平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

相棒 「右京さんの友達」~孤独と孤高は違う。あなたはその能力ゆえに孤高なのでしょう

2014年01月23日 | 推理・サスペンスドラマ
 毒島幸一(尾美としのり)は言う。
「自分をわかってくれる人に本当のことを話したかったから」

 そうなんですよね、人は<本当の自分>をわかってほしいと思っている。
 特に孤独を感じている人間は。
 右京(水谷豊)は、そんな気持ちに寄り添い、自作の小説『孤独の探究』を読んでもらうことで、毒島の真実を明らかにした。
 いつのなら真相を言葉で話すのに、今回、敢えてそれをしなかったのは、毒島と紅茶を飲みながら自作の小説を読むことを愉しみたかったためか。
 毒島が一番喜ぶ形で、真実を披露したいと考えたためか。

 そして、たどりついた真実。
 毒島は嬉しかっただろう。
 なぜなら明らかにされた毒島の真実は、ほとんどが右京さんの状況証拠による<想像>に基づいたものだから。
 想像力で他人を理解することって、結構むずかしい。
 先入観や感情が入って、なかなか正確に理解出来ないし、逆に誤解することの方が多い。
 というか、他人を理解出来ると思う方が傲慢かもしれない。
 だが、右京さんは<真実>にたどりついた。
 毒島は自分の<最高の理解者>が現れたと思っただろう。
 だから彼は<孤高>という最大の賛辞で、右京さんを評した。
 一方、カイト(成宮寛貴)は、ふたりの関係を<友達>と言った。
 これも毒島にとって嬉しいことだっただろう。

 人は自分をわかってくれる人を求めている。
 隣に住む佐藤静香(佐藤寛子)とは心を十分に通わすことが出来ず、犬と紅茶に拠り所を求めていた毒島だったが、右京さんという理解者を得ることが出来た。
 今回は、右京さんの奇妙な友情の物語でした。

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細川元首相の都知事出馬会見映像~<高度な文明社会>なのか? <自然と共存していく社会>なのか?

2014年01月22日 | 原子力発電・反対
 細川護煕・元首相の都知事選出馬記者会見。
 共感します。
 立派な問題提起だったと思います。
 僕も福島の原発事故で「今の高度な文明社会のままでいいのか?」って思いましたから。
 細川さんの言葉を借りれば、目指すべき社会は
 <腹一杯でなく腹七分目の豊かさで良しとする、心豊かな幸せを感じ取れる社会>。
 そして争点を要約すれば、
 <電気を大量消費する高度な文明社会>なのか? <自然と共存していく社会>なのか?
 <成長>なのか? <共存>なのか?
 細川さんの言う後者は夢物語なのだろうか?
 でも、<自然と共存していく社会>の方が絶対に豊かだと思う。
 <成長がすべてを解決するという傲慢な資本主義からは幸せは生まれない>という細川さんの言葉に共感する。
 この細川さんの問題提起は東京都民だけでなく、日本人にも問われている問題でもある。
 これをどう受けとめ、どう考えるか?

※YouTubeの記者会見映像はこちら。
 細川護煕出馬会見・その1 はこちら

 細川護煕出馬会見・その2 はこちら

※会見の抜き書きは以下です。

 今の国の目指している方向、進め方に問題がある。
 今までのような経済成長至上主義ではやっていけない。
 腹一杯でなく腹七分目の豊かさで良しとする、心豊かな幸せを感じ取れる社会へ。
 成熟社会へのパラダイムへの転換。
 世界が生きのびるためには、豊かな国がその生活のスタイルを多消費型から共存型へ変えていく。
 成長がすべてを解決するという傲慢な資本主義からは幸せは生まれない。

 成長のためには原発は不可欠だと言って政府が原発を再稼働しようとしている。
 そのことに私は危機感を持つ。
 ひとたび事故が起きれば、国の存亡に関わる大事故になる。

