かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

危うく雨中パンクで立ち往生するところでした。

2008-05-19 22:44:39 | Weblog
 今日は午後から雨、ということだったので覚悟はしていたのですが、雲が広がりつつも空模様は案外にもって、帰りも何とかひどい雨に遭うことなく家までたどり着きました。ただ、帰り間際にたるんでいたチェーンを引っ張って張りを戻さねばならなかったため、かなり焦りました。なにせ、空は見る間に雲が厚く暗くなっていきますし、できれば面倒なので合羽は着ずに済ませたいし、かなり延びていたチェーンをちょうど良い張りにするのが難しいし、といって適当な張り具合で走ってはかえってチェーンの寿命を縮めてしまいますし、そんなこんなで走り出すまでかなり気が気ではありませんでした。その上、念のためチェックした後輪にぐっさり長さ8ミリほどの針のような金属片が突き刺さっているのが見つかり、それを引っこ抜くのにも時間をとられてしまったのが痛かったです。でも、チェックしておいて本当に正解でした。その金属片はタイヤの中央のみぞの真ん中にほぼ垂直に突き刺さり、頭1ミリだけが出ていたのを発見したのです。溝の部分はタイヤでも一番薄い部分ですから、もう少し深く入っていたら、更に先端がとがっていたなら、中のチューブにも突き刺さり、確実にパンクしていたことでしょう。また、今パンクしていなくても、走行中に更に深く刺さり、やがては内部のチューブまで届いていたことは想像に難くありません。この段階で気づいたのはまさに僥倖というべきもので、多少出発を遅らせても発見した価値はありました。まあこれで途中大雨にあったりしていたらそれはそれで自分の不運を嘆いていたことでしょうが、雨とパンクの両方にあっていたらそれも走行中空気が抜けたりしたなら、場合によってはそれどころではすまなかったかもしれません。
 後はひたすら雨が降らないことを祈りつつ夕闇迫る中を走り、ちょっと降られはしたものの、そう濡れることなく家までたどり着きました。多分明日は朝から雨の中を走ることになるでしょうが、朝から生乾きの合羽やグローブをつけずに済んだのはありがたいと思います。

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サボテン開花記念、ではないのですが、短編小説をアップしていきます。

2008-05-18 20:26:10 | サボテン
 この間和歌山で買って来たサボテン『緋花玉』がようやく咲きました。まあ咲いたのは多分金曜日くらいからだろうと思いますが、ちょうどお昼ごろにしか満開にならないため、確認は今日になってしまったのです。自分の身体よりも大きい、光沢のある花弁を目いっぱいに広げた姿は、目が覚めるようなという形容詞がぴったりなほど綺麗な花です。花は多分明日明後日にはしぼんでしまうと思いますが、何とか元気に育てて、また来年も一段と多くの花を楽しませてもらいたいものです。

     


 さて、新作の短編小説を公開するにあたり、今日はとりあえずその前編に当たる部分をアップいたします。まあすでにサイトのほうでは公開済みのお話ですので、ご存知の方は新作お披露目まで今しばらくお待ちいただきたいと思います。
 内容は、ビデオ「ドリームハンター麗夢 夢の騎士達」その後、という感じで、美奈ちゃんが残っていた夢魔の女王の鏡を発見するところから始まります。



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短編小説『鏡の悪戯 前編』 その1

2008-05-18 20:26:01 | 麗夢小説 短編集
 夢魔の女王の陰謀も記憶の片隅にすっかりファイルされた頃、その『事件』は起こった。ヨーロッパでの一騒動や、「夢サーカス」の事件でてんてこ舞いした後の虚を突かれたと言えばそうかも知れない。麗夢は自分の油断にほぞをかみながら、目の前の危険な混乱を、成す術なくただ呆然と見つめていた。
 
 事の発端は、麗夢が久々に美奈の訪問を受けた所から始まった。美奈の訪問、それは互いの異能に立脚した、夜の逢瀬である。夢魔の女王を滅ぼしてからしばらく、麗夢はアルファ、ベータと共に夢の中で美奈のリハビリに付き合っていたのであるが、それがすっかり必要なくなってからも、こうして夢の中でおしゃべりするのを楽しんでいるのだ。この日もそんな日常から始まったのであるが、話の拍子に夢魔の女王の事が出てきたのが運の尽きであった。
「夢魔の女王の鏡?」
 美奈の何気ない一言に、麗夢の眉が軽くひねり上がった。
「そんなものが、まだ残っていたの?」
「ええ」
 病院にいた頃とは見違えるほど元気になった美奈が、少し不安げに頷きながら、昨日見た夢の話を麗夢に聞かせた。
「初めはそこがどこか判らなったんだけど、あの夢魔の女王がいるような、いやな感じがしたの。そしたらその鏡が目の前にかかっていて……」
 夢魔の女王は確かに滅ぼしたはずだ。だが、あれは世の女性達の嫉みや妬みなどの負の感情が結晶した夢魔だった。つまり、世に女性がいる限り、夢魔の女王がいつ復活してもおかしくは無い。しかも、その持ち物がまだ残っていたとなれば、そんな器物を基に再生したりするのかも知れない。そうなればこれはゆゆしき事態である。
「そんな鏡は早く壊しておいた方がいいわ。いきましょう美奈ちゃん。アルファ、ベータ、あなた達は外から不穏な気配が動かないか、見張っていて頂戴!」
「にゃーん」
「ワン、ワンワン!」
 さっきまで美奈のところでじゃれ合っていた小さな毛玉が二つ、それぞれ愛らしい尻尾を振って返事をした。
「じゃあお願いします。麗夢さん」 
 あの部屋の気配に不安を抱いていた美奈は、
大喜びで麗夢の案内に立った。

