福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

国家危機を救う仏教原理「成就衆生浄佛国土」その21

2019-11-05 | 護国仏教
密教の鎮護国家の修法には天台宗では熾盛光佛頂法(本尊は熾盛光曼荼羅。北極星の熾盛光佛頂を中心に八大菩薩、四大明王、十二大天、十二天宮、二十八宿などを円形に配したもの。)七佛薬師法、普賢延命法、安鎮国家法(二臂不動明王と八方に四臂不動を配する安鎮曼荼羅を本尊とする)、鎮将夜叉法などがあるとされ、真言宗では後七日御修法があるとされます。後七日御修法は真言宗最高の秘儀とされ,、元旦から七日まで宮中で行われていた宮中前七日節会に対し八日から十四日まで行われるのでこう名つ゛けられている行事です。834年(承和元年)に、仁明天皇の勅を奉じて、弘法大師が宮中真言院にて、国家安泰,万民豊楽を祈って行われて以来、毎年宮中の恒例行事として正月に行われてきました。しかし、明治の廃仏毀釈により中断。傑僧釈雲照師らの奔走により、1883年(明治16年)1月8日、東寺で復活、現在に至っています。修法は、七日間二十一座行われます。金剛界法と胎蔵界法を1年置きに交互に修し、息災・増益の護摩と五大明王、十二天、聖天法などを併せて修します。

これをおはじめになられるときのお大師様の奏状です。性霊集にあります。
「承和元年十二月 乙未 大僧都傳燈大法師位空海上奏して曰さく。空海聞く。如来の説法に二種の趣あり。一には浅略趣、二には秘密趣なり。浅略趣といふは諸経のなかの長行偈頌これなり。秘密趣とは諸経のなかの陀羅尼、是なり。浅略趣とは、太素、本草等の経に病原を論説し薬性を分別するが如し。陀羅尼の秘法といっぱ方に依って薬を合せ、服食して病を除くが如し。若し病人に対して方経を披き論ずるも病を療するに由無し。必ず須らく病にあてて薬を合わせ、方によって服食すればすなわち疾患を消除し、性命を保持することを得。然るを今、講じ奉る所の最勝王経、ただその文を読み空しく其の義を談ずれども、かって法によって像を画き壇を結びて修行せず、甘露の義を演説することを聞くと雖も、恐らくは醍醐の味を嘗むることを闕かむことを。
伏して乞ふ。今より以降、一、経法に依って経を講じ、七日の間に将に解法僧(法に通じている僧)二十七人、沙弥二十七人を択び、別に一室を荘厳し、諸の尊像を陳列し、供具を奠布して真言を持誦せむとす。然らば顕密の二趣、如来の本意に契ひ、現当の福聚に随って、諸尊の悲願を獲む。
承和元年十二月 乙未勅す。請ふに依って之を修し、永く恒例とせよ。」

「後七日御修法」は密教大辞典によればご本尊は「・・・実には宝生如来の法なり。・・・究極の秘事は如意宝珠を本尊とし、ペン一山と一体無二なりと観ず。よりて壇上安置の仏舎利を本尊と観じ、室生山の宝珠ならびに龍宮の宝珠を勧請し、合して本尊とす。一傳には金剛界には金大日、胎蔵には胎大日を本尊とす。」とあります。また道場は「密教最極の大法にしてかつ秘法なれば道場母屋の周囲に壁代をひきめぐらす。・・・西庇に北むけて息災護摩壇、西北隅に東にむけて増益護摩壇、北庇東二間に東向きに聖天壇を立てて、東庇に十二天像、・・當界の壇の奥に御衣を置く。・・・」等とあります。
1月14日は今でも「後拝み」と称して多くの信者さんたちが裸足で結願直後の灌頂院の中を拝して周っています。
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