 福島4号機は大丈夫なのか。
 汚染水は本当に漏れていないのか。
 核のゴミ捨て場がない。
 原発がなければ日本は成り立たないという人がいるが、この2年間(大飯原発をのぞけば)原発は動いていない。
 原発開発推進事業で天文学的な費用がかかっている。
 この費用を自然エネルギーに投入すべき。
 これが新技術を生み出し、成長の切り札にする。新しい雇用にもなる。
 今、方向転換しなければ、50年、100年後も日本は原発依存の国になる。
 <自然エネルギー大国・日本を世界>にアピールしていく。
 原発がなくても日本は発展していける。

 自然エネルギー大国・日本という国に。
 大量消費ではなく、質と実のある国に。

 現在は文明史の折り返し点。
 環境、有限の資源の中、経済や生活の転換を迫られている。
 福島の原発事故は転換を着手しない我々への警報ではなかったでしょうか?

 文明史的な転換を東京を通じて行っていく。

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「原発即ゼロ」は無責任か?~原発推進派は3・11から何を学んだのだろう?

2014年01月22日 | 原子力発電・反対
 都知事候補の舛添さんは、20日、福井市内の講演で
「長期的には原発をなくしていく方向にしないといけない。ただ『今日から脱原発』と言って代替案がないのは無責任だ」
 と発言したらしいんだけど、これ、よくわからないんですよね。

 だって今は原発が動いていないから。
 原発が動いてなくて全然困ってない。

 問題なのは、火力発電を動かす原油代で、何兆円かのお金が海外に出ていくことでしょう?
 桝添さんはここを話さなくちゃ。
 ここから国民的議論を始めるべき。

 ただ、この原油代にも問題がある。
 電力会社は原油の安定確保という理由で、通常よりはるかに高い価格で買っている。
 これを交渉で改めなければ。

 原油輸入で何兆円かのお金が出ていくのは、現在のアベノミクスがもたらした<円安>も影響している。
 以前の<円高>なら原油はもっと安く買える。
 その他にも、自動車のガソリン代や灯油代が上がり、生活はますます苦しくなっている。
 農家のビニールハウスの温度維持にもかかわるから野菜代にも影響している。
 アベノミクスって本当にいいのだろうか?

 話を戻すと、安全保障のために即原発ゼロは難しいという人がいる。
 確かに中東で戦争が起きれば、原油が高騰し、日本に入ってくるのも難しくなるかもしれない。
 しかし、供給先はロシア(天然ガス)とかアメリカ(シェールガス)とか中東以外にもあるわけで、新たな供給先の確保の努力をすべきだ。
 どうも電力会社は、原発維持のためにこうした努力を怠っているような気がする。

 では、なぜ電力会社は原発維持にこだわるのか?
 それは、もし今ここで、原発即ゼロの方針が打ち出されたら、電力会社の保有する原発は、ただの<鉄の塊>で、<不良債権>になってしまうからだ。
 だから、電力会社は経済産業省(当然、電力会社への天下りがある)に陳情し、<不良債権>は銀行も財務省も困るから原発維持を唱え、政治家もそれらを受けて「原発即ゼロは無責任だ」と言っている。

 だが、「原発即ゼロは無責任」なのだろうか?
 無責任なのは原発推進の方ではないのか?
 なぜなら<核のゴミ>の処分方法、処分場が決まっていないから。
 現在の人間の豊かさのために、というより電力会社と一部の官僚、政治家、銀行のために、
 <核のゴミ>を10万年も後の世代に押しつけていいのか?

 あるいは、もし、どこかの国と戦争が起これば、ミサイルの攻撃ターゲットとして真っ先に狙われるのは原発だ。
 どんなに高性能な戦闘機、艦船、武器装備を持っていたとしても、原発ひとつを攻撃されてしまえば、それでおしまい。
 安全保障の面からでも原発はよろしくない。

 それに「原発の電力は安い」というが本当だろうか?
 十分な安全対策や廃炉の費用を考えたら決して安くないのではないか?
 そして、もし万が一重大事故が起きれば、除染・賠償の費用で電力会社ひとつが倒産するくらいの費用がかかる。

 というわけで「原発即ゼロ」は無責任ではない。
 小泉元首相ではないが、政府が「原発即ゼロ」の方針を打ち出した時点で、企業はビジネスチャンスとして新たな電力開発に動き出す。
 新たな雇用も生まれる。
 政府が明確な方針を打ち出さないから、企業は危なっかしくて新たな電力開発に踏み出せない。

 電力会社と一部の官僚、政治家、銀行のために維持される原発。
 これはおそらく国を滅ぼす。
 原発推進派は3・11から何を学んだのだろう?


