安倍首相が戦争法案を通すために、いかに姑息な手段をとってきたかを列挙してみる。
★同じ意見の人間ばかりを集めた安保法制懇
集団的自衛権の行使は現在の憲法の下でも認められるという結論を出した安保法制懇。
しかし、メンバーは皆、賛成派ばかり。
このメンバーのうち、憲法学者はたったひとりで、賛成派の西修教授。
これでは始めから結論ありきだ。
★閣議決定
本来なら憲法改正を発議して、国民投票をするべき問題なのに閣議決定で決めている。
このやり方が通用するなら、権力者を縛るための憲法は完全に骨抜きだ。
★内閣法制局長官を賛成派に
これまで内閣法制局は、集団的自衛権の行使をできないと言ってきたのだが、人事で賛成派の人間を抜擢した。
現在の横畠裕介氏と前任者の小松一郎氏だ。
ひどい話である。
戦後70年の積み上げの話をたったふたりの人間で変えてしまった。
横畠、小松氏の罪は重い。
★総選挙では集団的自衛権についてほとんど触れず
昨年の12月の総選挙。
安倍総理は「これはアベノミクスと消費税凍結の判断の是非を問う選挙だ」と言った。
集団的自衛権に関しては、公約集にチョロッと書いているだけ。
それが今頃になって、「集団的自衛権の行使は昨年の総選挙で国民の支持を得た」と話すのは、安倍さん、いくらなんでも無理だろう。
こういうのを厚顔無恥という。
★法案が提出されたのは何と5月
国家は今年の1月からおこなわれているのに、今回の戦争法案が提出されたのは5月のゴールデンウィーク明け。
おいおい、こんなに重要な法案なんだからもっと前に出せよ。
理由は4月の統一地方選挙に影響するから。
あるいは短期間で、国民が気づかないうちにパパッと通してしまおうと思ったのか?
やり方が実に姑息である。
★アメリカの議会で約束
安倍首相はアメリカの議会でこう演説した。
「この夏までに安全保障法案を成立させます」
日本の国会で通過していないことをアメリカの議会で約束してくるなんて。
国民軽視、国会軽視もはなはだしい。
要はアメリカで拍手喝采を浴びてカッコつけたいだけ。
本当に軽い人だ。
★砂川判決を正当性の根拠に
憲法学者から「違憲」の意見が出て来ると、砂川判決という最高裁の判決を持ってきて合憲とした。
でも、この砂川判決、アメリカ軍の日本駐留の是非を問うたもので、集団的自衛権のことはいっさい触れていない。
おまけに、この判決、すでにアメリカの公文書で明らかになっていることであるが、判決を出した裁判官はアメリカから圧力を受けていたらしい。
こんなものを無理矢理、合憲の根拠とされてもね~。
本当に何でもありだな。
★11本の法案をまとめて出すという暴挙
今回の戦争法案、何と11本の法案がまとめて出されたものである。
これでは十分な審議などできるわけがない。
与党自民党は110時間の審議を重ねたと主張しているが、単純に割り算すると、一本の法案に費やされた時間は10時間となる。
こんな重要法案がたったの10時間!?
国民にわからないうちに通してしまおうとする意図が見え見えである。
やっぱり、やり方が姑息だ。
★強行採決
国民の80%が慎重な審議を望み、60%が反対しているのに強行採決。
国会審議では安倍首相自体も「国民の理解が十分に進んでいるとは言えない」と答弁していたのに。
強行採決した理由はわかるよ。
アメリカと約束したからでしょう?
これ以上、審議が長引くと、国民にこの法案の矛盾やひどさが、ますますわかってしまうからでしょう?
というわけで、
こんなに卑怯で姑息な方法で、日本を戦争できる国にしてしまった安倍首相。
いやぁ、長年生きてきたけど、こんなひどい総理大臣ははじめてだよ。
あのむくんだ顔と舌足らずなしゃべりを見ただけで気分が悪くなる。
一刻も早い退場を願うばかりである。