鈴鹿市議会議員 中西だいすけの活動日誌

鈴鹿市議会議員として年齢も含め5期目のベテランになりました。日々の活動や感じたこと、議会での動きなどをつづります。

思考停止の鈴鹿市議会

2011年06月23日 23時03分51秒 | Weblog
今日は予算決算委員会の全体会がありました。文教福祉、建設水道、総務、生活産業、それぞれの分科会での補正予算審議の報告がそれぞれに委員長からなされ、それに対する質疑、そして何度も話題にしている修正議案と議案原案に対する討論、採決が行われました。

採決について、修正議案に賛成4となり賛成少数で否決となりました。
ちなみに、委員会で自分の考えを述べる討論を行ったのは、考え方の違いはあれ修正案賛成の3名の議員でした。修正案に反対の議員つまり原案賛成の議員については、なぜ修正案を否決するのか、なぜ原案を採択することにしたのかという討論は、どの議員からも出ませんでした。

採決に至る過程で垣間見えたものは、鈴鹿市議会が思考停止状態に陥っているのではないかということです。現時点で、財源についての検討も十分に行われておらず、ただ前市長の設置した諮問機関である検討委員会の答申だけを論拠に進めようとしている給食センター建設について、議会として行うべきチェックに取りくまず、上程される議案に対して賛成することが議会の役割であるかのように採決された姿は、議会が思考停止していると考えざるを得ません。

修正案賛成討論を行ったうちの森田議員は、中学校給食の推進において、センター方式ではなく自校方式のほうが食育の推進についても、災害時のリスク分散についても、またかかる初期投資についてもセンター方式よりもメリットがあると考えられるため、センター方式で進めず、慎重な議論を行うべきではないかという意見でした。
ちなみに調査の試算では鈴鹿市が出したセンター方式27億円の整備費よりも、練馬区の取り組みを参考に考えれば20億円くらいまで投資額を押さえることができるのではないかと考えられると、森田議員は提示されていました。

考えて頂きたいのは、森田議員の討論内容について、中学校給食推進の立場から考えて非常にわかりやすい内容で、給食センター建設ということにとらわれなければ、一日も早くということにこだわらなければ、厳しい財政状況の中、自校方式とセンター方式との比較をし、どちらがよりよいかを選択するという、本来は議会が行うべきことにつながったはずではないかということです。

鈴鹿の共産党の方々についても、給食の自校方式を片方で言いながら、それに取りくむ入り口となる今議案で、センター方式を認めるという非常に分かりにくい態度をとっています。森田議員の討論内容であれば、自校方式に取りくむ方向にもなりえたと考えますし、共産党の方々の考えともつながるものですから、森田議員の意見に同調してもおかしくないはずです。

他の議員の方々についても、選挙の際、中学校給食を最優先課題として語っていた方がどれだけいたのかと考えます。災害対策などを前面に出されていた方が多かったのではないかと思いますが、それであれば、同報無線の予算要求がけられ、災害対策についてまだ全容が見えない現時点で、計画が動くことで初期投資で約27億、年間コストで約2億円が必要となる計画の事業を進めれば、財源不足につながり、他の政策課題の実現が遅くなるのではないかと考えるべきです。そう考えれば、自校方式にすることでセンター方式よりも、施設整備コストを減らすことができるのではないかと考える森田議員の意見は、多くの議員も考えるべき点のはずです。

とここまで森田議員の討論を引用しながら書いていますが、私は、根本的に中学校給食のあり方についても推進にせよ、ゼロベースであり方を‘議会で議論すべき’と考えて修正案を出しましたし、その趣旨で討論も行いました。もし、出された経緯や関わっている議員対しての個々の議員の主観が入る形で今回の採決が行われている部分があるとすれば、多少仕方がないとはいえ、大きな疑問を持つところです。

修正案の出ている予算決算委員会で討論を行わず、本会議場だけで討論を行うのはある意味、議員としての誠実さに欠けた行為だと今回考えます。なぜなら、本会議では修正案について議論に載せることがほぼできないからです。そのような状況で一方的に賛成論を述べることは、議論を行う場としての議会が議員の姿勢が問われるのではないでしょうか。

ともかく、議員から出された修正議案に対して質疑も討論も行わず、採決の際は原案賛成に黙って立つという姿は、議会の思考停止を現していると考えます。議員として行うべき、説明責任や議決責任を果たしていると考えているのでしょうか、そもそも、真摯にそのことを胸におきながら採択や議決に臨んでいるのでしょうか、疑問に感じます。また、このような議会で、果たして本当に議員間討論や議員間討議ができるのでしょうか、それさえもできない議会が本当に議会基本条例を作ることができるのか、甚だ疑問に感じるところでもあります。
コメント
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