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松本清張「黒い福音」~あんたの神様は今、消えたよ。これは清張版「罪と罰」ですね。

2014年01月21日 | 推理・サスペンスドラマ
 松本清張「黒い福音~国際スチュワーデス殺人事件」
 やっぱり役者ビートたけしさんはいいなぁ。
 やくざ映画の時のような派手なことはしないんだけど、内に抱えた<屈折><不屈>みたいなものが滲みでている。
 その背景にあるのは、戦争中に信じていた価値観に裏切られたこと、何も信じないという虚無、大きなもの=政府への不信、いまだにくすぶる敵国アメリカへの思い。
 これは前夜の「三億円事件」の田村正和さんの役もそうだった。

 さて事件。
 以下ネタバレ。


 ひとりのスチュワーデスの殺人が、公安警察を巻き込んだ大きな広がりを見せる。
 それはアメリカの教会が、物資や麻薬の密輸、流通に関わっていたこと。
 殺されたスチュワーデス生田世津子(木村文乃)は麻薬の密輸をしており、これを拒んだため口封じで殺されたのだ。
 殺したのは神父。生田世津子とは男女の関係。
 このスキャンダルが公になれば、大きな国際問題になりかねないので、警察はこれを隠蔽しようとする。
 松本清張らしいスケールの大きな話だ。
 一件の痴情のもつれが、麻薬の流通という大きな組織ぐるみの犯罪を暴いてしまったというのも面白い。
 犯罪はこうしたほころびから発覚する。

 一方、この事件を登場人物に焦点をあてて考えると、テーマは<罪と罰>。
 ドストエフスキーの小説「罪と罰」の主人公ラスコーリニコフは金貸しの老婆を殺して激しく苦悩する。
 最後は罪を認め、神に許しを乞う。
 だが、この作品の神父はそれをしない。
 言い逃れをして、罪を否定し、国外に逃亡する。
 ラスコーリニコフとは対照的に<神と向き合うこと>を拒んだのだ。
 神父でありながら、神に許しを乞い、救われる道を否定したのだ。
 だから刑事・藤沢六郎(ビートたけし)は言う。
「あんたの神様は今、消えたよ」

 神父は法律的には罪を免れた。
 しかし、神に対しては……。
 その後のことは描かれなかったが、神を失った彼の生涯は罪の意識にさいなまれる孤独で、不毛なものだっただろう。 

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軍師官兵衛 第2回「命の使い道」~世界はとてつもなく広い。俺にはわからないことばかりだ

2014年01月20日 | 大河ドラマ・時代劇
 こういう青年の成長物語って好きです。
 内容はベタですけどね。

 たつ(南沢奈央)を亡くして仇討ちを主張する官兵衛(岡田准一)。
 怒りの感情をどこにぶつけていいかわからない。
 命を捨ててもいいと思っている。

 この気持ちを清算するため、父・職隆(柴田恭兵)は堺に鉄砲買い付けにいくことを命じる。
 旅は青年を成長させる。
 その道中で官兵衛が見たものは、至る所にあるいくさの悲惨、民の苦しみ、追い剥ぎなどの人心の乱れ。
 面白い人物にも出会った。
 浪人・荒木村重(田中哲司)は諸国を旅して天下の情勢をうかがっている。この乱世を、北条早雲や斎藤道三のように自分が浮かび上がる好機と考えている。
 堺には新奇なもの、面白いものが溢れている。
 堺の豊かさの裏には、いくさによって得ている利益があることを知り、うわさの織田信長(江口洋介)は鉄砲を買い集めていることを知る。
 そしてキリスト教という新しい思想。

