今回の地震について、報道する者はもう少し知識を持って欲しい。
「塀」を「壁や外壁」と言ったり、「擁壁」を「塀」と言ったり。はたまた、「屋根」を「天井」と言ったり、良くあるのが
「基礎」を「土台」と言ったり。もう無茶苦茶・・・。
そんなことより、失われずに済んだ筈の命が失われた悲惨な事故について。。。
何処ぞの大学教授がいつものように「多くの地域で対策が取られていない。住宅の耐震基準のように、
ブロック塀にも安全基準があることが一般に知られていないのが問題だ」などと後になってほざく。
そんなことは無いのです。的が外れてます。
菅官房長官が文科省に安全点検を指示。
これ又、的外れで「国交省に特殊建築物等の定期調査報告の徹底を指示」これが妥当。
今回の高槻市立の小学校のブロック塀については既報の通り、「建築基準法違反」であることは間違いない。
しかし、焦点がズレては困るのですが、その違反しているブロック塀を何故、是正出来なかったのかが問題。
別に法令を厳しくしなくとも、現行法令で十分、チェック是正出来た筈なのです。
このブログにお越し頂いてる皆さんであれば、毎年5月から6月にかけて「定期調査業務」として
土花亭事務所が携わる様子が垣間見たことがあるかと思います。
その、100数十項目にも及ぶ調査項目の調査結果表には当然、塀や擁壁も含まれるのです。(番号6~9)
さしずめ、今回の小学校は市立ですので、高槻市役所の建築課に所属する建築士(職員)が調査に携わっていた筈。
(まれに、土花亭事務所のような建築士事務所に外注の場合も有りですが・・・)
いずれにせよ、建築士が調査を行っていたことは間違いない筈で、調査表にのっとり調査をすれば
必ず是正事項として記載する筈なのです。
その結果を行政庁宛に報告し、報告を受けた行政庁は「是正指示」へと動く。
これが現行法令のシステムで、普通にシステムが機能していれば防げた筈の事故。
調査した建築士が「ブロック塀」の調査をしなかったのか・・・。
調査は行われ、是正事項にもあげ報告したにも関わらず「是正指示」が出なかったのか・・・。
責任の所在は二つの内のどちらかで未だ不明ですが、一般住宅等のブロック塀に比べ
調査機能が働く特殊建築物で、このような事故が起きることが悔やまれます・・・。
後、一般住宅や小規模建築物でブロック塀を備えている方。一度、素人目でも結構ですので
チェックしてみることをお勧めします。
疑わしい場合はお近くの建築士(真面な)にご相談することも合せてお勧めします。