格差階級社会をなくそう

平和な人権が尊重される社会を目指し、マスゴミに替わって不正、腐敗した社会を追求したい。

政治の既成概念根底から覆す五つ星運動の夢

2017-11-29 19:29:54 | 植草一秀氏の『知られざる真実』

政治の既成概念根底から覆す五つ星運動の夢
11月28日(火)、参議院議員会館講堂で、イタリア「五つ星運動」リーダーのリカルド・フラカーロ・イタリア下院議員による市民との対話集会が開催された。

3時間にわたる講演と質疑応答が満席の聴衆とともに熱気あふれるなかで進められた。

極めてハードなスケジュールでのイベント出演を快諾くださったフラカーロ氏一行のご厚意、ご尽力に心より感謝申し上げたい。

また、素晴らしい通訳をして下さった通訳者ならびにイベントを企画、実行くださった実行委員会のみなさまに心よりの敬意を感謝の意を表したい。

対話集会は、フラカーロ氏による講演の第一部と、フラカーロ氏に対する質疑の第二部の編成で実施された。

イタリアの五つ星運動は始動から8年で、国政掌握を視野に入れるところにまで成長している。

水資源、持続可能な交通、環境、インターネット、持続可能な成長

の五つを課題に掲げている。

五つ星運動は、既存の政治勢力、政党と距離を置いているところに大きな特徴がある。

その出発点は、地域の問題を地域の主権者が考えるということだった。

地域の問題点を洗い出し、その解決策を探った。

その解決策を政治勢力に提示したが、彼らは、地域住民の提案に正面から向き合うことをしなかった。

この現実に直面して彼らは行動を変えた。

自分たちのことは自分たちで決める。

この行動をスタートさせたのだ。

五つ星運動が重視するのは、直接民主制の導入だ。

現代国家では、間接民主主義が主流になっている。

政治家が上から目線でものごとを決める。

しかし、彼らは主権者である国民に雇われている代理人に過ぎない。

雇われている者が上からものを決めて、雇っている国民がそれに従属するのはおかしいのではないか。

政治の主人公、主権者は市民であり、市民が政治を支配することが必要なのではないか。

そのことを、より明確に実現できるのが直接民主制である。

そして、市民のなかから、政治に直接携わる議員を生み出してゆく。

その議員は決して特権階級の者ではない。

政治の主人公、主権者である市民が、市民のなかから政治に携わる議員を輩出する。

そして、その議員が受け取る報酬は、普通の労働者と同じ水準にする。

また、議員は2期を限度として多選を許さない。

つまり、特権的な、上位に位置する職業としての政治家を生み出さないのだ。

彼らが重視してきたのは、インターネットと市民が直接に交流する「広場」であった。

インターネットの活用により、効率の良い情報伝達を実現する。

しかし、意見の調整、意見の相違の克服には、対面の対話が必要である。

そして、情報の伝達には、市民と市民が直接伝達する口から口への伝達が重要な意味を持つ。

政治活動にお金をかけず、五つ星の活動は、少額の寄付によって成り立っている。

巨大な資本を資金源とすれば、必ず運動は、その資金提供者の方向を向くことになる。

これを回避するために、巨大資本からの資金を拒絶してきた。

彼らはインターネットを通じる国政選挙立候補者の擁立を行ったが、そのための経費は基本的にゼロであった。

インターネットを活用することにより、お金をかけない政治活動が可能になったのである。

日本の政治刷新に向けて、私たちは、どうしても既存の政治勢力、既存の政党を基軸に考えてしまう。

しかし、この既存の政党が柔軟性を持たず、「国民のための政治」よりも、「我が党のための政治」を重視、優先してしまうという現実が私たちの前に立ちふさがってきた。

フラカーロ氏は、この障害を取り払う、新しい斬新な発想を提供してくれたと考える。

既存の政党には頼らない、市民による政治刷新が、この日本でも実現可能なのではないか。

そして、間接民主主義しかないとの暗黙の了解を、一度根源から疑ってみる必要があるのではないか。

私たちの日本の政治を刷新するための、大いなるヒントを与えてくれた、極めて意義深いイベントの開催に喝采を送りたい。





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「イタリア五つ星運動」

2017-11-29 12:13:21 | 杉並からの情報発信


①11月26日(日)午後1時半-5時半に都内練馬区で約100名の参加で行われた「イタリア五つ星運動」リーダーリカルド・フラカーロ下院議員の講演の文字起こしです。

まず、日本に招いてくれた山田さん、佐々木さんに感謝を申し上げます。お二人とも素晴らしい方です。最初に、今日のこの催しを五つ星運動の名において感謝します。

五つ星運動がどのようにメディアに取り上げられているか、「ポピュリズムで」「提案がなく」「批判ばかり」と言われています、でも、私達は「国民主権を明確にしたい」としてきました。これは現在権力をもっている人には喜ばれない考えです。