 どんどん動いている世の中を見て、官兵衛は思う。
「世界はとてつもなく広い。俺にはわからないことばかりだ」
 官兵衛は、自分が小さな世界に生きていたことを知り、小さなことにとらわれていたことを感じる。
 世の中にはいろいろな人間がいて、面白おかしく、未来に向かって全力で生きていることも。
 気持ち次第で、人生の見え方は大きく変わってくることも。

 哲学者ソクラテスは<無知の知>(=自分は何も知らないということを知っているから賢い)と唱えたが、知らないということは無限にさまざまなことを吸収できるということだ。
 自分の考えに凝り固まってしまうと、新しい考え方を受け入れられなくなってしまう。

 さて、ここで、信長と官兵衛の比較。
 信長は、斎藤道三の仇を討ってほしいというお濃(内田有紀)に対し、「仇討ちなど下らぬ」と返した。
 信長にとっては<仇討ち>など小さなことで、<新たな秩序の世の中をつくること>の方が重要なのだ。
 この点で、信長は官兵衛より大きく、一歩前を歩いている。

 竹中半兵衛(谷原章介)に関しても、信長は<利より義にこだわる男>として評価している。
 この竹中半兵衛評は、官兵衛の父・職隆に通じるものがある。
 職隆もまた赤松に「播磨国半国を与えるから寝返れ」と誘われて断った。
 半兵衛=職隆。
 おそらく官兵衛は父・職隆から学んだように半兵衛からも多くのことを学んでいくのであろう。

 最後に官兵衛。
 官兵衛は摂津にいく路銀をほしいと頼んできた荒木村重に予想外のお金を渡した。
 おそらくこのことを村重は忘れないだろう。
 <小寺官兵衛>という名前がしっかり頭に刻まれたはずだ。
 お金に苦労したことのないお坊ちゃんと言ってしまえばそれまでだが、これを気持ちよく無意識に出来ることがすごい。
 また、このお金はめぐりめぐって、別の形で官兵衛の所に返って来るであろう。
 人生の収支とはこういうことだ。
 だから一時的な欠損や失敗を必要以上に嘆かなくていいし、物事は長い目で見ることが大切なんだと思う。


 
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松本清張「三億円事件」~戦後日本とアメリカと闘った男

2014年01月19日 | 推理・サスペンスドラマ
 三億円事件、松本清張さんの推理はこうだ。
 以下、ネタバレ。


 犯人は地元のカミナリ族の若者ふたり。
 その犯人のひとりは元警察官僚の祖父に持ち、父親も元警察官僚で現在は警備会社をしている。
 つまり警察一家だ。
 祖父と父親は<警察一家の子供が三億円事件の犯人>というスキャンダル発覚を恐れ、自殺に見せかけて青酸カリで犯人の若者を殺した。
 奪った三億円は、父親の警備会社の経営再建のために使われた。
 捜査をしていた警察は祖父の圧力により、真相を知りながら隠蔽し、単なる自殺事件として処理した。

 なるほど。
 すべて辻褄が合っている。
 真実を警察が隠蔽しているのだから、未解決事件なのも当然だ。
 ディティールも符合している。
 犯人が着ていた白バイ警官の制服は、父親の警備会社の制服。
 三億円はいったん近くの米軍基地に隠された。
 基地なら警察も手を出せないと考えた犯人は、犯行後、米軍基地に忍び込んで隠したのだ。

 おそらく清張さんは<有力容疑者の自殺><有力容疑者の父親と祖父が警察官僚><警備会社><近くの米軍基地>といった個々の事実を再構成して、こんな仮説を立てたのであろう。
 さすが豊かな想像力!

