文(井上真央)は言う。
「だんなさまが動かそうとしたものを、その先にあるものを見てみたい」
文の母・滝(檀ふみ)は言う。
「文は自分の目と耳で、自分が生きている場所を確かめたいのでしょう」
なるほど、これが新しい文の行動の理由なのか。
やっと主人公らしくなって来ましたね。
でも、文にとっては、これからがつらい所。
冷たい目で見られ、理不尽な目に遭い、おそらく権力闘争の醜さ・愚かさを知ることになる。
こんな文を高杉晋作(高良健吾)は応援する。
「人になんて勝手に言わせておけ。俺はおのれの心のままに生きる」
「お前も奥でやらかしてやれ。思う存分、狂うてやれ。それも供養じゃ」
さすが高杉、修羅の道に生きることを決めた男ならではの言葉。
「それも供養じゃ」とつけ足したのも深い。
普通の人間なら、夫を亡くしたのだから心穏やかに過ごして供養しろ、とアドバイスする。
だが、高杉はそう言わない。
文にも<修羅の道を生きろ>と発破をかけている。
それが亡き夫・久坂が見たものを見る道だと教えている。
一方、伊之助(大沢たかお)は高杉とは違うようだ。
文が平和に穏やかに暮らすのが久坂の願いだと考え、大奥勤めに反対する。
伊之助は常識人ですね。
でも、やさしい。
後半は考えを改め、寅次郎と久坂と伊之助が見守っていることを意味する<美和>という名をおくる。
というわけで、伊之助も高杉もいい男!
それぞれのやり方で、文を見守り、応援している。
さて、このふたりの励ましによって、強くなった文。
彼女は誓う。
「わたしは決して逃げません。
生き抜いてみせます、あなたの妻として」
さて、覚悟を決めた文は今後何をやらかすか?
どんな景色を見るか?