わたしはいま36歳で、7年前にこの運動に参加しました。発足の翌年です。賛同したのは、あるイベントでした。二日間にわたって開かれたフェスタのようなイベントで、そこで数千人が出会いました。素晴らしい音楽を聴き、政治について話し合うイベントです。
参加している人はあらゆる分野から、また老若男女、金持ちも貧乏人も路上生活者もいました。どんな立場の人もお互いに尊重し合っていました。ごみをきちんと分別したり、水の容器はごみになるので(ペットボトルを買わずに)水道水を飲むような、いつも気を付け考えている人々でした。既存政党はこんなことに援助してくれません。

政治家たちは既得権益を守っています、私達市民を分断するために、右翼だ左翼だと分けています。それは実は私達を騙そうとする手法だ、ということに気が付きました。

イタリアでは右派政権と左派政権が交互に政権を運営していましたが、やっていることはまったく同じでした。権力を握ったものは、自分のステータスを守ることに専念するもので、これはデモクラシーとは言えません。

イタリアでは5年後との選挙があります。

既存政党にとって自分のステータスを守るということ=票を守る事。既存政党の目標はたくさんの票をとることであり、社会を良くすることではありません。そして、票をとるためには何でもします、汚職やお金を使って票を集めたり、イタリアではそういうことが起こっていました。

<五つ星運動の歩み>

イタリアには第二の戦後といわれる驚くべき経済成長の時代がありました。でもその成長はコントロールされておらず、環境保護などには全く配慮がなく、目的は金儲けでした。この時期、社会的カテゴリーを代表する政党がいろいろあり、代理権を利用していましたが、その権力で社会のあらゆる層をコントロールしようとしました。経済、医療、コミュニケーションツール…。イタリアのメディア(新聞雑誌)は、多くが政府・企業にコントロールされており、自由な勇気あるジャーナリストはごく少数です。政治家の中には票を得るために犯罪グループと手を握ったものもいます。

余りに長い年月の間、政治家は変わらずに来ました。しかしすべてのイタリア人がそれに甘んじていたわけではありません。五つ星運動の創始者、ペッペ・グリッロは有名なコメディアンで1980年代はTVスターでした。しかし新しい提案をするのが好きで、あるときテレビで社会党(政権党)を批判し、1986年にテレビ界から排除されてしまいました。ペッペはそこで人生を見なおす必要に迫られました。大きな転換は、大きな危機から生まれるものです。

ペッペの危機から一つの政治運動が起きました。ペッペはテレビ界から干され、あるイベントを催しました。そこで政治の理念や理想を具体的に話しはじめたのです。90年代に、サステイナブル、エネルギー革命、公的水の利用などを初めて話し始めました。そのイベントには大勢の人がやってきて大成功しました。

2004年に、カザレッジョというITの専門家と出会い、一緒にブログを開きました。
ペッペのブログはイタリア語、英語、日本語で展開され、一時は世界で9番目に人気のブログになりました。なぜ日本語のサイトがあるか、創始者の二人は日本に大変敬意を払っているからです。

人びとが新しい意見を導入するに当たり、状況は本当は変えられるのに変えないということに不満をもち、何かをしたいという気持ちがわき起こりました。そしてMITAオンラインというプラットフォームが出来ました。

プラットフォームではいろんな人が出会いました。イニシアティブをとるようなアイディア交換がオンラインで始まりました。そこでは今まで出会ったことのない人たちがオンラインで出会い、リアルでも出会い、話し合うようになりました。

自分の地域をどう改善するかについて、日々話し合いました。イタリア全体に広まり、人びとが出会い、提案を政治家に持ち込むようになりました。政治家は市民から給料をもらっている人だからです。

しかし、思いがけないことが起こりました。政治家の側が扉を閉めてしまったのです。
五つ星はもともとは政治家になるようなムーブメントではなく、新しい理念や解決策を政治家にゆだねるという運動でした。しかし政治家の側が耳を傾けなかったのです。五つ星は市町村の議会で締めだされました。

そこで、私達は政治家を変えようと考え、2007年にオンライン広場イベントを企画し、広場のイベントがオンラインで流されました。「Vday」というイベントです。このとき一日で35万の書名が集まりました。法案を提出するための書名です。それは犯罪歴のある人を議会から追い出すことです。

当時、重大な犯罪歴をもった人が議員を続けていました。私たちが出したのは、政治家は二期以上続けてはいけないという法案です。でも35万人もの署名を集めたのに、無視されてしまいました。だけどそれでも終わりにしたいとは思いませんでした。翌年もう一度広場でもイベントを開き、より透明なコミュニケーションツールを目指しました。この時の100万の票も、しかしながら捨てられました。