 最後に主人公の武田秀哉(田村正和)という人物について。
 武田はアメリカに迎合する戦後の日本に嫌気がさして、渡米し、アメリカの保険会社の査定部長をしている。
 いわば故郷をなくした人間だ。
 彼は、ひとりでもがき、闘っている。
 アメリカで働き、アメリカ人とポーカー勝負をするのもアメリカと闘うためだ。
 そして今回、彼は三億円事件を通して、戦後日本と闘った。
 ひとりで闘う孤高の男。
 しかし、彼はあたたかい心も忘れない。
 彼の母親に対する気持ちもそうだし、犯人の姉・戸田悦子(板屋由夏)の罪の意識を感じ取ったこともそうだ。
 この人物設定はドラマのオリジナルなのかな?
 だとすると上手い脚色だと思う。

 
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来年の大河ドラマ『花燃ゆ』の不明瞭な制作決定過程~安倍首相に配慮?

2014年01月18日 | 大河ドラマ・時代劇
 2015年に放送する大河ドラマ『花燃ゆ』。
 その企画決定過程がおかしいと雑誌SAPIOは伝えている。

 この作品の主人公は長州藩士・吉田松陰の妹・文(ふみ)。
 長州と言えば山口県。
 山口県と言えば安倍総理。
 NHKはその経営委員に『永遠の0』の作家・百田尚樹氏ら、安倍総理のお友だち4人を起用している。
 安倍総理にヨイショしまくりだ。
 というか圧力がかかったのか?

 通常、大河ドラマの制作発表は6月くらいに発表される。
『八重の桜』は放送2年前の2011年6月22日。
『江』(2011年放送)は2009年6月17日。
『龍馬伝』(2010年放送)は2008年6月5日。
『平清盛』は少し遅れて2010年8月4日。

 ところが『花燃ゆ』は昨年の12月3日。
 今年の『軍師官兵衛』は2012年10月10日だが、これよりも2ヶ月も遅い。
 この異例の遅れは何なのか?

 花燃ゆ』を担当するNHKのチーフ・プロデューサーが山口県を訪れ、吉田松陰の松下村塾が置かれたゆかりの地である萩市の担当者に接触したのは昨年9月のこと。
 その際に女性脚本家2人の萩を訪れたプロデューサーは商工観光部観光課の担当者にこう聞いたという。
『山口県に何か大河ドラマの題材がないでしょうか』

 何と<山口県>というキイワードで企画が組み立てられていたらしいのだ。
 通常、大河ドラマの主人公は<人物>本位で決められる。
 たとえば『龍馬伝』を担当したチーフ・プロデューサーは
「久しぶりに“ご存じ”という人をやりたいという思いもあって。演出家と脚本家と3人で決めました」~雑誌『ロケーションジャパン』。
 『天地人』のチーフ・プロデューサーは
「2006年あたりからこの大河ドラマ48作目の題材を考え始めていたのですが、当初、局内で「直江兼続でいきたい」と話したとき、みんな知らないわけですよ」~雑誌『時代劇マガジン』。
 ところが『花燃ゆ』は『山口県に何か大河ドラマの題材がないでしょうか』。
 
 この件について山口県の郷土史家は次のように語っている。
「NHK関係者は秋になってから県内で精力的に動き出した。高杉晋作ゆかりの地を取材し、伊藤博文の妻を主人公にする案もあったが潰れたと聞いている。なぜそうまでして山口県を舞台にすることにこだわったのか。最終的に決まった文にしても主人公にするには史料があまりに少なく、無理矢理決めた感が否めない」
「どの地域を舞台にするかは主人公から自然に決まってくるものと思える。今回はなぜ<山口県を舞台にする>ことが重視されたのか。山口県は安倍首相の地元であるため、時の政権への配慮があったのではないか」

 このことに関して、NHKは口頭で「安倍首相に配慮したことはない」とし、文書で「明治維新で大きな役割を果たした長州を舞台に大河ドラマができないかと考え、長期にわたって取材を続けてきた」(広報局)と回答。

 しかし、「安倍首相に配慮」の疑問は否めない。
 何しろ大河ドラマの舞台になれば、地元は観光など、大きな経済効果が見込めますからね。
 揚げ足を取るわけではないが、『長期にわたって取材を続けてきた』というなら、観光課の方に『山口県に何か大河ドラマの題材がないでしょうか』と聞く必要はないのでは?

