皆様こんにちは。
毎日暑い日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。
さて、本日は節税効果抜群の小規模企業共済について書かせていただきます。
1.加入資格
① 建設業、製造業、運輸業、農業などを営む場合は、常時使用する従業員の数が20名以下の個人事業主または法人の役員。
② 卸売業、小売業、サービス業を営む場合は、常時使用する従業員の数が5人以下の個人事業主または法人の役員。
③ 事業に従事する組合員数が20人以下の企業組合の役員や常時使用する従業員数が20人以下の協業組合の役員。
④ 常時使用する従業員数が20人以下かつ農業の経営を主として行っている農業組合法人の役員。
⑤ 常時使用する従業員数が5人以下の弁護士法人、税理士法人などの士業法人の社員。
⑥ 上記1、2に該当する個人事業主が営む事業の経営に携わる共同経営者(個人事業主1人につき2人まで)
※以下の要件をすべて満たす方が、共同経営者として加入することができます。
・従事する事業の個人事業主が小規模企業者であること。
・事業の重要な業務執行の決定に関与していること、または、事業に必要な資金を負担していること。業務執行に対する報酬を受けていること。
2.掛金
① 毎月の掛け金は、1,000円~70,000万円までの範囲内で500円単位で自由に選択可。
② 加入後、増額または減額が出来る(減額については一定の要件が必要)
③ 掛金は、全額が所得税の所得控除の対象となる。
3.一時貸付金の貸付け
加入者は掛金の範囲内で借入を行うことができる。
4.加入の申し込み先、問い合わせ先
中小機構、金融機関、商工会、商工会議所など。
5.シミュレーション
月額役員報酬100万円の社長の例
年間給与収入1,200万円 給与所得控除・・・230万円
所得控除250万円(仮定)
課税所得720万円→所得税102万円
上記条件で小規模企業共済に加入すると(月額掛金7万円)
年間給与収入1,200万円 給与所得控除・・・230万円
所得控除250万円(仮定)+84万円(小規模企業共済)=334万円
課税所得636万円→所得税約84万円
∴加入すると年間約18万円所得税を節税できる。住民税まで考慮すると約26万円の節税。
上記シミュレーションにもあるように節税効果は高いです。所得税は累進課税となっておりますので、シミュレーションよりも高所得の方は更なる恩恵を受けることが可能です。
最後に、こんな体験がありましたのでご紹介させていただきます。
以前勤務していた事務所で新規顧問契約をしていただいたお客様の例ですが、結論を申しますと小規模企業共済未加入でした。理由を聞くと「うちは当期で社員が20名超えているので結局解約しなければなりませんから。」とのこと。
初歩的な事ではありますが、上記社長との会話で加入条件の説明は非常に大事だと改めて感じました。
常時使用する従業員の数が20名以下とはあくまでも加入時点の条件で、加入後21名になったとしても継続して加入することは可能なんですよね。
加入条件を正しく理解していたら生涯で多額の節税が出来たケースでした。
※掛金は解約時に退職金若しくは年金として受け取る事になり、所得税の対象となります。
今後起業される方やご友人に上記1の加入資格に該当し未加入の方がいらっしゃったら是非検討されてみてください。
詳細は中小機構のホームページをご覧ください。
監査部一課
梅北 聖人