 それは、姿見という名に相応しい大きさの、逆三角形をした鏡だった。上部に直線の亀裂が幾つも走り、装飾も古風だったが、主を失った空虚な暗闇に、それだけがぽっかりと浮かび上がっているのは、一種異様でもある。そのせいか、空間自体に息苦しさを覚える不安が満ちあふれているようにさえ感じられた。だが、慎重に鏡へ近づいてその表面にそっと手を触れた麗夢は、すぐに想像していたほどの危険はないことに気が付いた。確かに何か力を隠し持っているような気配はあるが、それにしたところであの夢魔の女王には遠く及ばない微弱さだ。
 麗夢は小さくほっと一息を付くと、すぐ後ろで不安げに佇むお下げの少女に振り返った。
「今のところ差し迫った危険はないわ。でもちゃんと壊しておいた方がいいと私は思うの」
 麗夢の言葉に、美奈も胸をなで下ろして笑顔をようやくほころばせた、その時である。
「ちょっと待ったぁ!」
 びくっと肩を震わせた麗夢が、反射的に脇のホルダーから愛用の拳銃を抜き放つ。その黒光りする危険な銃口を突きつけられた相手は、思い切り万歳をしで、ひっと息を呑んだ。
「あ、貴女は……、夢見さん?」
「麗夢ちゃん、いきなり酷いよぅ」
 呆気にとられつつも銃を下げた麗夢に、夢見小僧は苦笑を浮かべつつ手を下ろした。
「だっていきなり背後から叫んだりするから、てっきり夢魔でも出てきたのかと思って……、って、一体どうやってこの夢の世界に?」
「いやぁ、『仕事』中何げに鏡覗いたら、いつの間にかいたのよねぇ。ほんと、私にも訳わかんないわ。まあそんなことはともかく、ねえ、麗夢ちゃん!」
 つり目な大きな瞳がキラリと光った。これは危ないかも、と麗夢の心に不安がよぎる。案の定、つかつかと鏡に歩み寄った夢見小僧は、つるりとしたその表面に右手を添えながら、麗夢に振り向いて言い放った。
「この鏡、私に頂戴!」
 あ、始まった、と麗夢は思った。夢見小僧は夢が関係するアイテムを狙う泥棒で、警視庁からは怪盗241号という符号で指名手配されている。ただ、世間的には神出鬼没な仕事ぶりから名付けられた、「怪盗夢見小僧」という令名の方が圧倒的に通りがよい。その怪盗としての食指が、この夢魔の女王の忘れ形見に舌なめずりして見せたというわけである。
「駄目よ夢見さん。これはすっごく危険なものかも知れないのよ?」
「だって麗夢ちゃんもさっき大丈夫だって言ってたじゃない」
「だからといってはいどうぞ、とは言えないわ。第一、ホントにただの鏡だったら、夢見さんちに粗大ゴミが一つ増えるだけじゃない」
「わ、私の収集物はゴミじゃないわよ。でも確かにただの鏡ではしょうがないかも……」
「麗夢さん、鏡を見て!」
 突然割り込んできた美奈の一声に、二人は驚いて振り返った。すると、さっきまで麗夢と夢見小僧が映していた鏡が、急に暗くなって渦をなす雲の様なものを浮かべ、その中央に一対の目が現れたのである。
「あ、やっぱりただの鏡じゃなかった!」
 夢見小僧が小躍りして胸の前で手を合わせた時、鋭くも陰惨な気配を宿らせる、まがまがしさに満ちた視線が、相応しい暗い声で語りはじめた。
 『私めは魔法の鏡でございます。さあ、何でも望みのものを見せて差し上げましょう』
「このっ!」
 麗夢がさっき夢見小僧に向けたばかりの拳銃を、改めて鏡に突きつけた。
「待って麗夢ちゃん! 壊すのはいつでも出来るわよ!」
「どいて夢見さん!」
 慌てて銃口を遮ろうとする夢見小僧と、とにかく破壊しようと言う麗夢がもみ合う中、はらはらしながら見守る美奈に、直接鏡が話しかけてきた。
『お嬢さん、貴女が見たいモノは何?』
「え、え、私?」
 美奈が口ごもると、にやりと笑ったように鏡の目がすうっと細くなった。
「かしこまりました。『この世界で一番美しいのは誰か』でございますね?」
「え、私まだ何も言ってない……」
『どうぞご安心下さい。私めに投げかけられる質問は、ほとんどそれなのですから』
 まだ目を白黒させている美奈を置いて、鏡の目が更に細くなって、雲の渦の中に消えた。
 ふと気づくと、夢見小僧が美奈に向けてウィンクしてにっこり笑った。
「まったくもう!」
「だって鏡よ鏡、って言ったら、これが定番だよね?」
 曖昧に頷く美奈に、麗夢も一旦は諦めて、渦なす雲を見守った。やがて鏡の表面が晴れて、一人の少女の姿が浮かび上がってきた。
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短編小説『鏡の悪戯 前編』 その2

