新年度=時間=人生 『千葉敦子』

2010年04月12日 | 日々のできごと
新年度を迎えた四月、みなさんいかがですか?
日本人は昔より四季を愛でる優れた感性をもつ民族といわれますが、
「桜」や「入学式」「新年度」「4月」「新入社員」などの言葉を目にするだけで
自然とわくわくするご経験はありませんか。

今日はその節目、『時間』について書いてみようと思います。
私も好きで時間に関する記事や本、人の話などはよく情報として仕入れますが
そのきっかけになったのは実は『千葉敦子』さんというジャーナリストでした。

千葉さんはすでに癌により1987年にお亡くなりです。
今もし生きていらっしゃれば手紙を書いてお会いしに行きたいと思う人のひとりです。
彼女の著書をご紹介します。
「ニューヨークの24時間」(文春文庫)
もう20年前の1980年発刊の本ですが、今読んでも新鮮で、彼女の生きる姿勢に
感銘を受けます。
それは「時間」への執念とも言える彼女の考え方です。
もともと彼女は乳がんにかかった経験から「時間=人生」という意識を
必要以上に感じざるを得なかったのかも知れません。
「仕事をすること」「最高の文章に触れること」「人と話すこと」「本を読むこと」
「奉仕活動をすること」「ミュージカルを観ること」などひとりのジャーナリストとして、またひとりの女性として、貴重な時間を少しも無駄にすることなく、
むしろ無駄も含めて時間は人生の全て、と捉え生きた足跡を残された方だと私は感じています。
この本に最初に出会ったのは学生時代でした。私はまだ社会に出た経験はなく仕事といってもアルバイトをしただけでした。
しかし彼女の本(他に著書は7冊ほどあります)から伝わってくる「生きる=時間」というメッセージのエネルギーは十分すぎるほど感じていました。
おかげ様でその後、社会人になってからもこの十数年、いつも「千葉敦子」のことを考えながら仕事に取り組んでいます。
もし良ければいつか読んでみてください。
そう、今もし千葉さんに会えたらお話したいことがあります。
それは「今から20年以上前、千葉さんがニューヨークで感じられた、予想された社会に日本もなりつつありますよ。
今ならニューヨークまで行かずとも日本で最高の医療サービスを受けれる時代になりましたよ」と。
あらためてご冥福をお祈りします。(Tsune)