 こうした疑問を払拭する意味でも、NHKは企画の決定過程をもっと明確に公表すべきだ。
 木村拓哉さんの主演の『信長燃ゆ』、冲方丁さんのベストセラー小説『光圀伝』などの強力な候補をボツにして、『花燃ゆ』を推した理由を明らかにすべきだ。

 引用記事『大河ドラマが安倍首相の地元に決定するまでの「異例」の経緯』はこちら


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緊急取調室 第1話・第2話~強者のみが守られ、弱者が理不尽な目に遭う社会

2014年01月17日 | 推理・サスペンスドラマ
 第1話は「名前のない男」
 第2話は「しゃべらない男」
 いずれも犯人の気持ちに共感してしまう。

 第1話「名前のない男」はえん罪。
 えん罪で男は家族を失い、職を失い、母親を亡くし、人生を棒に振った。
 有名弁護士は「事件として地味なので自己PRにならない」ということで弁護を引き受けない。
 この理不尽、憤り!
 第2話「しゃべらない男」は心臓病の娘を救うために、殺人の罪を被る父親の話。
 医者は「手術をしてやるからお前が殺人犯になれ」と父親に迫る。
 この医者のエゴと娘を思う父親の気持ち。

 主人公・真壁有希子(天海祐希)の主張は警察官としては正論なのだが、あくまで<警察官>としてのもの。
 もちろんやり過ぎはいけないが、<えん罪被害者>や<娘を思う父親>の立場から考えれば、犯人たちの主張は正しい気がする。
 第1話に関しては、犯人の主張どおり担当刑事や警視総監が記者会見を開き、謝罪すべきだ。
 第2話に関しては、ラストで娘の手術を引き受けてくれる医者が現れてくれたからよかったものの、もし、そうでなければ娘は死んでいた。

 この作品が提起する問題は
・警察や弁護士、あるいは医者が社会で正しく機能していないこと。
・強者のみが守られ、優遇され、弱者が理不尽な目に遭うという社会の実態。

 このことを現実に目に移せば
 たとえば、福島の原発事故では<想定外>という言葉のもと、誰も逮捕者が出ていない。
 東電の倒産に関してはいろいろな議論があるだろうが、少なくとも<株主>は株券が紙切れになることを引き受けるべきだし、<銀行>は東電に貸し付けてる4兆円を回収不能の不良債権にすべきだ。
 これらのことを無視して、国と東電は、税金投入と電気料金値上げという<国民負担>のみを強いている。

 大きなものが守られ、小さなものが切り捨てられる現実。
 こういう社会だからこそ、このような作品が出て来るんでしょうね。


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相棒 「崖っぷちの女」~伊丹、こき使われる。今回はいいようにこき使っていただいてどうも

2014年01月16日 | 推理・サスペンスドラマ
 右京さん(水谷豊)が伊丹(川原和久)、芹沢(山中崇史)を使いまくる!
「芹沢さん、これを至急米沢さんに届けて下さい。
 伊丹さん、われわれは学校の方へ急ぎましょう!」(笑)
「芹沢さん、至急前田先生の家に向かってもらえませんか」(笑)
「伊丹さん、やってほしいことがあるんですけど」「お使い係の伊丹ですけど」(笑)
「伊丹さん、引き続きやってほしいことがあるのですが」
「今回はいいようにこき使っていただいてどうも」(笑)

 何だかんだ言って、いい感じなんですよね、右京さんと伊丹・芹沢コンビって。
 今回はあまり見られませんでしたが、米沢さん、角田課長も含めた連携プレーも。

 コンビと言えば、内村刑事部長(片桐竜次)と中園参事官(小野了)も。
 今回は
「お前がお前の責任で判断しろ」(笑)
「責任を取れ、お前がだ」(笑)

 構成もスタイリッシュ。
 カイト(成宮寛貴)は自殺しようとしている中井雪絵(小島聖)の説得にあたり、右京さんが中井雪絵の無実を晴らすために動くという構成。
 携帯電話の時代だからこそ出来ること。
 ラストのどんでん返しもあった。