2008-05-18 20:25:49 | 麗夢小説 短編集
「……麗夢さんだ」
「ほんと、麗夢ちゃんみたい……。でもこの格好はなに?」
 それは、夢戦士の姿で剣を振り回す麗夢の姿であった。美奈は夢魔の女王の一件で既に見ているが、夢見小僧は初めてである。
「私の夢の中での戦闘スタイルよ!」
「でも、何となくプロポーションが良すぎる気がするんだけど」
 首をひねる夢見小僧に、麗夢は少し顔を赤らめながら言った。
「き、気のせいよ! それよりもういいでしょう? 壊すからそこどいて、夢見さん!」
「駄目よまだ! 私、麗夢ちゃんが1番て納得いかないもの!」
「はぁ?」
 麗夢が呆れてため息を付く間に、夢見小僧は鏡へ新たな質問を投げかけた。
「本当に麗夢ちゃんが夢世界一の美女なの?私にはそうは思えないのだけれど」
 すると鏡はいったん元の渦巻き雲状態に表面を整えると、目を開いて夢見小僧に答えた。
『どうすれば御納得いただけますか?』
「そうねぇ……」
 夢見小僧はうーんと唸って腕を組み、やがてそうだ、と手をぽんと打つと、満面の笑みでこう言った。
「候補者を集めて決めましょ。題して『夢世界美人コンテスト』! それで一番になったんだったら、私も納得できるわ」
「出来るわけ無いじゃないそんなとんでもないこと!」
「出来るわよ。ねえ鏡さん、私をこの世界に引き込んだんですもの。それくらい訳ないでしょ?」
『もちろんです。私の魔力は、現世でも冥界でも、届かぬところは一つとしてありません』
「じゃあ早速呼び出して。候補者をここに勢揃いさせるのよ」
『かしこまりました』
 鏡の目がすっと細くなり、背景の雲が、一段と速さを増して暗い渦を描き出した。急激に高まった闇の力が、肌を逆なでするような無音の圧力を伴って、麗夢達の心を圧迫する。だが、それもほんの数秒のことだった。麗夢が危険を覚えてやはり破壊すべし、と決心する直前、唐突にその圧力が失せ、大勢の人間がたむろするざわめきが、3人の背後に出現したのである。
「わぁお・ これは大勢いるわ」
「す、すごい……」
 そこには、二人には面識のない様々な姿格好をした少女達がたむろしていた。だが、麗夢にはその顔一つ一つに見覚えがあった。いや、強烈な記憶で心に焼き付いていると言ってもいいだろう。何故なら彼女らは、麗夢のかけがえの無い味方であり、かつて助けたクライアントであり、そして、制圧に困難を極めた「敵」だったからである。それも半分以上は、既にこの世にいないはずのモノだ。どうして、と聞こうとして、麗夢は思い出した。魔法の鏡は言ったではないか。現世と冥界とを問わず、と。
 そうして惚けている内に、麗夢から見て最前列にいた一人の少女が、バスタオル一枚と言うあられもない姿で麗夢に飛びついてきた。
「麗夢さま! やっとお会いできましたわ!」「ヒッ! あ、貴女、豪徳寺美雪、さん?」
「イヤですわ、そんな他人行儀。どうぞ美雪、とお呼び下さい」
 美雪は、たじろぐ麗夢の首に手をしっかと回し、やんわり抑えるくらいでは到底離れそうにない。
「ど、どうでもいいけど少し離れて、豪徳寺さん……」
「だから美雪とお呼び下さいな。私のファーストキスを奪ったお方、あの感動は一生忘れませんわ!」
「貴女、麗夢ちゃんとキスしたの? ずっるーい! 麗夢ちゃん、私にもしてぇ」
 いつの間にか、豪徳寺美雪の反対側から見覚えのあるブレザータイプの制服を纏った女の子が一人、抱きついてきた。
「巻向静香さん?!」
「な、何て馴れ馴れしい! 私の麗夢さまに抱きつかないで!」
「いやよぅ。貴女こそお邪魔なのよ」
 猫なで声の間延びした言葉遣いが、かえって相手の感情を効果的に逆なでする。豪徳寺美雪は、きーっ!と真っ赤になって怒りつつ、
反対側から一層強く麗夢に抱きついた。
「静香さん、話がしにくいから少し遠慮なさい」
「あ、あっぱれ4人組……」
 見ると南麻布女学園古代史研究部部長、荒神谷弥生と、その横に眞脇由香里、斑鳩日登美の二人が並んで立っている。弥生は、ずり落ちかけた眼鏡に手を添えながら、麗夢に言った。
「あっぱれ言うな! それより私達こそお伺いしたいわ麗夢さん。折角『根の国』で復活のための儀式を遂行していたのに、突然こんなところに呼び出されて。一体ここはどこなんですの」
 すると、その後ろから、冷ややかな視線で睨み付ける美少女が言った。
「私も是非伺いたいわね。地獄で今度こそナンバーワンになる予定だったのに、急にこんなところに連れてこられたら迷惑なのよ」
 その隣には、突然の出現に目を丸くしたまま固まっている双子の片割れ、高宮陽子が、思わず声を漏らしていた。
「……き、鏡子が生き返ってる……」
 更にその横で、見事な金髪にピンクのリボンをウサギの耳のように立てた少女、ROMが、けらけら笑っていた。
「あーそれ、あったしも知りたいなっ! れーむちゃん」
「あ、あの、どうなっているんでしょうか?」
いつの間にか美奈のとなりに寄り添うように、一人の少女が青い目に不安げな色を浮かべて立っていた。年の頃は美奈よりも少し下位の、若草色のスカートにエプロンドレスを纏う美少女、シェリー・ケンプである。
「率爾ながら、私も事情を伺いたいのですが……」
 更に美奈を挟むようにして、一人和装の美少女が立っていた。美奈は夢御前麗夢(れいむ)の横顔と麗夢の顔を交互に見比べ、あまりの相似に目を丸くして驚いている。
「麗夢さん、これって事件なの?」
 彼女達から少し離れた脇に立つ、ポニーテールの少女が言った。その隣の、年格好がよく似ている女の子も続けて声をかける。
「あのう、私、早く帰りたいんだけど」
「榊ゆかりさんと白川哀魅さんまで……」
 オウム返しに麗夢がその名を呼ぶと、二人は困惑しつつも曖昧に笑みを浮かべた。そして最後に残った一人が、きょろきょろと自分の姿を見回したり腕を鼻に近づけたりした後、悲しげに麗夢に言った。
「にゃあ」
「あ、貴女もしかして、アルファ? 一体どうして?」
「にゃあ!」
 名前を呼ばれたのがうれしかったのか、何故か姿はすっかり人間の女の子になったアルファが、喜色満面で飛びついてきた。麗夢は無理矢理抱きつこうとする三人にもみくちゃにされながら、心底途方に暮れた。何てことだ……。アルファまで人型になって召還されるなんて……。
『ム○クの2に人間体の姿がありましたので、モノは試しとその姿でお呼びいたしました』
 麗夢は、目の前が暗くなるのを覚えて、天を仰いだ。
「エー、皆さんご静粛に! 今からこの事態について説明いたしまーす! ちなみに私は最初にここへ召還された者で、夢見小僧と言います! 麗夢ちゃんとは探偵と怪盗でライバル関係してまーす!」
 夢見小僧が、いつの間にどこから取り出したのかリンゴの木箱の上に立ち、マイク片手に自己紹介しつつその場を仕切りはじめた。
「……と、言うわけで、この魔法の鏡さんの力でもって、皆様にお集まりいただきました。つまり、私も含めてここに集う皆様が、熾烈なる予選を勝ち抜いて決勝進出を果たした、自他共に認める夢の美女達、というわけです」
 夢見小僧が締めくくると、おぉ、とどこからともなく小さなどよめきが生まれた。皆、相応に自分の容姿には自信のあるものばかり。そう言われて気分の悪かろうはずはない。
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短編小説『鏡の悪戯 前編』 その3

