格差階級社会をなくそう

平和な人権が尊重される社会を目指し、マスゴミに替わって不正、腐敗した社会を追求したい。

東電法的整理拒絶する財務省の狙いは天下り利権

2013-08-30 09:42:16 | 植草一秀氏の『知られざる真実』


東電法的整理拒絶する財務省の狙いは天下り利権




8月10日付ブログ記事


「深刻化する安倍軍国路線と民意の激しい「ねじれ」」


http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2013/08/post-360d.html


メルマガ第635号記事


「首相目前で安倍軍国路線糾弾長崎市長の快挙」


http://foomii.com/00050


に記述したが、東電の福島第一原発事故処理の矛盾がさらに拡大し、抜本的な処理方法変更が迫られている。


8月21日付東京新聞=中日新聞「こちら特報部」は、


「東電再建すでに限界」


「破綻処理が大前提」


の見出しでこの問題を取り上げている。

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本ブログ、メルマガでは、8月10日付記事に以下のように記述した。


「東電福島第一原発では、放射能汚染水が海洋に垂れ流しされている。


放射能汚染水の海洋への流出を防ぐための措置にかかる費用を政府が負担する方針が示されているが、株式会社として上場を継続されている民間会社である東電に対する政府からの公的資金投入は説明がつかない。


原発事故発生当時に存在した原発事故の損害賠償に関する規定を盛り込んだ唯一の法律は「原賠法」であった。


「原賠法」の規定では、原発事故の損害賠償負担は当該事業者が負うこととされている。


例外は、異常に巨大な天災地変と社会的動乱による自己の場合で、今回の事故はこの例外規定には該当しない。


原発事故を引き起こした程度の地震と津波は歴史的に何度も発生したことが確認されてきており、「異常に巨大な天災地変」には該当しないからだ。


そうなると、原発事故の損害賠償等の費用負担は東電が負わなければならない。


ところが、東電の純資産額よりも、損害賠償費用がはるかに大きいため、現在価値に換算して、東電は大幅な債務超過に陥る。


したがって、東電を法的に整理し、東電を政府支配下に置いて、政府の責任で原発事故処理を進める以外に、適正な方法はなかった。

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ところが、政府は東電を法的整理せずに公的資金で東電を救済し、株式上場を継続させている。


東電を法的整理すると、株主、債権者、経営者が責任を問われる。


財務省の最大の天下り機関である日本政策投資銀行は、東電のメインバンクであった。


東電が法的整理されると日本政策投資銀行が大きな損失を計上しなければならなくなる。


この事情から、不当に東電が救済され、現在に至っている。


ルールがあるのに、正当な理由なくそのルールを適用しない。


その理由は、財務省の天下り機関擁護にある。


このような歪んだ政策対応が大手を振ってまかり通る国。それが日本の現状である。


株主責任、債権者責任などが適正に問われることもなく、すべての負担が国民に押し付けられるのは、政治家が自分の利権確保に走っているためでもある。


大変悲しいことだが、日本政治・行政のレベルは完全なる「後進国」である。」

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法治国家、近代国家の流儀は、ものごとのルールを明確に定めて、問題が生じた場合には、そのルールに則って処理をするというものだ。


身体の自由など、基本的人権の根源に関わる身体の自由などの制限に関わる刑事司法の問題においては、罪刑法定主義の言葉が使われる。


罪刑を科すには、あらかじめ法律によってその内容を明記しておくことが求められる。


原子力はそもそも重大な危険を伴う存在である。


このことから原賠法が定められ、原子力事故が生じた場合に損害賠償についての定めを置いてきた。


その原賠法に次の規定が置かれている。


(無過失責任、責任の集中等)
第三条  原子炉の運転等の際、当該原子炉の運転等により原子力損害を与えたときは、当該原子炉の運転等に係る原子力事業者がその損害を賠償する責めに任ずる。ただし、その損害が異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によつて生じたものであるときは、この限りでない。


さらに、賠償原資が枯渇する場合に備えて、次の条文も置かれている。


(国の措置)
第十六条  政府は、原子力損害が生じた場合において、原子力事業者(外国原子力船に係る原子力事業者を除く。)が第三条の規定により損害を賠償する責めに任ずべき額が賠償措置額をこえ、かつ、この法律の目的を達成するため必要があると認めるときは、原子力事業者に対し、原子力事業者が損害を賠償するために必要な援助を行なうものとする。


2  前項の援助は、国会の議決により政府に属させられた権限の範囲内において行なうものとする。



原賠法は、原子力事故が発生した場合、原発事業者に損害賠償責任を課している。


例外となるのは、


「異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によつて生じたものであるとき」


であり、この場合には、法律の規定の限りではないとされている。


上記したように、東電福島第一原発事故は、「異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によって生じたもの」ではない。


過去に発生したことのある規模の津波と地震によって生じた事故であり、津波対策については、独立行政法人産業技術総合研究所などが、再三、その不備を指摘してきたものである。


損害賠償は事業者である東電が負わねばならない。

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しかし、損害賠償金額は東電の純資産をはるかに超える規模であるため、東電はすでに、実質債務超過状態にあり、資本主義のルールによって法的整理しなければならないものである。


