先日の八幡堀界隈の折にも触れました、骨董屋への立ち寄りの折。
玄関の外で野ざらし状態で悲しい顔でこちらを見てるんですよねぇ・・・。
「私を綺麗にしてっ・・・。お願い・・・」って。
悲しい顔で彼女に見つめられた日にゃ~男として黙って見てるわけにはいけませんねぃ。
引き取りますよ。但し、いつもの妻とのアイコンタクトでの値引き交渉の末ですがねっ。。。
今年、先ずは夏ごろの甦れぃ。。。で、足踏みミシン(1947年(昭和22年)製ブラザーミシン)。
そして、秋ごろには再び甦れぃ。。。で、ゼンマイ式手動巻き時計
(明治41年~昭和12年SEIKOSHA (精工舎)製:現・SEIKO)
ここに来て又もやの「甦れぃ」。一体、土花亭は何屋さん?てな疑問もあるかと存知ますが
兎に角、甦させるのです。この泥ドロになってしまった可哀想な彼女を。。。
観ての通り、又もやのミシンですが今回はミシン本体のみで足踏み部分や机は取り払われた状態。
今年は一度、ミシンの動態保存に成功しているため、ある程度の仕組みや果たして機械として
機能するかどうかはある程度は判断できる。
早速、汚れを落とし磨きを施しながら駆動部分をチェック。油を注しながら動かし動作を確認する。
結果、いつでもミシンとして現役復帰できることを確認。
甦りますよ!半世紀以上も経った今でも、彼女は。。。
そして、ちゃ~んと動くことも確認出来、綺麗になった彼女の姿をお披露目。。。
↑ 汚かった頃の彼女。。。そして、べっぴんさんになった彼女 ↓
では少し、彼女のプロフィールを。。。
名前は「ASIA(アジア)」。写真、奥の「BROTHER(旧・日本ミシン製造(株)」よりは少しだけお姉さんの
1946年生まれ(昭和21年製)。
因みに、連続テレビ小説「カーネーション」に登場している「SINGER(シンガー)ミシン」はアメリカ製で輸入品になります。
しかし、昭和16年に太平洋戦争のため輸入禁止となり、同18年には販売も禁止。
終戦後の昭和21年に後の「(株)近畿ブラザー」となる「(株)橋和田ミシン商会」が「ブラザー本社(名古屋)」
との契約に元づき製造、販売をしたのが彼女「ASIA」となり、ある意味、国産ミシンの初号機。
誇らしげに掲げられる「橋和田ミシン商会」の名前と「ASIA」のエンブレム。
製造期間10年(昭和21~30)。生産台数約1万機
(現存数が少ないせいかオークションでも見掛ける機会は少ない。)
姿形を観ても後発の「ブラザーミシン」と各部で共通点が多く、使用部品も共通するモノが多く
使われてるようにも見受けられるも、装飾部分には和柄も見受けられる「ASIA」。
しかし、敗戦後の苦しい時代にも関わらず、この時代のモノ創りに対しての技術者の意気込み
、製造技術(塗装も含め)や造形美には目を見張るものがありますねっ。。。