2008-05-18 20:25:37 | 麗夢小説 短編集
「では、どうやって一番を決めるか、皆様のご意見をお聞かせ『お待ちになって!』?」
 夢見小僧の提案を遮って、胸の前で腕組みして仁王立ちしていた荒神谷弥生が声を上げた。
「な、なんでしょう?」
 まさかこの時点で横槍が入るとは思っていなかった夢見小僧は、少し慌て気味に問いかけた。すると弥生は、一歩前に身を乗り出すと、意を決したようにこう宣言した。
「せっかくですが、私達4人は辞退します」
「「「え~っ!!!」」」
 部長の思いもかけない発言に、部員3名のブーイングが見事にハモった。
「ちょ、ちょっとぶちょお! それどういう意味?」
「面白そうじゃないのよぅ」
「そうそう! 辞退なんてもったいないって」
口々に反対する3人に、弥生は有無をいわさず言い返した。
「皆さん! こんな原日本人の美の理想とはかけ離れた姿で、どの面下げて美人コンテストなどに出られるとお思いなのです!」
「そんな事思ってるの、部長だけだよぅ」
「そんなら部長だけ帰ればいいじゃん」
「お願い部長。考え直して」
「お黙りなさい!」
 未練たらたらな三人の懇願を、弥生はぴしゃりとはねつけた。
「第一私達にはこんな茶番にお付き合いしているヒマはないわ! さあ、帰りましてよ皆さん!」
 とりつく島もない弥生になおも3人は食い下がったが、一度言い出したら聞かないリーダーの性格は死んでも変わりないようだった。
「じゃあね麗夢ちゃぁん」
「復活したら、一番に会いに行くから」
「麗夢ちゃんの方がきてくれてもいいんだよ。待ってるからね!」
 こうして南麻布のあっぱれ4人組は、何やら物騒な言葉を残して「根の国」とやらに帰っていった。一部始終を唖然として見送った夢見小僧は、4人が消えたところでようやく気を取り直し、再びマイクを手にとった。
「では、辞退された方も出ましたけど、気を取り直して進めて参りましょ『お待ち下さい』……って、また?」
 声のした方を見ると、美奈の隣で端然と佇んでいた古風な衣装の美少女が、麗夢にそっくりな瞳で夢見小僧を見つめていた。
「私も辞退して早々に戻りたいのですが」
「ど、どうして! 貴女はこの中でも最有力候補の一人なのよ?!」
 鏡が言う一番は綾小路麗夢その人であるが、夢御前様は、顔かたちがそっくりである。しかも立ち居振る舞いの優美さや全体に醸し出されるおしとやかな雰囲気は麗夢には無い。この好カードを失うまいと夢見小僧は必死に慰留したが、夢御前様の決意は揺るがなかった。
「私は、智盛様にさえ「愛しい」と言っていただければそれで十分なのです……」
 ほんのり頬を染めてうつむき勝ちに答える夢御前様に、夢見小僧は何か既に決定的な敗北を喫したかの様な重い感じに囚われた。
「あ、そう言うことなら私も辞退するわ!」
「私も別にいい」
「私も帰りたいのですけど……」
 ほぼ同時に声を上げたのは、白川哀魅とロム、それにシェリー・ケンプ嬢の3人である。
「貴女達もなの?」
 呆れ顔で壇上から見下ろす夢見小僧に、3人は口々に言った。
「私、ハンスにご飯作ってあげてる最中だったのよ。早く戻らないと、彼、飢え死にしちゃうわ」
「あたしは屋代博士が一番カワイーって言ってくれてるからそれでいいの!」
「私も、ジュリアンにお花をあげないと……」
「そう、あなた達も「男」の方が大事ってわけね……」
 心なしか夢見小僧の声が震え、その笑顔が引きつっているかのように見える。
「……判ったわ。やる気のないヒトはいいわよ! もう!」
 投げやりな夢見小僧の一声に、それじゃ遠慮なく、と4人の美少女がその場から消えた。「あのう、私も辞退したいけど、いい?」
 おずおずと手を挙げて言った榊ゆかりを、夢見小僧はきっとにらめ付けた。
「何? 貴女も「男」?!」
 するとゆかりは、いいえと首を左右にブンブン振ってこう言った。
「私は夢の世界とは関係ないし」
「でも、死神と闘ってたじゃない!」
「あんなの、麗夢さんに助けてもらっただけよ。でもそうね、じゃあこうするわ。私、麗夢さんでいい。麗夢さんに1票入れる」
「あ、それなら私も、麗夢さんに1票入れます」
「もちろん私も、一番は麗夢さまに決まっていますわ」
 ゆかりの一言に、黙って事の成り行きを見守っていた美奈と美雪も声を揃えた。
「ニャニャっ!」
「アルファも私に一票だって」
「ニャっ!」
 呆れ顔の麗夢の首にまとわりつきながら、しゅたっと勢い良く手を挙げて、ヒト型アルファがにっこり笑う。
「貴女わっ。貴女達はどうなのっ?!」
 夢見小僧は、ただ一組残った双子の姉妹に縋る様な視線を送りつけた。
「き、鏡子、どうしよう」
「しっかりなさい陽子! もう、貴女がそんなだから私までこんな所に呼びつけられたんだわ。全く、いい迷惑ね!」
「ご、ごめんなさい」
 全く同じ顔同じ体つきなのに、かたやおどおどと視線を泳がせて及び腰の陽子に対し、死霊であるはずの鏡子の方が、自信満々で余程生気を発しているかに見える。
「あの~、姉妹喧嘩はいいから、質問に答えてくんない?」
 夢見小僧がおずおずと切り出すと、鏡子はようやく思い出したとでも言うように、夢見小僧を見た。
「どうでもいいのよ、こんなこと」
「へ? どうでもいい?」
「そうよ。世界一の美女なんて過去の話、私にはもうどうでもいいの! それに第一、一番なんて選んでもらうものじゃないわ。自分の力で勝ち取るものよ! だからとっとと帰して頂戴! はじめに言ったように、あたしは地獄の制圧に忙しいの!」
 どこまでも前向きな鏡子の発言に、陽子もしどろもどろながら帰りたいと告げた。
「私も夢の世界とはもう関係ありませんから。でもどうしてもと言うことでしたら、私も麗夢さんに1票入れます」
 すうっと二人の姿が消えていく。どうやら鏡が、二人の辞退の意志を汲み取ったらしい。
 続けて豪徳寺美雪とアルファの姿も消えていった。
「れ、麗夢さま! また、またお会いできますわよね! 麗夢さまー!」
「ニャーン!」
 それぞれ別れの一言を置いてかき消えると、残っているのは最初にここへきた3人だけとなった。
「どうするの、夢見さん?」
「……もういいわ一番は麗夢さんで。この鏡もらって私も帰る」
「え?」
「帰るって言ったの!」
 突然くわっと目を見開いて麗夢を睨み付けた夢見小僧は、手にしたマイクを投げ捨てると、鏡に飛びついた。
「でも、どうやって持って帰るんですか? 夢の中から」
「へ……?」
 美奈の何気ない一言に、夢見小僧は抱きつくように鏡へかけていた手を止めた。その頬に一筋、冷や汗が流れ落ちる。
「……あ、あなたの魔法で何とか」
『私めは夢魔の女王の呪いでこの場所から動くことが出来ません』
「そ、そんな、麗夢ちゃん」
 夢見小僧は麗夢に振り返ったが、麗夢も呆れたように首を振るばかりだった。
「あーん、何とかならないのぉ?」
 子供のように泣きじゃくりはじめた夢見小僧を見て、やれやれと麗夢は肩をすくめた。
「判った判った。でも、ほとんど魔力が無くなってただの鏡になっちゃうけど、それでもいい?」
「え? 持って帰れるようにしてくれるの?」
「特別に、ね」
「ありがとう麗夢ちゃん!」
 やっと3人の抱きつき攻撃から逃れた麗夢は、再びそれに勝るとも劣らぬ勢いで体の自由を奪われること暫し、ようやく解放されたところで、秘められた力を解放した。
「はああああああああっ!」
 夢の戦士に変身した麗夢が、その聖なる剣を天にかざし、夢の力を集積していく。その力で夢魔の女王の呪縛を断ち切り、更に鏡の魔力も加えて、現実世界にその姿を叩き出すのだ。鏡は、ハンス同様人畜無害な器物となって、夢見小僧のコレクションに加わることだろう。夢見小僧はその様子を見ながら、なるほど、やっぱり一番は麗夢ちゃんかな、と改めて感じ入ったのであった。
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2007年のCG

