かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

コミックトレジャー、どんどん進化してきてるみたいですね。

2009-09-06 21:57:03 | ドリームハンター麗夢
 今日は出がけにばたばたして乗る予定だったバスに乗り遅れるなど波乱のスタートとなりましたが、何とか無事予定時刻ちょうどにインテックス大阪にたどり着き、既に待機されていた綾野さまと合流できました。開場では、麗夢XXの単行本執筆中の火浦R先生が出ておられたので今後の様子などもうかがえましたし、持っていった既刊もあらかたさばけましたし、11時から3時までの開催時間を目一杯楽しませてもらいました。
 これまでコミックトレジャーは1館開催だったのが、今回4号館、5号館の2館開催となり、スペース数は2000近く、参加サークル数は1800余と今までで最大規模となり、お客さんの数も随分と膨らんでいたようで、2館開催で見た目ゆとりある机は位置になったように感じられた通路などが開場まもなくから一杯になり、その人出が3時の終了間際まであまり減らないまま推移したと言う、過去何度がコミトレに参加してきた私の目には信じがたいほどの盛況ぶりでした。終了後は難波のなじみのお店で久々の再開と無事終了に祝杯を挙げるとともに、今後の方針を話し合いました。まあ色々夢や可能性を吟味いたしましたが、お互い年もとって体が言うことを利かなくなってきている現状を改めて認識しあいますと、まあ無理はよそう、と言うことで結論を得ました。とは言え次の冬のコミトレをこのまま見送るのも消極的に過ぎるか、と言うわけで、次は私こと「かっこうの本棚」が久々にサークル参加を申し込み、その次は綾野さまかいかい様の「AKファクトリー」が申し込み、と交互に出てみてはどうか、となりました。まあ実現するかどうかは、まず私めが1月17日のコミトレにサークル参加してみないことには始まらないわけですが、既刊もほぼはけてしまったことですし、何とか計画的に今から動き出して1つか2つ、新しいやつを作るようにしたいと考えています。幸いなことに、とりあえずさほど苦労せずともできそうなネタも少しはありますので、これを現実化することにまずは力を注ぎ、その後余裕ができましたら、次のことを考える、という2段構えで行きたいです。
 まずはそのためには少しあるネタをもう少しいじって作品として出せるようにするのと、そのために必要な助力をとある方にお願いしてみるのとから始めるつもりです。あとは時間と資金とやる気が問題になりますが、それは何とかやりくりしていくよりないでしょう。ちょっと頑張ってみたいと思います(もちろん無理しないようにして)。

