平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

花燃ゆ 第30回「お世継ぎ騒動!」~「懸命に思えば、思いは通じる」と信じている美和が嫌いだった銀姫

2015年07月27日 | 大河ドラマ・時代劇
 銀姫(田中麗奈)の人物造型が面白い。

 美和(井上真央)の<ようかん作戦>に荷担した銀姫は楽しそうに言う。
「さすがに私の名を使えば、誰もあらためることをせぬ」
 銀姫はこういう悪戯っぽいことが大好きなんですね。
 なぜ彼女がそういうことをするかというと、心が満たされていないから。
 子がなくて大奥では肩身が狭く、夫である毛利元徳(三浦貴大)との関係も不安定だから。
 一方、<ようかん作戦>をいっしょにおこなった共犯関係は、美和との絆を生んだようだ。

 銀姫は美和にこんなことも言った。
「私はお前が嫌いじゃ」
 嫌い、嫌いは好きのうち。実は気になって仕方がない。
 銀姫がなぜ美和にこだわるかと、美和が「懸命に思えば、思いは通じる」ということを信じているから。
 これは銀姫にはない価値観。むしろ積極的に否定したい。
 だから美和のことがムカつく。
 だが、一方でそれを信じたいとも思っている。

 それで結果、どうなったか?
 銀姫の思いは通じた。
 元徳は自分の所にやって来てくれたし、子供もできた。
 銀姫は「懸命に思えば、思いは通じる」ということを実感した。

 <ようかん><銀姫><高杉の逃亡>といった3つのテーマを掛け合わせた今回のエピソード。
 多少、強引な気がするが、現状でできることはこれくらいだろう。
 なぜなら前半の松下村塾編、現在の大奥編は完全に独立していて、伏線やエピソードの積み重ねがまったくないのだから。
 唯一、繋がっているのは、至誠=「懸命に思えば、思いは通じる」。

 おそらく今後も<至誠>が重要なキイワードになってくるのであろう。

 まあ、個人的な見解を言わせてもらえば、物事は<至誠>だけで解決するとは思いませんけどね。
 <お金>とか<権力>とか<パワーバランス>とか<偶然>が絡み合って、世の中は動いている。
 今回、美和が大奥を追い出されなかったのだって、銀姫の<権力>があったから。
 銀姫に子供が授かるという<偶然>があったから。

 至誠万歳!
 至誠万能!
 というテーマでは、すこし薄い気がする。

コメント (2)
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