2008-05-17 20:25:06 | CG
 2007年に描いた麗夢ちゃん関連のCGをアップします。
 この年に特筆すべきは何と言っても関西の麗夢ファンの総力を結集して作り上げた「麗夢ちゃんタロット」ですね。全22枚のカードを手分けして、私を含め、8名の同志によって描き、その絵を7センチ×12センチのカードに印刷して製作しました。両面印刷でズレを少しでも少なくするために、印刷設定やイラレの画像を微妙にいじったり、カードとしてのコシが十分にあって発色が良くて安い紙を探してあちこちまわったり、とにかくプリンタのインクをもう鬼のように食うのでしょっちゅう補充したり、カードとしての仕上り具合を更にアップするために、角を丸く切り落とすカッターを見つけてきたり、と、今思えばよくこんなことしたな、と思うほどに大変な、でも非常に楽しい作業でした。


・バレンタイン
 この年のバレンタインはとにかく女性キャラをできるだけ出そう、と言うことで詰め込んでみました。他にもまだ出てないキャラもいるんですが、髪などのキャラの色が判らない方には遠慮してもらいました。また、下描き段階では高宮鏡子怨霊バージョンとか夢魔の女王なんかも入っていたんですが、主要キャラでかわいいのに絞る、ということにしてしまったので、結局この12名にまとめました。



・表紙絵
 この2枚は一時期サイトのトップを飾っていたものです。
 左は、コミックトレジャー参加宣伝、右は「かっこうの本棚」7周年記念の一枚でした。私としては珍しくまともな麗夢ちゃんの絵です(苦笑)。

   


・麗夢ちゃんタロット 『皇帝』色々
 私の担当した4枚のカードのうち、皇帝の絵です。
 最初はベータに冠とガウンを着せてはどうか、と思ったのですが、今ひとつ面白みがない、ということで、麗夢の作品の中で一番えらそうに見える恰幅の豪徳寺氏を最終的に採用しました。まあ美雪ちゃんを描きたかった、というのが描いた一番の理由なのですが。一番苦労したのは彼女の着ているカーディガンの模様。イラレで描いたのですが、とにかく細かい模様の繰り返しで、イラレにしてはファイルサイズがすごいことになってしまいました。あっぱら4人組+闇の皇帝は、当初これでいこうかとも思っていたのですが、下の「運命の輪」で4人組を使ってしまったため、ここはカードで描かれていなかった美雪を優先しよう、ということになりました。厄介だったのは闇の皇帝で、CDのブックレットにもそれほど多くの絵がなかったため、身体の模様などは縄文土器からデザインする、などかなりアレンジが入っています。この絵は後にDVD発売応援CGとして再利用しています。 

        


・麗夢ちゃんタロット『運命の輪』、『悪魔』、『月』
 『運命の輪』はこのタロット企画で私が最初に描いた絵です。タロットを作る、と決めた直後から、このカードは数奇な運命をたどったこの4人組で行こう、と考えておりました。いくつか下絵を描いたうち、卒業式風に校門前で並ぶ4人とこの芝生っぽいところで寝転ぶのとが残ったのですが、俯瞰の絵というのも珍しいか、と思い、こちらを採用しました。なお、下絵の並び絵は上の闇の皇帝バージョンで使ってます。
 『悪魔』は、一枚くらい麗夢ちゃんを描きたい、ということで、小説「夢サーカス美少女地獄篇」の挿絵にあった、空中ブランコの時の衣装の再現を試みました。
 『月』は、高宮姉妹をカードに採用することだけを考えて作りました。時間がもうあまり残っていなかったので凝ったことは何もできませんでしたが、他の方々ともあいまって、これで主要キャラが大体カードに収録できました。

        
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今時分は昼休みの散歩に絶好の季節といえます。

2008-05-16 22:57:24 | Weblog
 このところ、昼休みに軽く散歩などをしております。良い気候ではありますが、山の中で15分も歩いていると結構汗ばんできて、程よく疲れるウォーキングになります。ごくたまにスズメバチが近くを飛びぬけて行ったりして冷や汗をかくこともありますが、まあ今の時期はまだ巣作りに飛び回っているだけなので、めったなことでは攻撃してくることもありませんので、早々怖がる必要もなかったりします。それよりも、ちょうど今はウグイスの繁殖期なのかして、歩いているとあちこちから2秒とおかず例の独特な声で鳴き交わすのが聞こえてきます。微妙にそれぞれ声色が違っていて、見事なまでに青空に抜ける声があれば、まだ若いのか、おずおずとして尻切れトンボな聞くからに自信なさげなものまで、色々です。ウグイスというと、その鳴き声は「ホーホケキョ」、と相場が決まっているようですが、今日聞いた中で実際にそう鳴いていたのはこの自信なさげなの一羽だけで、他は大抵、「ホーーーホキェケキョ!」というように、ホーの部分がかなり長く、その後、ケキョの部分が少し複雑に鳴きます。また、キェ、よりはチェに近いように聞こえるので、耳にした感じでは「ホーーーホチェケキョ!」とでも鳴いているように聞こえるのです。何でもこの鳴き声はオスが縄張りを宣言するものだそうですが、してみると我が職場周辺は、何羽ものウグイスが群雄割拠して鳴き争っている、というような激戦区なのかもしれません。
 また、たまにはこんなのも見ます。


道の真ん中を堂々と横切って行った、体長1.5mほどのシマヘビです。カメラを構える寸前まで頭が見えていたのですが、シャッターが下りた瞬間には、身体半分道から外れ、尻尾のほうだけしか見えませんでした。
 他にもトンビが悠然とすぐ近くを舞っていたり、キジとか野ウサギとか色々出てくることもあるので、毎日同じルートを歩いていても、あんがい厭きることがありません。まあもう少ししたら熱くて昼間は歩いていられなくなりますから、こうしてのんびり昼休みカメラを提げて歩き回ることができるのは、今だけの楽しみですね。

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もうすぐ咲きます。

2008-05-15 22:24:01 | サボテン
 このところ朝夕寒かったのが今日は大分マシになっていました。ちょうど今くらいがバイクで走っていて気持ちのよい気温なのだと思います。もう少ししたらこれが信号待ちしているだけでサウナに入っているような気分にさせられる季節になるのでしょう。今のこの時を存分に味わいたいものです。

 さて、今日はこの間和歌山で買ってきたサボテン「緋花玉」のつぼみが、ようやく花開き始めましたので、写真を撮ってみました。

金属光沢のある赤い花弁がなかなかに美しいです。多分明日には確実に花開くことでしょうが、日中しか開かないので、確実に拝めるのは明後日の土曜日になりそうです。

ついでに、ようやくつぼみがあがってきたのを2つ、撮影してみました。

一つはノトカクタス属の青王丸。濃いベージュ色の毛に覆われた、大豆大のつぼみが3つついています。黄色い大輪の花が咲くのは、6月に入ってからでしょう。全部咲くかどうか、微妙なところです。


もう一つはギムノカリキウム属の海王丸。右側に豆のような緑色のつぼみが一つだけあります。これの白い大輪は結構見ごたえがあります。このまま行けばやはり開花は6月になると思われますが、ちとつぼみが小さいのが気にかかるところ。あんまり小さいつぼみは、結局咲かないままで季節が過ぎることもままあるのです。


