出張疲れ+夏バテによる不調から、どうやらようやく回復したようです。一昨日強烈に痛みを発した胃はもうほとんど問題なく、昨日、ふらつくようなめまいを伴った頭痛もかなり治まりました。とは言え、症状がなくなったからと油断しているとすぐ悪化して元の木阿弥になることもままあるので、しばらくはしっかり薬を飲んでおく必要があります。でも何より大事なのは休息で、早寝してゆっくりじっくり熟睡するのが何より一番効きますので、休みだからと夜更かししないよう気をつけないとなりませんね。
さて、そんなわけで仕事をサボった、のではなく、労働者の権利として認められた休みを消化した一日だったわけですが、体調も回復してきたこともあり、かねてより気になっていた映画をこの際観に行くことにしました。何より、今日は近所のシネコンが男性千円のサービスデーなので、昨日までの症状から考えると多少冒険になる、2本連続鑑賞に臨んだのでした。
まず1本目は「火天の城」。「エヴァ」の時だったか、はたまた「ディケイド」だったかは忘れましたけど、映画を観に行ったときの予告で、これは結構面白そうだな、と感じたので、公開されるのを待っていたのです。なんといっても戦国時代の話で、城作りに焦点を当てたところが今までに無いもので、始まりから終わりまでただひたすら城を作り続けている(ように感じた)内容に、痛く興味を引かれたのでした。
かつて我が国には、東大寺大仏殿を始め、多くの巨大建築を生み出してきた、世界でも類を見ない超高度な技術を駆使する木造建築家集団がいました。しかし、その後その雄大華麗な建築技法は忘れられ、数百年間高層建築を手がけないまま過ごしてきた子孫達の時代になって、時の権力者が前代未聞の超高層建築を構想します。その名も安土城。構想立案した絶対専制君主織田信長に対するは、天才建築家、熱田の宮番匠岡部又衛門。
そんな話に期待されるのは、壮大華麗な建築物、それを作り出すまでの想像を絶する苦労と予想だにしない数々の技術上の困難。時に天災に見舞われ、時に事故が襲って仲間が次々倒れ、完成が絶望視される中、ただ一人、完成を信じて皆を鼓舞し、率先して作業に没頭する棟梁。そして、その姿に打たれ、類まれなる技術と根性と努力で乗り越えてついに完成を手繰り寄せる技術者達。そんな熱いドラマを期待して観に行ったのです。
ですが、期待は三分の一くらいしかかなえられなかった気がしました。建物はもちろんヒトが関係しあって生み出すのですから、人間ドラマは無くてすむはずがなく、時に反発しあいながらも成長して行く関係、というのも、見ていて気持ちのよいものです。ですが、この映画にはそういう必須の人間劇以外のドラマが余りに多く盛り込まれすぎている、という風に感じました。それが、肝心の「安土城建築」という主題をぼけさせているように見えて仕方なかったのです。見ていると、恐らくは空前絶後の苦労の連続だったように想像される安土城が、いとも簡単に組みあがって行くように見えてなりませんでした。もちろんスペクタクルといってよい事故もあります。でもそれは、城の建築とはあまり関係の無い話で、おまけに信長を狙う刺客の乱入というおまけつき。はっきり言って不要なエピソードにしか見えませんでした。その上、何か古臭い邦画を見るかのような安っぽいお涙頂戴劇。まるで「感動せよ」と押し付けがましく見せられているようで、どうにも不愉快さがぬぐえませんでした。
私としては、どうして余分な人間ドラマなどばっさりそぎ落として、「お城建築」というそれだけで十分おなか一杯になりそうな話をもっともっと掘り下げなかったのか、と、不思議でなりませんでした。妙な感動劇に仕立てなくても、ドキュメンタリーなタッチで淡々とお城作りを捉えるだけでも、十分面白く感動的な絵になったんじゃないか、と観ながら何度も思いました。
かなり辛目の評価なのは、その後観た2本目の出来の良さに感激してしまったからかもしれません。今日は夜もふけて参りましたので、その感想は明日まとめるといたしましょう。
さて、そんなわけで仕事をサボった、のではなく、労働者の権利として認められた休みを消化した一日だったわけですが、体調も回復してきたこともあり、かねてより気になっていた映画をこの際観に行くことにしました。何より、今日は近所のシネコンが男性千円のサービスデーなので、昨日までの症状から考えると多少冒険になる、2本連続鑑賞に臨んだのでした。
まず1本目は「火天の城」。「エヴァ」の時だったか、はたまた「ディケイド」だったかは忘れましたけど、映画を観に行ったときの予告で、これは結構面白そうだな、と感じたので、公開されるのを待っていたのです。なんといっても戦国時代の話で、城作りに焦点を当てたところが今までに無いもので、始まりから終わりまでただひたすら城を作り続けている(ように感じた)内容に、痛く興味を引かれたのでした。
かつて我が国には、東大寺大仏殿を始め、多くの巨大建築を生み出してきた、世界でも類を見ない超高度な技術を駆使する木造建築家集団がいました。しかし、その後その雄大華麗な建築技法は忘れられ、数百年間高層建築を手がけないまま過ごしてきた子孫達の時代になって、時の権力者が前代未聞の超高層建築を構想します。その名も安土城。構想立案した絶対専制君主織田信長に対するは、天才建築家、熱田の宮番匠岡部又衛門。
そんな話に期待されるのは、壮大華麗な建築物、それを作り出すまでの想像を絶する苦労と予想だにしない数々の技術上の困難。時に天災に見舞われ、時に事故が襲って仲間が次々倒れ、完成が絶望視される中、ただ一人、完成を信じて皆を鼓舞し、率先して作業に没頭する棟梁。そして、その姿に打たれ、類まれなる技術と根性と努力で乗り越えてついに完成を手繰り寄せる技術者達。そんな熱いドラマを期待して観に行ったのです。
ですが、期待は三分の一くらいしかかなえられなかった気がしました。建物はもちろんヒトが関係しあって生み出すのですから、人間ドラマは無くてすむはずがなく、時に反発しあいながらも成長して行く関係、というのも、見ていて気持ちのよいものです。ですが、この映画にはそういう必須の人間劇以外のドラマが余りに多く盛り込まれすぎている、という風に感じました。それが、肝心の「安土城建築」という主題をぼけさせているように見えて仕方なかったのです。見ていると、恐らくは空前絶後の苦労の連続だったように想像される安土城が、いとも簡単に組みあがって行くように見えてなりませんでした。もちろんスペクタクルといってよい事故もあります。でもそれは、城の建築とはあまり関係の無い話で、おまけに信長を狙う刺客の乱入というおまけつき。はっきり言って不要なエピソードにしか見えませんでした。その上、何か古臭い邦画を見るかのような安っぽいお涙頂戴劇。まるで「感動せよ」と押し付けがましく見せられているようで、どうにも不愉快さがぬぐえませんでした。
私としては、どうして余分な人間ドラマなどばっさりそぎ落として、「お城建築」というそれだけで十分おなか一杯になりそうな話をもっともっと掘り下げなかったのか、と、不思議でなりませんでした。妙な感動劇に仕立てなくても、ドキュメンタリーなタッチで淡々とお城作りを捉えるだけでも、十分面白く感動的な絵になったんじゃないか、と観ながら何度も思いました。
かなり辛目の評価なのは、その後観た2本目の出来の良さに感激してしまったからかもしれません。今日は夜もふけて参りましたので、その感想は明日まとめるといたしましょう。