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13 作戦 その1

2009-09-06 07:38:14 | 麗夢小説『向日葵の姉妹達』
 両脇の7.62mmバルカン砲が唸りを上げて襲来する魔物を掃射し、2.75インチ霊波追尾式ロケットが、白煙をたなびかせながら次々と前方に叩き込まれた。重なり合って華開いた盛大な爆炎をものともせず、1904cc直列四気筒SOHC(ジェッペット改造済み)の力強い咆哮と共に、プジョー205カブリオレ右ハンドル仕様の一見華奢な車体が躍り込んだ。
 目標は目の前の「怪獣」である。頭上に群舞するマスコミのヘリを従えながら、その怪獣は今まさに大阪のシンボル、大阪城にその魔手をかけようとしていた。
 左手を伸ばし、頭一つ大きい目前の大阪城天守閣頂上の屋根を、両端の金の鯱ごと鷲掴みにして体をぐいと引っ張り上げる。
 よじ登ろうというのであろうか。
 ピンクのスカートがはだけるのもお構いなく、最下層の瓦屋根に赤い靴を履いた足を二度三度、滑らせてはかけを繰り返している。そのたびに大阪城の青い外観を代表する緑青の葺いた銅板瓦や、際だつ白さの漆喰壁が次々と剥がれ落ち、平成九年に大改修を施された優美な姿が蝕まれていく。
「何をする気なんだ?」
 舌を噛みそうになりながらも、榊はそう呟きたくなるのを抑えられなかった。不可解な思いは、麗夢、鬼童、ヴィクターも同じである。だが、その事を吟味する時間は四人と二匹にはない。何度目かの魔物達による波状攻撃が、またも大阪城に向かわんとするプジョーカブリオレの前を遮ったのである。
「明らかに警戒されてますね、麗夢さん」
「そんなことは百も承知よ! みんな捕まって!」
 麗夢がぐいとアクセルを踏み込み、ハンドルを急に右に切る。榊から見れば無茶としか言い様のない強引な機動で、魔物の残骸をすり抜ける。助手席の鬼童や後部座席の榊、ヴィクターが必死にしがみついてGに耐える中、タイヤの金切り声が甲高く公園の森を貫いた。榊は首筋にヒヤリとしたものを覚えながら、その音が相手の耳に届いてなければよいが、と祈った。怪獣は天守閣によじ登るのに気を取られていたのか、まるで振り返る景色もなく、大阪城に取り付いたままだ。だが、この現実世界に突然現れた夢魔の化け物達が、けして麗夢達を無視しているのではないことを教えてくれた。あの巨大な怪獣に移動したに違いない佐緒里=ROMは、まだ麗夢を自分の完全化と言う一大事業に対する脅威と認識しているのだろう。ならば麗夢は、少しでもプレッシャーをかけてその試みの足をすくうため、全力でその足元まで走りよるばかりである。
 プジョーの急激な機動に夢魔達の一団が不自然に引いた。そこをすかさずバルカン砲の弾丸が襲いかかり、包囲網の隙間を無理矢理こじ開ける。プジョーが更に地を蹴って反対側に文字通りはね飛び、その空隙に躍り込んだ。目ざとく数匹の夢魔が飛びかかってくるのを一気の加速で避け、辛うじてしがみついてきた一匹を、榊が殴りつけてはたき落とした。
 怪獣はようやく足がかかり、体重を大きく移動させて大阪城その物にしがみついていた。昭和六年竣工の大阪城は、時ならぬ激震にその老躯を身もだえつつも、倒壊することなく辛うじてその体重を支えきったようだ。束の間の安堵が榊の口を漏れる。
 とうとう怪獣は、その最頂部を蹂躙しつつ、天守閣そのものをイス代わりにして腰掛けた。足をぶらぶらさせて、時折城の外壁にかかとを叩き付けている。その部分の漆喰壁は既に大半が崩落し、車が突っ込めるほどな孔が開いたところもある。今はまだ城の外観を辛うじて保っているが、早晩大阪城は夏の陣以来の惨状を呈するのは間違いないと榊には思われた。



「シェリー……」
 その手の中に、目ざとく愛らしい姿を捉えたヴィクターが、険しい表情で呟いた。目を閉じ、ぐったりしている様子からは生死の程は分からない。だが、ヴィクターはそんなことは考えたくもなかった。どうすればいいのか見当も付かないが、何が何でも救出しなければならないと言う決意は誰にも劣るものではない。
 だが、そんなヴィクターの決意を嘲笑うかのように、また別の夢魔の一団が目ざとく麗夢のプジョーを見つけ、続々と押し寄せてきた。
「もう! しつこいったら!」
 思わず文句を言う麗夢に、榊が心配げに問いかけた。
「しかしどうするんです麗夢さん! このままでは怪物に取り付く事もままならない」
「少しでも薄いところを探しているんだけど、なかなか突破できそうにないのよ」
 麗夢の脇で、アルファ、ベータが共同して霊波探知レーダーなどプジョーの特殊装備を駆使し、少しでも夢魔達の邪魔が入りにくいルートを探している。携行弾数わずか750発のバルカンがここまで保っているのも、ひとえにその避け方が功を奏してきたからなのだ。だが、その源に近づくにつれて敵の攻撃は激しくなり、こちらも相応に応戦する必要もあって、攻撃能力は時と共に低下せざるを得ない状況にあった。
 「ワン! ワンワン!」
 切迫したベータの声が、バルカンの残弾数100を報告する。後部のミサイルポッドも残りは3発だ。あの怪獣に立ち向かうためには、これ以上弾は無駄に出来ない。だが、これ以外に使える武器は、麗夢自身が左脇のホルスターに携行する、対妖魔用にチューンされた拳銃が一丁と、皆の肉体しかない。それも榊ほどの手練れならまだしも、鬼童、ヴィクターには肉弾戦などまるで期待出来るものではなかった。
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