要件を再確認!(短期前払費用の特例)

2013年04月18日 | Weblog
こんにちは!

今回は短期前払費用の特例についてです。
節税対策としてよく用いられる短期前払費用の特例。ご存知の方、すでに実行している方もたくさんいらっしゃるでしょう。この特例が認められるための要件、税務判断について再確認してみたいと思います。

法人税基本通達2-2-14、所得税基本通達37-30の2でいわゆる「短期前払費用」について記載されています。この短期前払費用ですが、通達本文や逐条解説の解説文には書いてありませんが、実際の現場における重要な考え方があります。それは
○ 重要性の原則から考えて問題がないこと
○ 等質等量の役務提供であること
です。

重要性の原則から考えて問題がないこと、とういうのは短期前払費用の特例が「重要性の乏しいものについて、企業会計上の簡便な処理を税法上でも認める」という趣旨の特例であるため、収益の計上と対応させる必要がある原価や重要な営業費用となるものは適用を受けることはできません。財務内容や金額の多寡など総合的に勘案して判断されます。

等質等量の役務提供であること、というのは次の要件をすべて満たすものとされています。
〔1〕 一定の契約に従って継続的に提供を受けること、すなわち、等質等量のサービスがその契約期間中継続的に提供されること
〔2〕 役務の提供の対価であること
〔3〕 翌年以降において時の経過に応じて費用化されるものであること、
〔4〕 現実にその対価として支払ったものであることの

簡単に言えば毎月定額で同じサービスを継続的に受けている、ということです。一定の期間だけに対応する費用(広告掲載料等)などは該当しません。また前払費用は役務の提供にかかるものですので、物品の購入などは該当しません。そして「前払」費用ですので当然実際に支払いが完了しているもの、ということになります。


実行の際は上記の要件を必ずチェックしておきましょう。
月払いの家賃を年払いに変更するのであれば、契約書も「年払い」に書き直しておくことも必要です。
また年払いで大きな支出となりますので、先々の会社の資金繰りのことも念頭において実行しましょう。

川上裕也