今日は静岡県富士市にて、富士市復興都市計画を鈴鹿市議会総務委員会として視察しました。
テーマの中核は“事前復興”に置いています。事前復興は、大きな災害により被害を受けたと想定して、その後の復興のあり方を考えておき、大きな混乱を抑えながら、有事の際にスムーズに復興が取り組めるようにするというものです。この計画の被害想定は、南海トラフ地震によるものが想定され、液状化や津波の被害などが考慮されています。
富士市の取り組みでは、都市計画の担当部門が策定しているのですが、これは防災危機管理部門は復旧までを担当するものと考え、復興の局面はそれとは別のものと考えているからです。そのため、都市マスタープランの改定にあたり、住民参画も取り入れながら策定されています。このような取り組みは東京都かの自治体で進んでおり、それ以外の自治体ではまだ取り組まれているところは少ないとのことでした。
個人的な感想としては、このような事前復興の考えを踏まえた計画の策定、策定も含めた検討については、鈴鹿市のような基礎自治体において、持続的な自治を考えれば、必須の取り組みではないかと思います。大切なことは、国や県の動きを追うのではなく、配布している災害マップなどの情報から、自分たちで考えることであり、また市民の方々も参画して考える機会を持つことだと思います。
そのことを考えながら、鈴鹿市でどう取り組めるかを考えると、総合計画については“政策経営部”で、都市マスタープランについては“都市計画部”で、災害については“防災危機管理部”で取り組むことになっている体制の中、どのように富士市で行なっている取り組みを動かし始めるかということです。想定されるのは、今の鈴鹿市の状況の中では、どこが主となるかということで、三すくみのような状況になり動き出さないのではないかということです。
このようなことが良いこととは思ってはいません。そこをどう突破するのかが課題です。
自分としての案は、防災危機管理部が事前復興計画の策定について必要性を認識、その上で、総合計画の後期計画策定と都市マスタープランの地区別計画策定などを考慮しながら、都市計画部と政策経営部に策定の必要性を要請、総合計画2023の後期計画で策定に取り組むように記述するということかと考えます。その際は、もちろん住民参画を前提として、現在の都市マスタープラン策定の際にも行なった地区別検討会議を開催することが前提となるでしょう。
このとき、現在の鈴鹿市で課題になることは、地域づくり協議会関係の政策との連携で、明確に小学校区を住民自治の基礎単位と考えるようにするなども必要になると思います。それは、学校施設は被災時に避難施設になることからも妥当ではないでしょうか。そうした上で、地区別の検討会議を行いながらになるかと思います。
そして、今日の説明の中にあったのですが、“総合計画は町の最上位の計画ではあるけれども、政治に左右される部分がある。しかし、都市マスタープランや都市計画は、一度決めるとたやすく政治に左右されない重さがある。”という部分について、首長、議員としての関わりを再度考える部分がありました。