案内が入っていそうな引き出しが付いた、作りつけのテーブルとスタンドが置いてある。壁には大きな姿見が貼り付けてあり、出入り口は頑丈なスチール製のドアになっている。ドアの脇にはクローゼットの扉が見え、その向かい、ベットの後ろに当たるところの扉は、恐らくユニットバスであろう。壁紙や天井は圧迫感を覚えないようベージュに統一され、全体にゆったりとした雰囲気にまとめられてはいるが、華やかさとか美しさとはあまり縁が無い、実用一点張りの調度品類であった。だが麗夢は、ホテルなら必ずあるはずの、テレビと電話が無いことに気が付いた。壁際の窓に手をかけてみたが、頑丈にロックされている物と見えてぴくりとも開けることが出来ない。つまり、外部の状況を知ることもできなければ、誰かに連絡を取ることもできない。完全な監禁状態に置かれていることに、今更ながら気づいたのだった。
 一通り部屋をチェックした麗夢は、再びベットに戻って投げ出すように腰を下ろした。一体今が何時なのか、あれから何時間、ひょっとしたら何日も経ったかもしれない。失踪したシェリーは一体どうしてしまっただろう。ヴィクター博士も無事でいるのだろうか。鬼童、アルファ、ベータは?  アルファ、ベータなら、きっと自分が生きている限り必ず見つけだしてくれるだろう。今はその時に備えて体力を温存するのが、麗夢に出来る唯一のことであった。
 そのままぱたりと仰向けになった麗夢は、染み一つ無い天井を見つめながら、シェリーを連れ去った謎の少女のことを思い浮かべていた。
 聞き込みした外観から想像される姿はただ一人。
 苦心惨憺の末破壊した、スーパーコンピューターグリフィンの三次元インターフェースROM。
 脳裏に浮かぶその姿は、もちろんただ想像しているからこその一致とも言える。実は似ても似つかぬ全くの別人と言うことも、当然ながらあり得るわけだ。
 と、そこまで考えて、麗夢は苦笑を漏らした。
 全くの別人に決まっているではないか。ROMは所詮プログラムに過ぎない。いくら存在感溢れる挙措を示そうと、彼女がコンピューターの中から現実世界に飛び出してくることはない。せいぜい人の夢に姿を現すだけで、実在する一人の女の子と手を繋いで歩くなんてこと、到底できっこないはずなのだ。
(でも、じゃああのROMは一体……?)
 麗夢は、自分がこうして無様にも捕まることになってしまった原因を思い起こした。
 黒塗りの高級リムジン後部座席に収まった一人の少女。
 確かに髪の色や服装は違ったが、その少女はまさにROMそのものに見えるほどよく似ていた。
 そして、突然ヴィクター博士を捕まえようと話しかけてきた老紳士。彼はこちらがロムと口を滑らせたのを聞いて、確かに言ったのだ。
「お嬢さん、何か知ってはるようやね」と。
 つまりあの老紳士は、ROMのなんたるかについて、何かを知っていると言うことだ。あのアクセントからしてもこの地元大阪の人間に違いないと思われるが、ROMの起こした騒ぎは東京に限定されていたというのにどうしてその事を知り得たのか、それも不思議と言えば不思議なことであった。
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