配偶者控除の廃止?

2016年09月12日 | Weblog

みなさんおはようございます。9月に入り日中はまだまだ暑いものの朝夕は過ごしやすくなりました。季節の変わり目は特に寒暖の差も大きですから体調管理には気を付けていきたいものです。

さて、先週末のニュースに、女性の社会進出を促進するため配偶者控除の見直しに着手することがあがっていました。配偶者控除については結構質問を受けることが多いので関心の高い項目だと思います。

配偶者控除とは、妻の年収が103万円以下の場合に、夫の所得税の計算上38万円を控除できるものです。

妻の収入100万円近辺には、それを超えると税金や社会保険が発生する上限が潜んでいますが、少し複雑ですので金額を追ってみてみましょう。

妻が98万円を超えると妻に住民税がかかります。

妻が103万円を超えると妻に所得税がかかります。夫から配偶者控除が無くなります。

妻が103万円を超えると夫から配偶者控除が無くなりますが、141万円までであれば夫の方で配偶者特別控除が適用できます。

妻が130万円を超えると夫の社会保険の扶養を抜けて自分で社会保険加入しなければなりません。

これ以外にも夫の勤める企業によっては配偶者手当が支給されているところもあり、妻が103万円を超えるとそれがストップする可能性があります。この基準となる金額は企業によりますので要確認です。

配偶者控除が無くなることによって、所得調整を気にせず働けるようになるかと言えばそうでないような気もします。130万円を超えてしまうと新たに発生する社会保険料で手取りが減ってしまいます。手取りを増やそうと思えば150万円を超える働き方をしなければなりません。税だけでなく社会保険も含めた対応も必要ではないかと思います。

女性の社会進出を目的とするのであれば税や社会保険料のことだけではなく保育園の整備など子育て世帯が働きやすい環境を整えることも大事ですね。

監査部2課 藤野慶一