フォンテーヌの家  わたしのつぶやき

横浜市南区で趣味の会[フォンテーヌの家」 

刺繍の先生の言葉

2012-11-01 18:08:13 | 日記
11月1日 木曜日 晴れ

お日様は出て居ましたが、風が強い日でした。
朔日にお墓参りに行くことが多いので、お供え一式を揃えたり庭から榊やお花を切って生けたり、
気ぜわしいのですが、今日はいつもよりゆったり出来たようで爽やかな気分の朝になりました。
もっとも全く予定が入っていませんでしたのも気持ちに余裕が出来たのでしょうね。

この頃目の調子が悪くなって、日中の陽射しのある時に刺繍をするようにして居ます。
わたしの好みで同系色の刺繍糸を使って刺しますので、少しの色の差ですと判別が出来ないのです。
前夜に刺した物を翌朝自然の光で見ますと、色が違って居たりすることが多いのです。

葉を刺すとき、いろいろな緑を使いますがその濃淡でイメージが全く変わってしまいます。
そんな時、亡くなられた刺繍の先生の言葉を必ず思い出します。
「気に入らないところは必ずやり直すこと」と言われ、刺した糸にハサミを入れてしまうのです。

「直すのは一時、失敗作品を見る度に後悔しますよ」と常々おっしゃっておられました。
「その時の能力で最高の作品でも少し時間が経つと自分の作品をみて後悔する」とも。
刺繍を習いながら、先生の人生観を教えて頂いていました。素晴らしい先生でした。

刺繍を教えながら、女学校時代に覚えたといいながら源氏物語の桐壺の巻を空で言うのです。
凄い!と感心しましたね。わたしは源氏物語を暗唱出来るほど読んでいません。

近所の大学生のお兄さんとお姉さんの影響で、藤村や光太郎、それにゲーテの魔王などを読みました。
そして、歌を歌うような感覚で覚えたものです。
きちんと覚えますと「トレビアン!」と言って、お兄さんたちがニコニコとても喜んで下さいました。

「覚えておくとよいよ」と言われ、遊びの一つでした。まだテレビなどの無い昔昔のことです。
懐かしい事を思い出しながら、刺繍を楽しみました。よい日になりました。
コメント
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