新型コロナウイルスについて、感染者(陽性反応者)数の増加スピードが速く、第七波と騒がれはじめています。政府も医療従事者などへのワクチンの4回め接種の動きを進めていると報道にあったりします。けれども、それらの情報は過去からの流れを踏まえながら、分析や検証を伴ったものになっているものでしょうか。
以降に書くことの前提として、私自身、コロナウイルスにリスクがないとは考えませんし、近年ではSARSやMARSのような変異があったことも事実ですので、変異の中で不明のリスクが存在することも否定はしません。ただ、コロナウイルスそのものは風邪症候群のウイルスとして過去から存在していることも事実ということがあります。
そのような前提の上で考えても、「新型コロナウイルス」と表現されて以降、ウイルスの変異があっても、すべて〝 新型 〟という言葉が使われ、そのイメージをSARSやMARSのままに固定されているように思います。アルファから始まり、いまB Aと数字で表される変異株は、疾病としてどれだけのリスクがあるのでしょう。それはもともとのコロナウイルスとどう違うのでしょう。
また、ウイルスも変異する中で宿主と共生・共存するようになっていくことは自然なことであるのに、常に〝 新型 〟ということで不安に駆られるのは、不自然なことのように思います。
「新しい変異で未知」ということばかりが先行して、過去からの流れを含めて検証されているでしょうか。科学的な視点で語られることが必要だと思います。そうしなければ、わたしたちは〝 新型 〟という言葉にずっと縛られ続けると思います。
ワクチンについて、第六波と言われる中の三重県のデータを見ていると、感染者(陽性反応者)のうち接種歴が2回以上の方の割合が、約60パーセント前後ありました。このことから言えることは、ワクチンについて重症化抑止の効果は期待できることは見えたものの、感染予防と感染拡大予防の効果についてはあまり期待できないということではないでしょうか。
また、現行のワクチンは初期の株で開発されたものであって、ウイルスの変異による〝 新型 〟にどれだけの効果を持つのかは、わかっているわけではないと思います。それなのに、初期の株で開発されたワクチンを、効果が期待できるからとして接種し続けるのは、科学的な行動ではないでしょう。
インフルエンザでもウイルスの型によってワクチンは違い、さらに、型の違うワクチンではインフルエンザを発症することは、私たちの生活実感でもあることのはずです。それなのに、コロナウイルスについては同じままで良いと思ってしまっているように感じます。
感染者数(陽性反応者数)を抑制するためとして、若い世代の3回めのワクチン接種が話題に上がっていますが、そもそもワクチンを接種しても感染するのであれば、現在の感染者数(陽性反応者数)をもって接種を推進するのは論理的でないでしょう。
いろいろと考えると、私たちは〝 新型 〟という言葉に振りまわされていて、すこし立ち止まった視点から物事を見たり、考えたりすることをやめてしまっているように危惧します。これから先の社会のためには、私たち自信が考えることをやめてはいけないのではないでしょうか。