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中国の地震、飢饉や暴動につながらなければいいのですが・・・。

2008-05-14 21:24:42 | Weblog
 中国の地震、危惧してはいたのですが、明らかになるにつれてどんどん被害が大きくなっていくみたいです。一体どこまで拡大するのか、わからないところが空恐ろしいですが、あんな山の中が震源地でこの被害ですから、万一もっと都会で起きた日には一体どうなることか、想像すら難しいものがあります。
 それにしても、まずは心配なのはまだ救出されていない方々の安否ですが、その次に心配なのは、この未曾有の災害が、暴動の引き金になったりしないだろうか、という不安です。こんなときでさえオリンピック聖火リレーをやめなかった、ということで非難を浴びているそうですが、それだけじゃなく、報道を見る限りでは被災者へ満足に食料や医薬品が届いていないみたいですし、もちろん水道や電気などのインフラもなく、被災者のストレスたるや相当なものがあると想像されます。今はまだ本震の衝撃から覚めやらず、余震恐ろしさにおびえている状況なのでしょうが、もう少したって落ち着いてきたところで病がはやったり飢餓が襲ってきたりしたら、被災者達は果たしていつまでおとなしくしているでしょうか。そうでなくてもすでに建物の手抜き工事に対して怒りの声が上がっていると聞きます。そのうちに食料品店、金持ち、そして地方政府高官などが標的となり、四川省全域が動乱状態になったりしたら、それはこの間のチベットよりもはるかに大きな危険をはらむ事態へとなり、文字通り、五輪どころではなくなるかもしれません。被災者救出に首相が陣頭で叱咤激励する様子は、そんな不安定要素を首脳陣がよく理解しているから、ということもあるんじゃないか、と思ったりいたします。
 まあここを乗り切ったとしても、中国の食糧危機は将来確実にやってくる話であり、その危機を時の政府が乗り切れるかどうかで、安定した超大国への道が開けるか、戦乱と分裂の歴史が繰り返されるかが決まるような気がします。そのとき我が国は果たしてどう生き残りを図るのか。中国からの食料輸入が完全にストップし、かの国への投資がすべて紙くず同然になる日が来たときにあわてないですむような方策を、今のうちから考えておいたほうがいいようにいつも思うのですが、果たして今の日本の指導者層やマスコミの方々は、どうお考えなのでしょうか。

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いつか自在に観たい夢が見られるようになりたいと思っています。

2008-05-13 20:39:17 | Weblog
 うーむ、眠たい・・・。
 寒いととりあえず眠くなるようで、まるで我ながら爬虫類みたいだな、と思わないでもないのですが、帰宅後夕食までの間、寒気のする部屋で思わずうとうとしてしまいました。
 さて、このところ、久々に『明晰夢』をみてやろうと思いたち、少しずつ訓練というか、明晰夢を見るための工夫を始めているのですが、それに先立ち、内容がしっかり記憶に留まるくらい、まずは夢そのものを確実鮮明に見られるようにならねばなりません。4月の間はなかなかできないでおりましたが、連休明けくらいから、何とか夢そのものが記憶に残るようになってきました。こうして更に夢が確実に見られるようになったら、次はその夢の中で、「これは夢だ!」と気づく必要があるのですが、今取り組んでいるのは、そのための訓練なのです。まあ訓練というほど大げさなものではなく、日常から、今自分が知覚しているのが現実なのか夢なのかを時々自らに問いかけ、夢特有のおかしな事象が生じていないかなどを確かめて、現実であることを意識的に認識する、というだけのことです。
 たとえば今日の夢でしたら、私は自分の服を大きなたらいで洗濯していたのですが、いつの間にか服を洗うのではなく、すりつぶしてスープ状に副を溶かすことに熱中するようになり、たらいから金属バックルの皮製ベルトが出てきて、さて、金属部分はどうしたものか、と悩む、というものでしたが、「たらいで洗濯」とか「服を溶かす」とかが尋常じゃない、と気づくことができれば、ほぼ確実に今時分が夢を見ていることを意識することができるのです。そこで、日常的に現実においてもあえて意識的に夢か現かを確かめるように努力していると、無意識的に(夢意識的に?)夢の中でもそれを確認するようになり、夢特有の異常現象を異常と感知しやすくなります。
 これは昔明晰夢を見ることができたときに試みて成功した方法ですが、過去においても成功したのはほんの数回ですから、これは明晰夢を見るためのきっかけに過ぎず、明晰夢を更に自分の望むままの内容にコントロールするには、もっと違う工夫がいるのかもしれません。昔の私はともかくすぐ成果が出ないとやる気がなくなる飽きっぽい人間でしたが、今は比較的気が長くなり、集中力は大分衰えたようにも思いますが、その分細く長く、こつこつ続けることができるようになってきた気がします。あくまで昔の自分と比べて、でしかありませんが、うまくいけば、かつての私よりも確実に夢見ることができるかも知れないと期待しているのです。
 ただ少し困ったのは、昔に比べて寝付きも悪くなり、どうも常日頃から寝不足気味な状態が続いていることです。質の良い夢は質の良い睡眠から得られるもの。何とか気持ちよく眠る工夫を重ね、一段と優れた夢見を実現したいものです。


 そんなわけで
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新しい薬で花粉症を押さえ込めたかも? と期待大。

2008-05-12 22:22:35 | Weblog
 連休前後からどうもすっきりしなかった鼻や頭痛ですが、今日は薬を替えてみましたらかなり症状が緩和されたのを実感いたしました。いわゆる抗ヒスタミン薬というアレルギー症状の特効薬ですが、今まで飲んでいたのは、睡眠薬か、と思うほどに大変に眠くなり、倦怠感や眠気が翌々日くらいまで残るという始末に悪いものでした。ところが、新しく手に入れたその薬はいわゆる第二世代型(分類により、第三世代という場合もあるそう)なのだそうで、今まで飲んでいたのと比較して、これが同じ種類の薬なのか? と疑いを隠せないほど、眠気はまるで生じませんでした。実は寝不足気味で朝は相当つらかったのですが、朝一にその薬を飲んで仕事に出て、一日問題なく通常業務をこなしていられたのは本当に驚きでした。それも、外でマスクなしで過ごしてもくしゃみもなければ目が痒いこともない、本当になんともなかったのですから、大したものです。まあ、今日は朝から冬に逆戻り? と思ってしまうほど寒い一日でしたので、その分花粉が飛んでいない可能性の分、割り引いておく必要があるかもしれません。これから週末にかけて、果たして今日の快適さが維持できるかどうかが評価の分かれ目となるのでしょうね。