こうして政治家が耳を塞いでいることから、五つ星政党が生まれました。翌年に政党として発足し、選挙に参加しました。

最初は市町村議会からはじめ、総選挙では850万票、25%を獲得しました。4年間で、0からスタートして900万票を得ることとなりました。どのようにしたのか?既存のメディアを無視して、広場をいっぱいにし、オンラインコミュニケーションを活用したのです。オンラインだけではなく、実際に広場で人と人が出会いながら活動を広げました。
5つの基本的な概念があります。

1)公的な水を飲む

2)環境保全

3)公的交通手段

4)持続可能な成長

5)ネットで無料参加の基礎を作る

五つ星から立候補したのは、無名の人たちでした。4200万ユーロの正統補助金を得ましたが、基本的にお金がなくても政治ができる、そのほうが正統な政治ができることを立証しました。あらゆる補助金なしで選挙戦を戦い、市民の30ユーロづつの小さな拠出金のみで70万ユーロを集めました。

みんな政治に関心を持っていたんです。もし企業からお金をもらったら、政治を動かすのは旧タイプの階級になってしまう。でも政治家を雇用しているのは市民なのです。
ローマ市長も五つ星のメンバーです。

今年はまたオンラインで、次の党首を選びました。ルイジ・ディマイオ、30歳です。
来年の選挙が終わったら五つ星から出す党首として来日したいと言っています。ダイレクトデモクラシー=直接デモクラシーは代議制デモクラシーを完全に否定するのではありません。民主主義をデモクラシー化するということです。市民が自分たちの代表をコントロールし、政策に参加できるシステムのことなのです。これは不可能に見えますが、2013年に私たちは市民から直接委ねられました。

国会議員900人がイタリアの6000万人の国民を動かしています。生活のあらゆる分野、就業時間や給与水準などを決められるのです。そして、議員たちがどういう選挙法に則って選ばれるかも、システム的に決められるのです。

例えばみなさんが企業あるいは社会的な活動をしているとすると、人をやといますよね。雇われた人(政治家)は市民のために働くべき人で、議員である5年間に市民生活に影響を与える様々なことを決定できます、そして5年後契約を新しくし、違う人を雇うことも出来ます。でも、こういうタイプの仕事は倒産するに決まっています。現在の代議制デモクラシーはこういうことです。

5年で担当者が代わっていくのではなく、「日々市民に聴く」という仕組みを作るべきです。

このシステムは五つ星内部にも適用しています。ルソーに敬意を評し、ルソーシステムと名付けました。これは五つ星運動の参加者は全員、議員が作成した法案に直接意見を言え、法案を議員を通して提案できます。ルソーシステムの中で、スポークスマン(議員)が活動するのです。

一方ではオンラインのコースを作り、市民も参加し、全ての人が市町村の議会での予算などを論じ合うことが出来ます。

公的書類を見るだけの手順も知ることが出来ます。

地域の問題を解決するためのインフォメーション方法も選べます。

私達の力は「市民参加のこのシステム」にあります。政治家たちは花火のような政治と言ってきましたが、それは間違っています。2009年に誕生し、8年間ずっと成長してきました。

私達の満足は、こうした考え方が世界中に広がって人々が考え始めたことです。

自分たちだけでは難しくても、力を合わせていけば変えられる。

グローバリゼーションとは、アイディアの共有ができることです。

日本とイタリアで意見をかわせば、大きな目標を達成することができるだろうと思います。
ありがとう。

(1)今日のメインテーマ

■私が考える『日本版五つ星運動』の政権公約!

▲『イタリア版五つ星運動』の政権公約

①公的な水を飲む

②環境保全

③公的交通手段

④持続可能な成長

⑤ネットで無料参加の基礎を作る

▲『日本版五つ星運動』の政権公約(山崎案)!

①日米安保条約廃棄と永世中立宣言
→米国による植民地支配からの解放と平和国家日本の実現

②天皇制廃止とアジア太平洋侵略戦争・国民弾圧の実行者・実行組織の摘発と処罰 →米国傀儡政党・自民党と日本会議、神社本庁、靖国神社など戦後温存された戦前支配体制の完全解体

③議院内閣制の廃止と大統領制導入と直接民主制導入 → 三権分立と主権在民の完全実現

④政治家・公務員の公選制度と罷免制度の導入と利権・特権の全廃 →政治家と官僚による政治支配からの解放

⑤「独立した憲法裁判所」の創設 →本物の「憲法の番人」による法治主義・立憲主義の実現

⑥日銀国有化と全権限の衆議院移管と日銀決定による「貨幣発行権」の禁止→金融支配からの解放

⑦政府による「国債発行権」の禁止 → 「国の借金」の廃止

⑧民間銀行による「無からカネを産む詐欺システム=準備預金制度」の廃止→金融支配からの解放

⑨銀行と大企業と金持ちが永遠に肥え太る「カネがカネを産むシステム=金利」の廃止→金融支配からの解放

⑩政教分離の徹底とカルト宗教による洗脳と搾取の禁止 →宗教支配からの解放

(終わり)






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