<安倍疲れ>
昨日の国会で民主党の辻本清美さんが言っていた言葉だ。
どういう意味かと言うと、
<安倍首相のやること、なすことに本気になって批判していると、疲労困憊してしまう>という意味だ。
確かに。
昨日の強行採決で、こちらはヘトヘトだよ。
失恋した時よりも落ち込む。
本日の朝日新聞・天声人語は<侮辱>というテーマで、安倍政権を批判している。
ひとつは、国民に対する侮辱。
国民の半数以上が反対し、80%が慎重な審議を求めているのに、強行採決。
侮辱以外の何者でもない。
自民党幹部は「一時的に支持率は下がるだろうが、今度の三連休を過ぎれば、国民は忘れる」と考えているようだし。
ふたつめは、議会に対する侮辱。
国会の審議を経ていないのに勝手にアメリカの議会で約束してくる安倍首相は完全に国会を軽視し、侮辱している。
与党が多数を占める国会では、議会など自分の思うがままだと考えている。
安倍自民党は審議の時間を110時間も費やしたと言うけれど、今回は全部11本の法案をまとめて審議した。だから1本の法律あたりの審議は、たった10時間!
ひどいというか姑息だよね。
三つめは、最高裁に対する侮辱。
今回、政府が持ち出して来た、集団的自衛権が合憲だという根拠の砂川判決。
しかし、これは米軍駐留の合憲性が問われたもので、集団的自衛権にはまったく触れられていない。
こんなものを持ち出して<合憲>と言われてもねえ。
最高裁は怒った方がいいよ。
今回の戦争法案以外にも、安倍自民党がしてきたことは、
・一部の人しか潤わないアベノミクス
・一生、派遣社員で使い続けることを可能にする派遣法の改悪
・格差拡大
・必ずしも社会福祉に使われていない消費税
・何が秘密かわからない特定秘密保護法
・円安による物価高
・電力会社の利益のために再稼働される原発
・小渕優子を始めとする閣僚の政治資金問題
・昨年の早く結婚しろよ発言
・最後は金目発言
・マスコミ懲らしめる発言
・NHKの私物化
・沖縄の民意を無視した、上から目線の基地建設
・膨大な金額&ずさんな予算管理の新国立競技場←支持率UPのために見直すと言っているが…。
そして極めつけは、
・ポツダム宣言を読んだこともなく、ヤンキーのケンカで集団的自衛権を説明する低レベルな例えを得意になって語る安倍首相の知性。
というわけで、安倍自民党のやること、なすことでヘトヘトなのですよ。
完全に安倍疲れ。
でも、作家の澤地久枝さんは偉いね。
85歳になられるのに、こんなことをおっしゃっている。
「ひどい政治状況を見ていると、絶望感に襲われますが、絶望したら終わりです。
これから参院の審議もある。
ひとり一人の力は弱くても、声が広がっていけば世の中は確実に変わります。
私が若いころは、女性が子育てをしながら仕事をすることは御法度だったけど、今では当たり前でしょ。
権力にモノを言うことに勇気が試される時代です。
でも権力は放っておくと悪さをしますから。手遅れにならないように、私は私の小さい旗を掲げ続けます」
安倍疲れ、などと言っている場合ではない。
※参照記事
天声人語/民主主義への侮辱だ(朝日新聞デジタル)
安保法案、議論は尽くされたか 澤地久枝さんらに聞く(朝日新聞デジタル)