 さて、中国四川省の地震、相当大変なことになっているんではないでしょうか。震源が地下10km、マグニチュード7.8という規模は、地下15km、M7.3という阪神・淡路大震災と比べても明らかに規模の大きい地震です。まあ都市直下型と違い、成都盆地北西の、数千メートル級の山々の連なるあたりが震源だそうですので一概には比較もできませんが、モンゴルでは手足口病が大流行しているそうですし、これがきっかけで中国西部で伝染病が多発したりするようなことになれば、おちついてオリンピックなどしていられるものではないかもしれません。
 それにしてもミャンマーといい、中国といい、このところアジアは災害に祟られどうしです。これが昔のかの大陸の考え方ならば、これは天の怒り、まさしく天譴と言う捉え方もありでしょう。かつての為政者なら、これは命を革める時が近いのかもしれない、と不安におののいたかもしれません。ならばこの日本とて安心はしてられないかも。パンダ2頭で懐柔される平和ボケぶりは十分八百万の神々の怒りを買うに値するかも知れませんよ。

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2006年のCG

2008-05-11 19:32:38 | CG
 2006年に描いた麗夢ちゃん関連のCGをアップしておきます。
 この年は枚数は少なく、特に夏以降1枚も描いていないのですが、夏にCD付の豪華版記念誌を出した際、アニメを一本作っておりまして、その際ざっと原画だけで120枚絵を描いております。そのためか後半は息切れした、というか、描くのが億劫になってしまったのかもしれません。
 前半は比較的がんばっていたようにも思いますので、どうもやる気というのは維持するのが難しいみたいです。


・年賀状
 そのまま年賀状です。振袖を描いてみたくなり、色々写真を集めたり絵柄を探したり苦労いたしました。本来なら頭も結い上げておきたかったのですが、着物の柄だけで力尽きてしまい、頭まで手が回りませんでした。


・バレンタイン
 「私を食べて(ハート)」というのは良くあるシチュエーションですが、麗夢ちゃんでもやってみたくなり、こんな絵柄にしてみました。リボンや袋の見本を探してネットをあちこち検索した記憶があります。



・バレンタイン2
同じくバレンタインでロムちゃん美奈ちゃんシェリーちゃんのろりろりなトリオ。まあこれも良くある内容で、要するにどの娘からもらう? てなわけですが、さあ、どうでしょうか(笑)。なお、ロムちゃんシェリーちゃんがエプロンドレスだったので美奈ちゃんもそうしようと思っていたのですが、どうもしっくりこず、思い切ってメイドさんにしてしまいました。あと、背景がうるさいですね。描いた当初はそう気にならなかったのですが、改めて見直して、これはちとやりすぎだ、と感じました。せめてもう少し透明度を上げるかすればよかったのかも。



・スキー
 ロムちゃんが颯爽と雪山を滑り降りてくるところ、というわけですが、頭のリボンをどうするか、結構悩みました。スキーでそんな頭のヒトはまずいないでしょうし、第一、あのウサ耳のように立ち上がったリボンが果たしてこういう状況でどう動くのか、判りかねたからです。まあこれは現実世界ではなく、ロムちゃんの住まうバーチャルな世界ということで、頭はそのまま、リボンは適当に流すという形で収まりました。割と気に入っている一枚です。



・春の表紙
イベントも一段落して季節にとらわれない表紙を一枚描こうとしてできた絵です。ありきたりではありますが、麗夢ちゃんのサイトであることを明示するにはまあよかったんじゃないか、と思っております。



・春の表紙2
 こちらも季節やイベントとは無関係の一枚にしたくて、描いて見ました。バレンタインでこの3人の組み合わせにしたのが思いのほか気に入ったので、これもこの3人で作ってみたものです。



・夏コミ告知
 かっこうにとっては最後夏コミケになった、2006年度の夏コミ告知看板です。文字抜きバージョンもあったのですが、これで文字を抜くと何がなんだか全くわからなくなるので、あえてそのまま載せてみました。麗夢ちゃんの物語の中では比較的高年齢な高校生3人トリオ。まあ豪徳寺美雪さんが高校生かどうかはわかりませんが、物語のために、同級生、ということになっていただきました。制服は、私の今は亡き母校のもの。学校の跡地はどうなっているのか、ちと興味もありますが、果たしてそこまで迷わずたどり着けるかどうか、実は自信がなかったりします。



2006年は以上です。あとアニメが一本あります。以前にもアップしてありますが、次いでですのでここにも載せておきましょう。






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クラークを読む。「3001年 終局への旅」について

2008-05-10 23:13:44 | Weblog
 今日は朝から眠気が強く、朝一応ほぼいつもどおりの6時過ぎに起きたのですが、メールや本を読んだりしているうちにいつの間にか眠りこんでしまってはまた起きて続きに取り掛かる、という状態で、昼過ぎまで夢うつつの中過ごしてしまいました。その上起きたらやたらと頭が痛いしむかつきがあるし、で、風邪でもひいたか、と葛根湯を飲み、夕食には我が家の定番料理であるにら餃子を大量に作って食べ、例によって半身浴で風呂をつかって、今の時点で、なんとか小康状態を保っております。恐らく一昨日からの花粉症の影響だろうとは思いますが、どうも今年は花粉症が強めに出るみたいで、今しばらく苦労させられそうです。

 さて、そんな中ではありましたが、「エスカフローネ」をいくつか鑑賞して、アーサー・C・クラークの「2062年宇宙への旅」と「3001年終局への旅」の二冊を相次いで読み終えました。
 クラークのこの2冊は、先に2001年を読み終えた後、書店で探していたのですが、いまどきの田舎の本屋さんはそもそもハヤカワSF文庫そのものがあまり置いてなくて、クラークの本となると更に少なく、見当たらないところのほうが多いくらいです。それが、「スレイブヒロインズvol2」を探し回っていたときに偶然発見でき、むなしく空手で帰るよりは、とその2冊をもってレジまで持っていったのでした。
 これで、「2001年」から始まるスペース・オデッセイシリーズ全てに目を通すことができたわけです。
 特に興味が引かれたのは、「2001年」で反乱を起こしたHALによって宇宙空間に投げ出されて殺害されたはずのフランク・プールが、千年後、冷凍仮死状態で海王星付近で発見・回収され、1000年のうちに大きく変貌した地球の軌道上で蘇生する、というお話が描かれた「3001年」の方でした。作品等で数々の未来予測を行い、あとがきによると、もっとも未来を的中させたSF作家として名高いクラークが、3001年、というはるかに遠い未来をどう描いているのか、大変楽しみだったのです。結果としてクラークが、たとえ千年先といえども、技術も科学も現代からの延長線上から逸脱しない範囲で描いている、というのがよくわかりました。たとえば、1000年後の地球人はもちろん、モノリスを生み出した超宇宙文明の主さえも光速を超えることはなく、物質転送も研究途上。人の寿命もどうやら200歳には届いていないようです。地球人類はまだ「2010年」で太陽化したかつての木星の衛星や金星までしか版図を広げていませんが、太陽系外延部にあるとされる彗星の巣オールトの雲までは氷を採取するために宇宙船が行き来しており、そこで拾い上げた氷をつかって、金星に海を作るテラフォーミングが実施されつつある、というような世界です。ワープも転送もどこでもドアも不老不死もない代わりに、重力制御技術みたいなものはできており、真空エネルギーをくみ出す技術にもめどが立っているようでした。
 こんな感じの本文でしたが、巻末の「典拠と謝辞」には、クラークの想像が単なる想像でなく、たしかな根拠を秘めた創造であることを示唆する話がたくさん出ています。古稀を超えてなお奔放な想像力を豊富で堅実な科学知識で引き締め、説得力ある未来像を生み出すクラークの創造力にはただ恐れ入るばかりです。今の通信衛星もこの作家が生みの親になったことを思えば、もっともっとその死は注目されるべきだったんじゃないでしょうか。これほどの人が亡くなったというのに追悼特集の一つもしない書店やマスコミはなにやってるんだか、と言いたくなるくらいです。

