紀州鉄道は御坊市内を走るミニ鉄道で、日本最小規模の鉄道としてテレビなどで取り上げられることも多く、子供の頃からその存在を知っていた。中学生の頃、家族旅行で紀伊半島を訪れた時に、御坊駅で単行気動車が停まっているのをカメラに収め、いずれは乗ってみたいと思ったものだ。その時はクルマでの旅行だったので紀州鉄道は見るだけというか紀勢本線なども見るだけだった。中学の時に見ただけで終わった紀州鉄道に乗るのは、それから10数年後になる。01年9月1日に18きっぷを利用して、きのくにシーサイド乗車と紀州鉄道乗車を目的とした小旅行に出かけた。紀州鉄道は乗り潰しが目的で、当時作り始めていたホームページのネタ集めに出かけたようなものだった。当日に天王寺駅できのくにシーサイドの指定券を入手して、天王寺から御坊まできのくにシーサイドの旅を楽しんだ。DE10牽引の客車列車は非常に遅く、途中特急や快速の待避を行いながらののんびりした道中だった。座席はスーパーくろしおのグリーン車に使用されていたものを流用していたので非常に快適で、ついうつらうつらと眠りにこけてしまうほど快適だった。紀勢本線に入ってからは、展望車に陣取って景色を楽しんだ。窓のないオープン車で心地よい風を受けながら海が見える道中の景色を楽しんだ。御坊で後ろ髪をひかれながらきのくにシーサイドを降りて、とりあえずホームの立ち食いそばで柿の葉寿司とうどんの昼食を取って、紀州鉄道の乗り潰しに挑んだ。
前年に北条鉄道からレールバスを譲受していたので、てっきりそのレールバスが来るものと思っていたら、以前中学時代に見たミスター紀鉄?ともいうべきキハ600が来たので驚いた。レトロなのか、メンテ不行き届きなのかよくわからない車内に乗り込み、非常に短い道中を楽しんだ。受験生に有名な学門駅などを見て、終点の西御坊にすぐ(といってもトロトロ走るのでそれなりの時間で)着いた。折り返しの時間は結構長く、撮影したり、レトロな西御坊駅をじっくり見て折り返した。かつては西御坊から先へも線路が延びていたようだが、平成元年に廃止になっており、御坊~西御坊間もいつ廃止になってもおかしくないというのが紀州鉄道の実状だ。