東電を法的整理すると、損害賠償に支障が生じるとの意見があるが、これは正しくない。


上記原賠法第十六条の規定により、損害賠償資金が枯渇する場合は、国会の議決により、国が資金援助できるのである。


東電の法的整理と、損害賠償は完全に両立できるのである。




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日本政府は対米上納外貨準備を金地金に変換せよ

2013-08-30 09:36:21 | 植草一秀氏の『知られざる真実』


日本政府は対米上納外貨準備を金地金に変換せよ




日本政府が国家財政の健全性を重視するなら、政府保有の外貨準備資産の見直しを直ちに実行するべきだ。


日本政府は2013年7月末現在、


1,254,033(百万ドル)


の外貨準備を保有している。


1.3兆ドルの外貨資産である。


そのうちの


1,168,661(百万ドル)


1.2兆ドルが、外貨建て証券である。


具体的には米国国債だ。


1ドル=100円で換算すると120兆円の米国国債を保有している。


重要なことは、為替レート変動によって、円換算金額が激変することだ。


2012年9月、円ドルレートは1ドル77円だった。


それが、いまは、1ドル=97円。


外貨準備高を1.3兆ドルとすると、その円換算金額は、


昨年9月時点で 100兆円


現時点で    126兆円


になる。


たった1年足らずの間に、円評価額が26兆円も変化した。

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日本がこれほどの外貨準備を保有する必要はない。


ドルが値上がりしたなら、ドル高の局面でドルを円に換金するべきだ。


それが、政府の当然の責務だ。


再びドルが下落して日本政府保有資産の円評価価値を目減りさせることは、国民に対する背信行為である。


米国国債を売って、円資金に転換しなくても、別の道がある。


それは、外貨準備の構成を金地金に変えることだ。


ドル表示の金価格が急落した。


昨年10月に


1トロイオンス=1798ドル


だった金価格が、


本年6月に、


1トロイオンス=1179ドル


に急落した。


金市場に投機資金が流入し、金価格を大幅に押し上げていたが、高値警戒感が強まり、急激に資金が流出し、価格急落が生じたのだ。


しかし、世界的な金融緩和が長期化するなかで、趨勢としての金価格上昇のトレンドは残存している。


6月末以降金価格は再上昇し、


現在は、


1トロイオンス=1376ドル


である。16%の反発を示している。

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日本は外貨準備を米国国債から金地金に切り替えるべきだ。


米国国債というのは、日本政府が米国政府にお金を貸していることを意味しているが、何よりも問題なのは、米国に借りた金を返す意志がないことだ。


日本政府は米国政府にお金を貸したが最後、返してもらったことが一度もない。


かつて橋本龍太郎首相が、「アメリカ国債を売りたい(=アメリカ政府からお金を返してもらいたい)との衝動に駆られたことがある」


と発言しただけで、大騒動になった。


米国は日本にお金を返す意志がないのだ。

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100兆円あるいは130兆円のお金を米国から「かつあげ」されているのが現状だ。


日本が独立国であるなら、米国から貸した金を回収すべきだ。


米国が金融緩和を続けて、ドルの下落を放置し続けると、米国国債はやがて紙くずになる。


ドル下落=円上昇は、日本の外貨準備高の円換算金額をただひたすら減少させることをもたらす。


財政危機で消費税大増税だなどと騒ぐ前に、外貨準備放置による、巨額為替損失のリスクを排除すべきことは当たり前のことだ。

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米国国債を売って円に換金するとうるさいなら、米国国債を金地金に乗り換えるべきだ。


金価格がちょうど大幅に値下がりした局面だから、いまは、金地金を買うのに適した時期だ。


2012年8月段階の数値だが、欧州諸国は外貨準備の多くを金地金で保有している。


国名  金保有量 外貨準備に占める比率
    (トン) (%)


ドイツ  3,395.5 71.90%


イタリア 2,451.8 71.30%


フランス 2,435.4 71.60%


オランダ  612.5  60.20%


ポルトガル 382.5  89.90%


これに対して日本は、金保有量が765.2トン、外貨準備に占める比率は3.1%だ。


しかも、その金地金はNY連銀の地下に眠っている。


ドイツはNY連銀に保管している金地金を本国に移送する方針を示している。

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日本政府は外貨準備の巨大な米国国債を金地金に変換し、その金地金を日本国内、日本銀行内で保管するべきだ。


戦後の日本は一貫して米国の支配下に置かれている。


その象徴は、


1.対米隷属政権の持続


2.沖縄を中心とした米軍への領土提供


3.原発の推進


4.米国に対するみかじめ料の上納


5.対米自立派人材への人物破壊工作


である。


対米自立派の政権は、ことごとく潰されてきた。


片山哲内閣、芦田均内閣、鳩山一郎内閣、石橋湛山内閣、田中角栄内閣、鳩山由紀夫内閣がその象徴だ。


自主独立政権が潰され、対米隷属を代表する安倍晋三政権が樹立されたから、日本の独立は遠い彼方に消し去られようとしている。

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この安倍晋三政権が、米国にものを言う可能性はゼロに近い。


絶望的な状況にある。


しかし、だからと言って、日本の自主独立を断念するべきではない。


自主独立への道筋を探り続け、必ず、実現しなければならない。


米国へのみかじめ料の上納を中止するべき時期に来ている。


政府保有の外貨準備の米国国債をまず金地金に転換し、その金地金を日本国内に移送する決断を示し、実行させてゆく必要がある。


ドイツはそれを実現しつつある。





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