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今にわかに「エスカフローネ」にはまりなおしていたりします。

2008-05-09 23:26:56 | アニメ特撮
 どうも昨日あたりから鼻がムズムズとしてくしゃみが出やすくなり、目が痒くなってきています。スギもヒノキもすでに花粉は終わっておりますが、どうやらそろそろ次の一番厄介な花粉を撒き散らす、イネ科雑草の花が咲き始めているようです。スギやヒノキはくしゃみして目が痒くなるだけで大体すむのですが、イネ科の花粉は、それに加えて全身に発疹が生じ、身体がだるくなることがあります。一種のアナフィラキシーだろうと思いますが、なんにせよ、対処法がないのは困ったことです。唯一取れる対策は、マスク必須、肌の露出を極力抑え、かつ、草の類には近づかないこと。本当なら一切外に出ることなく生活できれば良いのですが、さすがにそうも参りませんので、しばらくの間は我慢するよりないでしょう。ところで、乳酸菌が効くのなら、とここ2ヶ月ばかり、毎朝プレーンヨーグルトにオリゴ糖を混ぜて食べていますが、少なくともアレルギーに対してはそれほど効いている、という実感がありません。老朽化して腸内細菌叢がなかなか良くならないのかも知れませんが、あんまり健康情報とやらに過度に期待するのも問題があるのでしょう。

 さて、そんなわけでなるべく外に出ることなく、この週末は過ごすつもりでいますが、今、ちょっとしたきっかけから、「天空のエスカフローネ」にはまっております。ちょうど「エヴァンゲリオン」の直後に始まった90年代のアニメですが、エヴァにはそれほどはまらなかった私は、このエスカフローネにはすっかりはまり込み、サントラCDを買ったりもして、当時相当熱を上げて観ていたものでした。それが、とある事情でオープニングを観る必要があって、最近の便利なネットを利用して観た訳ですが、それでまた当時の熱がすっかりぶり返し、今改めて全26話を見直しているのです。人の“想い”が世界を変える力となる、という世界設定。その力を利用してかつて失われた秘儀を復活させ、世界改編をたくらむ帝国の支配者の老人。その鍵を握る少女と少年、少年が操る「エスカフローネ」を初めとする、「ガイメルフ」と呼ばれるロボット達。中世っぽい世界を背景に、竜が重要な役割で出てきたりするのに、不可思議な魔法はなく、「絶対幸運圏」とか、「運命加速装置」とか、あくまで科学的に装飾された魔法っぽいものが世界を律するというのも面白いものでした。占いも重要な小道具になっているのが私には非常にはまりやすかったのかもしれません。
 でも何より、少年少女やそれを取り巻く人々の恋愛模様が世界の行く末に影響を与えるのを、支配者たる老人が望遠鏡のような運命を垣間見る装置でデバガメしながら一喜一憂する、というだけのお話を、これほど稀有壮大にくみ上げる創造力の凄さ。そして、主人公の機体エスカフローネはもちろん、ライバル役の美青年が操る「シェラザード」の立ち居振る舞いのかっこよさ。それらロボット達が、不思議な光線やミサイルなどの飛び道具は一切使わず、ひたすら剣だけで打ち合う、という戦闘美。それらを浮き立たせるワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団の音楽。私は、80年代から90年代にかけてのロボットアニメの中で一番のものは?を問われたとしたら、躊躇なくこの「エスカフローネ」を挙げることでしょう。アニメーションディレクターがかの逢坂浩司氏、というのを改めて確認して、なんとなく、さもありなん、と納得しているところです。
 明日明後日で全話通しで観られるのが楽しみです。

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そろそろ次のお話作りに動き出す頃合なのでしょうが、ちとまだ意欲が不足気味だったりしています。

2008-05-08 22:43:33 | ドリームハンター麗夢
 今日も今日とて暑い一日でしたが、天気予報では週末の休みに天気が崩れ、寒くなるのだそうです。ここ何年か、季節を問わず寒暖の差が大きくなりがちな傾向があるように思うのですが、しまいかけていた毛布やセーターを、もう少しだけ手元においておいたほうが良いのかもしれません。

 さて、ゴールデンウィークも終わってその影響もどうやら抜けつつあって、一応日常が戻りつつあるところなのですが、少しばかりまだお腹が痛くなったり眠気が残っていたり、と休みボケの残渣が身体に残っている感じがします。まあそれも多分今夜で解消できることでしょう。明後日また休みになるのがちと厄介ですが、それさえ乗り切れば無事日常に回帰できるはずです。
 そういえば一昨年はこのあたりから夏コミ向け新作の執筆を開始しているのですが、今年はどうしたものか、とすこしばかり考えております。まあ夏コミは申し込みしてないですし、基本的に行く予定も今のところ考えていないので、それにあわせてお話作りをする必要もないわけですが、昨年それで何もしないでのんべんだらりと過ごしてしまったのが少々惜しい気もしており、やはりここは何らかの形で自ら動いてみるべきではなかろうか、などと今更ながらに思ってたりするのです。せっかく麗夢がコミックスとはいえ正式に新たなお話が紡がれつつあるわけですし、ここでファンとして何もしないでいる、というのもなんだかな、と思わざるをえなかったりもします。幸い、と申しましょうか、夏コミの後、9月に入ってすぐ、インテックス大阪でコミックトレジャーがあります。昨年いくつかこの種のイベントに参加したうちで、ここが一番しっくりくる、というか、結構感じがいい即売会だと気に入っておりまして、今、改めてこれに参加するかどうか、を思案しているところです。募集締め切りは7月11日ですからまだしばらく検討する時間があるわけですが、出るとなればやはり新作の一つも用意したいところです。まずは5月中に新作の書き出しができるかどうか、あたりが参加を判断する分水嶺だと思いますので、今しばらく自身のやる気とネタを勘案しつつ、予定を考えて生きたいと思います。
 ・・・うーん、我ながら煮え切らないな。動き出せば速いと思うんですけどねぇ。
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