平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

のだめカンタービレ 第4話

2006年11月07日 | その他ドラマ
 音楽が人間を縛りつけるのではなく、人間が音楽を作るのだというお話。

 千秋(玉木宏)はベートーベン交響曲7番を譜面どおりに演奏させようとする。
 発表会で恥をかかないためだ。
 猛烈な特訓。メンバーがついて来られない。
 しかし気づく。
 何かが欠けている。演奏がちっとも楽しくない。
 理由は譜面に忠実に演奏しようとするあまり、演奏者の想いや個性がなくなってしまっているから。
 それは第1話でのだめ(上野樹里)から教えられたことでもあった。

★人間は自分を自由に表現する時、楽しくなる。
 楽しい感情が演奏に与えられる時、音楽は初めて生命を与えられる。
★そして、そうして演奏された音楽は他の人間と共鳴し合う時、もっと楽しくなる。
 演奏中、峰(瑛太)は千秋にアイコンタクトする。
 「おいおい、あれをやるのかよ」と千秋。
 そして、バイオリンを持ち上げての演奏。チェロはくるりと廻って。
 これが他の人間との共鳴、コミュニケーション。
 ひとつの音楽を通じて、他人と共鳴し合う。
 それは楽しいこと。
 「これで評価はなくなったな。でも楽しい」と感想を漏らす千秋。
 その演奏者間の共鳴は観客にも伝わる。
 観客も共鳴して、音楽はどんどん楽しくなる。
 過去、ドラマは様々な心のふれあい・共鳴を描いてきたが、この様な形で触れ合うこと、共鳴し合うことを描いた作品はめずらしい。
 音楽とはそういったエンタテインメントなのだと教えてくれる。
 また、そうした個性や他人との共鳴が人にとって必要であることを教えてくれる。

★そして千秋。
 彼は指揮者としてもうひとつ成長した。
 指揮者は演奏者の個性を引きだし、その様々な個性をシンクロさせ、まとめあげるものだと知る。
 前半のこたつエピソード。
 こたつに入ったことのない千秋とのだめ、峰、真澄(小出恵介)は明らかに人間として違う。
 千秋はこたつの中でだらける彼らを拒絶するが、やがてそういった価値観があることを知り、自分も浸る。そこからお互いの理解が始まり、共鳴が生まれる。
 この作品、こうした例えもうまい。
★そしてのだめ。
 彼女は、彼女のピアノ演奏の様に直感的に本質を掴むことに優れているのであろう。
 千秋に見せたアニメ「プリごろ太」。
 のだめは今の千秋に言うべき言葉がわからない。
 言葉ではうまく伝えられない。
 だから「プリごろ太」を見せた。
 のだめは直感的に「プリごろ太」が必要であることを感じている。
 見事なキャラクター造型だ。

 さて、来週からは新たな展開。
 今度はどんなドラマを見せてくれるのだろう。

★追記
 のだめはベートーベンの7番をこう表現する。
「いかづち、ドキュン 落雷~ 大雨~ ど~ろぼう ど~ろぼう」
 一方、そんなのだめの演奏を千秋はこう表現する。
「湧き上がる はしゃぎまわる 迫ってくる 純粋で、計算の無い個性」
 かたや名詞と擬音。
 かたや動詞と抽象的な名詞。
 こんな所にもキャラの描き分けがある。


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