「源次郎、あっぱれな戦いぶりよ!
日の本一の強者! 真田左衞門佐!」
上杉景勝(遠藤憲一)としては、こう叫ばずにはいられなかったのだろう。
何しろ景勝は家康(内野聖陽)に抗うことができなかった。
義を捨て、言われるがままにひたすら忍従。
牙を抜かれた虎。
本来は自分がやるべきことを幸村(堺雅人)がやってくれた。
だから、こう叫ばずにはいられなかった。
もちろん、幸村と景勝では持っているものが違う。
景勝は上杉家を守らなければならない。
………………
「敵をひとつの塊と思ってはならぬ。所詮、人の集まりじゃ」
それは軍隊だけでなく、あらゆることに言えること。
家康の陣営の中にも、福島正則(福水元基)や平野長泰(近藤芳正)のような人間がいる。
豊臣にも、織田有楽斎(井上順)のような人間がいる。
どんな集団にも綻びがあり、異を唱える者がいて一枚岩ではないのだ。
軍隊は規律で統制された組織だが、今回のように混乱に陥ると、兵士は一個の人間となる。
………………
真田丸の攻防が〝辛勝〟であったことも描かれた。
開かない留め金。
石が落とせず、一歩間違えば突破されていた。
幸村もいくさの後、心臓が口から出そうなほど緊張していたと、木村重成(白石隼也)に本音を漏らした。
戦争は必ずしも作戦どおりに行くものではなく、ひとつのトラブル、ひとつのミス、ひとつの気の緩みで、大きく崩れてしまう。
兵士の心が折れてしまったら、それでおしまい。
それを食い止めようとするのが個人の奮闘だ。
今回は、後藤又兵衛(哀川翔)、毛利勝永(岡本健一)らがそれをやった。
彼らの奮闘が他の兵士たちの心に火をつけた。
いくさとは心理戦。
心と心の戦い。
単に刀と槍を交えたり、鉄砲を撃ち合ったりするだけでない、いくさの描写を見ることができた。
日の本一の強者! 真田左衞門佐!」
上杉景勝(遠藤憲一)としては、こう叫ばずにはいられなかったのだろう。
何しろ景勝は家康(内野聖陽)に抗うことができなかった。
義を捨て、言われるがままにひたすら忍従。
牙を抜かれた虎。
本来は自分がやるべきことを幸村(堺雅人)がやってくれた。
だから、こう叫ばずにはいられなかった。
もちろん、幸村と景勝では持っているものが違う。
景勝は上杉家を守らなければならない。
………………
「敵をひとつの塊と思ってはならぬ。所詮、人の集まりじゃ」
それは軍隊だけでなく、あらゆることに言えること。
家康の陣営の中にも、福島正則(福水元基)や平野長泰(近藤芳正)のような人間がいる。
豊臣にも、織田有楽斎(井上順)のような人間がいる。
どんな集団にも綻びがあり、異を唱える者がいて一枚岩ではないのだ。
軍隊は規律で統制された組織だが、今回のように混乱に陥ると、兵士は一個の人間となる。
………………
真田丸の攻防が〝辛勝〟であったことも描かれた。
開かない留め金。
石が落とせず、一歩間違えば突破されていた。
幸村もいくさの後、心臓が口から出そうなほど緊張していたと、木村重成(白石隼也)に本音を漏らした。
戦争は必ずしも作戦どおりに行くものではなく、ひとつのトラブル、ひとつのミス、ひとつの気の緩みで、大きく崩れてしまう。
兵士の心が折れてしまったら、それでおしまい。
それを食い止めようとするのが個人の奮闘だ。
今回は、後藤又兵衛(哀川翔)、毛利勝永(岡本健一)らがそれをやった。
彼らの奮闘が他の兵士たちの心に火をつけた。
いくさとは心理戦。
心と心の戦い。
単に刀と槍を交えたり、鉄砲を撃ち合ったりするだけでない、いくさの描写を見ることができた。