 事件に関しては強引すぎるかな。
 以下、ネタバレ。

 何しろ自分が殺人犯に問われたら、不正事件のことを話して自分の無実を証明しようとするのが普通の心理。
 たまたま警察署に来ていたカイトに事件を解いてもらおうとするのも大きな賭け。
 あるいは、教え子の留学資金を稼ごうとするなら(動機はこれだけではないようだが)、もっと他にやり方があったはず。
 どんでん返しなどの物語の面白さを追求するあまり犯人の人間像が不自然な気がする。

 偶然の要素も多すぎる。
 殺された前田がたまたまFの鍵盤に触り、前田を殺した犯人がたまたまそのことに気づき、自分を示すダイイングメッセージになるのではないかと思って消した。
 犯罪の発覚には、思いも寄らなかった偶然の要素が左右するとはいえ、やはり強引すぎる。

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『笑っていいとも!』でとんねるずが大暴れ! レギュラーに! とんねるずパワーあるな~~!

2014年01月15日 | バラエティ・報道
 とんねるずの破壊力は相変わらずだ。
 昨日の『笑っていいとも!』のテレホンショッキングに出演して大暴れ。
 まずは、自分たちがとんねるずとして活動できているのは、『お笑いスター誕生』という番組で審査員のタモリさんが、ただひとり、ほめてくれたからだと感謝。
 続いて、熱く<タモさん愛>を語る。
 そして、こんなにタモリさんを愛しているのに、『いいとも!』のレギュラーになれなかったのはなぜだ? と語り、自分たちをレギュラーにしてくれと迫る(笑)
 タモリさんは苦笑いして「でも、(とんねるずは)忙しいだろう?」と返すと、石橋貴明さんは「今、ヒマなんです!」と即答(笑)
 結果、「あと三か月だからいいか」とタモリさんが了承してレギュラーが決定!!
 すると、SMAPの中居くんたち、火曜レギュラーが現れて「ダメですよ! いいとものレギュラーはそんなに簡単になれるものではないんですから!」と反対。
 ここから先はもう混沌。
 次のクイズコーナーがあるからとタモリさんがまとめようとすると、石橋さんは「次のクイズコーナーの答えはIKKOさんです!」とバラして、コーナーを潰す(笑)
 テレホンショッキング恒例の100人アンケートでは、木梨憲武さんが「自分のことを結構いやらしいと思っている人」という前代未聞のアンケートを実施し、48人の女性がYESのボタンを押し(笑)、次に石橋さんが「タモリさん、とんねるずを街で見たことがある人」というアンケートでは5人がボタンを押して見事的中!←奇蹟!
 明日のゲスト紹介では、「明日のゲストはルパン三世を撮り終わった小栗旬君です!」「明日のゲストはみのもんたさんです!」と全然予定されていない人の名前が出て来る(笑)
 そして、とんねるずのレギュラーが決まったことで、ハライチの澤部さんがはじき出されて卒業?

 というわけで、とんねるずが暴れまくったテレホンショッキングに費やされた時間は、『いいとも!』始まって以来の最長48分!
 しゃべりまくった黒柳徹子さんを越えた!

 やっぱり、とんねるずはパワーがあるなーーー。
 『いいとも!』では、爆笑問題の太田光さんがタブー発言をして暴れていたが、最近はおとなしくなった。
 レギュラーが決まって、石橋さんは「真面目にやります」と言っていたが、とんねるず出演回は今後もメチャクチャになるに違いない。

 最後に、今回感じたのは、とんねるずの<タモさん愛>。
 石橋さんたちは、大恩人であるタモリさんの『笑っていいとも!』をこのまま地味に終わらせてはいけないと思ったのかもしれない。
 自分たちが最後の打ち上げ花火をあげる手助けになればと思ったのかもしれない。

 この大混乱の模様は、今度の日曜日の増刊号でオンエアされると思うので、ぜひご覧になって下さい。


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